フライ、J・バンタム級で世界挑戦したフランス人サウスポー。サントス・ラシアル戦、レイ・ギルバディ戦、ヒルベルト・ローマン戦を紹介します。
アントワンヌ・モンテロ(フランス)
身長164cm:サウスポー
①サントス・ラシアル 15R 判定 アントワンヌ・モンテロ
(WBA世界フライ級タイトル戦、1985年)
モンテロ:右ジャブ、左ストレート、左フック
ラシアル:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(感想:ラシアルがタイトル防衛。スペイン生まれのモンテロ。子供の頃にフランスへ。これまでフランス王座、欧州王座(いずれもフライ級)を獲得。WBC世界フライ級王者ガブリエル・ベルナル(日本で小林光二を豪快にKOした男)に挑戦したがTKO負け。これが二度目の世界チャレンジ。王者ラシアルはアルゼンチンの選手。背は低いが、ガッチリした体格で腕っぷしが強い。一度王座を奪われたが、取り戻して連続防衛中(日本で穂積秀一をKO)。フランスでの一戦。似たような白のトランクス。サウスポーのモンテロがジャブを使いながら左ストレートを当てようと前進。ラシアルは慎重に距離を取って、右ストレート、左右フック連打。一発一発を強く当てようとするモンテロだが、頼みの左ストレートをかわされてしまう。互いにディフェンスできるため、決定打に欠ける展開。10R、連打でラシアル優勢。判定は3-0。ラシアルの接近戦での連打が評価されたか。ダウンシーンは無し。共に力強い打ち方だった試合。モンテロはよく攻めたが得意の左ストレートをディフェンスされてしまい、攻めがやや一本調子だったように映像では見えた。ラシアルのようにコンビネーションを使って欲しかったところ。ラシアルはこれが最後のフライ級王座防衛戦に。階級を上げてヒルベルト・ローマンからWBC世界J・バンタム級王座を奪取、二階級制覇。)
②アントワンヌ・モンテロ 1R TKO レイ・ギルバディ
(欧州バンタム級王座決定戦、1986年)
モンテロ:右ジャブ、左ストレート、左フック
ギルバディ:左ジャブ、右ストレート、左フック
(ダウンシーン)
1R:左ショートで2度、ギルバディがダウン
(感想:モンテロがタイトル獲得。ラシアル戦後、三連勝のモンテロ。バンタム級で勝負。ギルバディ(英国)は英国バンタム級王座を獲得しているが、欧州バンタム級王座への挑戦は失敗に終わった過去がある。パリでの一戦。先制攻撃するモンテロ。ギルバディはぎこちない打ち方で応戦。左ショートでギルバディがダウン。挽回しようと攻めるギルバディだが、再び左ショートでダウン。ロープ際で連打されてストップ。モンテロが楽勝。ギルバディは腰が入っていない打ち方。これなら倒されることはない、とモンテロは確信したうえで一気に攻めたに違いない。やや強引だったが、左のパンチが強いことをファンにアピールできた。ギルバディは次の試合でビリー・ハーディ(後、オルランド・カニザレスのIBF世界バンタム級王座に二度挑戦していずれも敗北)にTKOで敗北。それがラストファイトとなった。)
③ヒルベルト・ローマン 9R TKO アントワンヌ・モンテロ
(WBC世界J・バンタム級タイトル戦、1987年)
モンテロ:右ジャブ、左ストレート、左右フック
ローマン:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(感想:ローマンがタイトル防衛。これまで27勝2敗1分のモンテロ。ギルバディ戦の次の試合は三度目の世界挑戦。王者ローマン(メキシコ)は41勝3敗1分。日本でもおなじみのテクニシャン。左で相手をコントロールするテクニックを持つ。フランスでの一戦。モンテロがいつものようにジャブ、左ストレートで前進。ローマンはフットワークで距離を取り、左ジャブ、右ストレートでカウンター。4Rに左ストレートをヒットさせたモンテロだが、ローマンのしつこいジャブに遮られて得意の左を打ち込めない。接近戦では互いにフック連打。8R、ローマンが連打で優勢。右ボディフックが印象的。9R、モンテロがローマンの回転の速い連打を浴びたところでレフェリーストップ(ダウンシーンは無し)。ローマンは左の巧さに定評があるが、この試合では相手に接近させないフットワークが見事だった。一方、またしても得意の左ストレートが不発に終わったモンテロ。次の試合で欧州王座を奪われた後、しばらくして引退。左ストレートには世界を獲れるだけのパワーが確かにあったが、世界には相手の武器を封じるのが巧い選手がたくさんいる。)
①「WBA World Flyweight Title
Santos Laciar vs. Antoine Montero」
②「vacant EBU Bantamweight Title
Antoine Montero vs. Ray Gilbody」
③「WBC World Super Flyweight Title
Gilberto Roman vs. Antoine Montero」
サントス・ラシアル(Santos Laciar)のページ
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ヒルベルト・ローマン(Gilberto Roman)のページ
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