「マービン・ハグラー時代」のミドル級サウスポー。マリオ・マルドナド戦、フランク・フレッチャー戦、ロビー・シムス戦を紹介します。
クリント・ジャクソン(アメリカ)
身長180cm:サウスポー
①クリント・ジャクソン 8R TKO マリオ・マルドナド
(ミドル級戦、1981年)
ジャクソン:右ジャブ、左ストレート、左右フック
マルドナド:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(感想:ジャクソンはスリムな体型。1976年モントリオール・オリンピックにはウェルター級で出場。メダルは獲得できなかったが、プロ転向。これまで14勝(10KO)1敗。マルドナドは15勝(9KO)8敗1分の中堅どころ。アトランチックシティでの一戦。ジャクソンは黒のトランクス、マルドナドはオシャレなグリーン。1Rから接近戦。ジャクソンがジャブで接近して左右フック。マルドナドはジャブ、右ストレート、左右フックでボディ打ち。5Rあたりから疲れを見せ始めるマルドナド。ジャクソンがマルドナドのディフェンスの隙を突く。8R、ロープ際でジャクソンが連打。レフェリーストップ。ダウンシーンは無し。ジャクソンはテクニックで勝つタイプ。一発のパワーはそれほど感じられなかった。マルドナドはアグレッシブで悪い選手ではなかったが、スタミナ不足。ダッキングやスウェーなしで真っ直ぐ攻めたり、下がってしまう欠点も。しかしながら、後にIBF世界J・ミドル級王者になるバスター・ドレイトンに二連勝。実力はあった。)
②フランク・フレッチャー 12R 判定 クリント・ジャクソン
(全米ミドル級タイトル戦、1982年)
ジャクソン:右ジャブ、左ストレート、左右フック
フレッチャー:右ジャブ、左ストレート、左右フック
(感想:フレッチャーがタイトル防衛。アトランチックシティでのサウスポー同士の一戦。王者フレッチャーもまたジャクソン同様、マービン・ハグラーの世界ミドル級王座を狙う男。ファイターのフレッチャーがジャブで接近して左右フックでボディ攻撃。ジャクソンはジャブ、フックで応戦。リングサイドではフレッチャーのママが息子を熱く応援(いつもの光景)。ジャクソンがキレイにジャブを決めるシーンもあるが、攻める姿勢でフレッチャーが優勢。4R、左ストレートでフレッチャーがピンチ。右目が腫れていくフレッチャーだが、勇敢にも前進。12R、フレッチャーの左フックがヒット。判定は3-0。ダウンシーンは無し。やはりジャクソンはパワーに欠ける。クリーンヒットしても倒せない。一進一退の攻防ではあったが、ジャクソンはチャレンジャー。王者を圧倒するぐらいじゃないと判定では勝てない。勝ったフレッチャーだが、その後、ウィルフォード・サイピオンに敗れて、王座陥落。「ウガンダのKOマシーン」ジョン・ムガビにKO負け。熾烈なミドル級戦線で生き残ることはできなかった。)
③クリント・ジャクソン 10R 判定 ロビー・シムス
(ミドル級戦、1982年)
ジャクソン:右ジャブ、左ストレート、左右フック
シムス:右ジャブ、左ストレート、左右フック
(感想:これもアトランチックシティでのサウスポー対決。シムスはマービン・ハグラーの弟(親が離婚したため、名字が違う)。これまで15勝(12KO)1敗。ジャクソンがジャブで攻める。シムスはジャブ、連打で応戦するが、やや受け身の姿勢。接近戦では互いにフック連打。しかしながら、両者とも一発のパワーに欠ける。判定は2-1。似たスタイルの選手同士の互角の勝負。シムスが最初から攻めていれば勝敗は逆だったかも。ダウンシーンは無し。結局ジャクソンはバスター・ドレイトン、ジェームス・シュラー、スンブ・カランベイらに敗れ、世界挑戦すらできなかった。当時のミドル級世界王者はボクシング史に残る名王者ハグラー。挑戦できたとしてもKOされていたと思うが、オリンピアンにしては寂しいキャリア。一つ下のJ・ミドルだったら一度は世界挑戦できたかも。)
①「Middleweight
Clint Jackson vs. Mario Maldonado」
②「USBA Middleweight Title
Frank Fletcher vs. Clint Jackson」
③「Middleweight
Clint Jackson vs. Robbie Sims」
ウィルフォード・サイピオン(Wilford Scypion)のページ
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フランク・フレッチャー(Frank Fletcher)のページ
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ロビー・シムス(Robbie Sims)のページ
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