2023年6月16日金曜日

ビリー・ハーディ(Billy Hardy)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

英国バンタム級王者。ジャブを飛ばす正統派。オルランド・カニザレス戦、ロニー・キャロル戦(再戦)、ナジーム・ハメド戦ほかを紹介します。

ビリー・ハーディ(Billy Hardy)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ビリー・ハーディ(イギリス)

身長168cm:オーソドックス(右構え)


ビリー・ハーディ 7R TKO キース・ウォレス

(英国バンタム級王座挑戦者決定戦、1985年)

ハーディ:左ジャブ、右ストレート、フック

ウォレス:左ジャブ、右ストレート、フック

(ダウンシーン)

3R:左フックでハーディがダウン

5R:右ボディフックでウォレスがダウン

7R:右ボディフックで2度、ウォレスがダウン

(感想:バリー・マクギガンのような戦い方で、「いかにも英国人ボクサー」といった正統派のハーディ(英国サンダーランド出身)。これまで11勝(3KO)3敗で、21歳。デビューから連勝後、判定で初黒星。さらに二度のTKO負けを経験し、この試合。15勝(11KO)3敗のウォレス(24歳)は英国プレスコット出身の白人。1980年のモスクワ・オリンピックにフライ級で出場したが、メダルは獲得ならず。アマの英国フライ級王者の肩書を引っ提げてプロ入り。デビューから連勝で英連邦フライ級王座を獲得したが、欧州フライ級王座はアントワンヌ・モンテロにKOされて獲得ならず。階級を上げて苦戦。直前の試合はTKO負け。英国アルフレトンでの一戦(レフェリーはジョン・コイル)。まずはジャブからスタートするハーディ。しかし、ウォレスが連打で攻めるため、手数を出す打ち合いに。連打するウォレス。ハーディはワンツーからの左フックといったコンビネーションで隙を狙うが、時折左フックを食う。3R、その左フックでハーディがダウン。しかし、5Rには右ボディ打ちでウォレスがダウン。その後、手数が多い打撃戦。ウォレスは地味な雰囲気のスタイルだが、右カウンターなど当てるテクニックを見せる。7R、左フックを打たれたハーディだが、右ボディでウォレスがダウン。立ったが、右ボディで再びダウン。今度も立てたが、右ボディが入ったところでレフェリーストップ。ハーディが逆転勝利。危ういシーンもあったが、ディフェンスに特に甘さは感じられなかった。ウォレスは巧い選手だったが、ボディが効いてしまった。その後のウォレス。ブランクを挟みながら中堅相手に連勝。最後は負傷による棄権でキャリアを終えた。)


オルランド・カニザレス 12R 判定 ビリー・ハーディ

(IBF世界バンタム級タイトル戦、1990年)

ハーディ:左ジャブ、右ストレート、左フック

カニザレス:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(ダウンシーン)

9R:左ボディフックでハーディがダウン

(感想:カニザレスがタイトル防衛。ウォレス戦後、英国バンタム級王座獲得、防衛のハーディ。しかし、ビンセンツォ・ベルカストロには勝てず(二度対戦。僅差の判定&ドロー)、欧州バンタム級王者にはなれなかった。英国王座をさらに防衛し、この世界初挑戦。王者カニザレスは元々はフライ級で小柄な選手だが、タイミングを捉えるのが巧い強打者。これが三度目の防衛戦。ハーディの地元サンダーランドでの一戦。ガードを上げて積極的にジャブを連打し、ストレートを伸ばすハーディ。カニザレスはステップを踏んで、ジャブ、ストレート、左フックをテンポ良く飛ばす。共に手数が多いが、カニザレスが1Rから右をクリーンヒットさせる。攻めるカニザレス、応戦するハーディ。9R、カニザレスがハーディの右ストレートをキレイにかわし、左ボディフックでダウンを奪う。その後もジャブ、ストレートで頑張るハーディ。カニザレスの左目が腫れていく。最終ラウンド終了時、ハーディは両手を上げて勝利をアピール。判定は僅差の2-1。映像ではカニザレスが得意のコンビネーション(左フックからの右ストレート)、例の「首を振ってパンチをかわす」ディフェンスを使って有効打と攻める姿勢で優勢に試合を進めて勝ったように見えた。再戦はカニザレスがKOで圧勝。ハーディと完全決着。)


ビリー・ハーディ 8R TKO ロニー・キャロル

(英国バンタム級タイトル戦、1990年)

ハーディ:左ジャブ、右ストレート、左フック

キャロル:左ジャブ、右ストレート、左フック

(ダウンシーン)

2R:右ストレートでキャロルがダウン

(感想:ハーディがタイトル防衛。キャロルも英国人。英国王座、英連邦王座、欧州王座に挑戦したが全て敗北。この試合は再戦。初戦も英国王座を懸けて行われ、ダウンを喫しながらも判定でハーディ。サンダーランドでの一戦。共にベルカストロに敗れた二人。同じようにジャブ、ストレートを武器とするタイプ。しかしながら手数はハーディの方が多く、ジャブで先手を取る。2R、カウンター気味の右ストレートでキャロルがダウン。やや受け身のキャロルは攻撃のリズムがよくない。8R、ハーディのボディ攻撃でしばし中断(映像ではローブローだったのかスタンディングダウンだったのか、わかりにくかった。レフェリーのジョン・コイルがカウントを取っていなかったところからするとローブローか?)。その後、コーナーで連打されるキャロル。レフェリーストップ。序盤のダウンが最後まで響いた内容・結果。ハーディが2Rにダウンを奪った右ストレートは実に見事な一撃だった。その後、キャロルは英国王座に挑戦したが勝てず。チャンスをたくさんもらったが、無冠に終わった。)


ナジーム・ハメド 1R TKO ビリー・ハーディ

(IBF・WBO世界フェザー級タイトル戦、1997年)

ハーディ:左ジャブと右ストレート

ハメド:ジャブ、ストレート、左右フック

(ダウンシーン)

1R:右ストレート、左フックで2度、ハーディがダウン

(感想:ハメドがタイトル防衛。キャロル戦後、フェザー級に転向し、英国王座、英連邦王座、欧州王座を獲得したハーディ。これまで36勝(17KO)7敗2分で、WBO1位。残すターゲットは世界王座のみ、といった状況。王者「プリンス」ハメドは25戦全勝(23KO)。マンチェスターで行われた試合。ルーツは違うが、共に英国人。正統派タイプのハーディ。髪を短く刈った姿に気合いが感じられるが、ハメドのトリッキーな動きに戸惑う。いつものようにジャブを出せず、いきなり右ストレートを放ったりする。ハメドはサウスポーからオーソドックスにスイッチ。右ストレートでハーディがダウン。左フックで二度目のダウン。立ったが、ストップ。アッサリ敗北したハーディ。これが最後の世界戦となり、結局、世界は獲れず。「王者が実力者だったがために世界を獲れなかった選手」の一人になってしまった。バンタム級時代に挑戦した相手がカニザレスでなかったら、世界王者になっていたかも。)


①「British Bantamweight Title Final Eliminator 

Billy Hardy vs. Keith Wallace」

②「IBF World Bantamweight Title 

Orlando Canizales vs. Billy Hardy」

③「British Bantamweight Title 

Billy Hardy vs. Ronnie Carroll」

④「IBF and WBO World Featherweight Title 

Naseem Hamed vs. Billy Hardy」


オーランド・カニザレス(Orlando Canizales)のページ

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ナジーム・ハメド(Naseem Hamed)のページ 

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