2023年6月23日金曜日

ドノバン・ブーシェ(Donovan Boucher)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

英連邦ウェルター級王者。パワフルな右ストレート、左フック。アリ・サラーム戦、ジェイソン・ワターズ戦、カークランド・レイン戦を紹介します。

ドノバン・ブーシェ(Donovan Boucher)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ドノバン・ブーシェ(カナダ)

身長 cm:オースドックス(右構え)

ドノバン・ブーシェ 2R TKO アリ・サラーム

(ウェルター級戦、1988年)

ブーシェ:左ジャブ、右ストレート、左フック

サラーム:左ジャブ、右ストレート、左フック

(ダウンシーン)

1R:右ストレートで2度、サラームがダウン

(感想:ブーシェはジャマイカ出身で、国籍はカナダ。これまで17勝(8KO)1敗。カナダ王座(ウェルター級)を獲得し、防衛にも成功している。デトロイト出身のサラームは10勝(5KO)5敗。後の世界王者ルイス・サンタナにKOされるなどこのところ三連敗中。ニューヨークでの一戦。1R、スラリとしたサラームがジャブ、右ストレート。しかし、ブーシェの踏み込みの速い右ストレートでダウン。さらにダウン。1R終了後、レフェリーが試合ストップ。「なぜ、止める?」といった表情のサラーム。ダウンを奪った右ストレートがいずれも強烈なものだったため、これ以上やるのは危険だとレフェリーは判断したものと思われる。格下が相手とはいえ、ブーシェは右ストレートと左フックがパワフルだった。その後、サラームは二試合やってキャリアを終えた。)


ジェイソン・ワターズ 10R 判定 ドノバン・ブーシェ

(ウェルター級戦、1989年)

ブーシェ:左ジャブ、右ストレート、左右フック

ワターズ:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(ダウンシーン)

3R:右ストレートでブーシェがダウン

(感想:ブーシェがアトランチックシティで実力者と対戦。ワターズはテキサスのゴールデン・グローブ(アマチュアボクシングの大会)で四度チャンピオンになっている黒人選手。プロ入り後は13勝(5KO)2敗1分。なかなかの強打者で、打ち方も良い。ジャブ、伸びとキレがある右ストレート、力強い左右フックで攻める。ブーシェはワターズのパワーを警戒しながらジャブ。3R、右ストレートでブーシェがダウン(勢いに押されたようなダウン。ダウンを奪った右ストレートよりも、その前の左フックの方が強かった印象)。接近戦では互いにフック。ワターズはアッパーも使う。振りがやや大きいブーシェ。ワターズの方が当てるのが巧いように見える。最後まで打ち合いが続き、判定は3-0。互いに強いパンチで攻め合った試合。何のタイトルも懸かっていなかったが、名勝負となった。強かったワターズ。しかし、次の試合でケビン・ポンペイに判定負け。そしてブランク&再起を繰り返す不安定なキャリアとなった。)


ドノバン・ブーシェ 9R KO カークランド・レイン

(英連邦ウェルター級タイトル戦、1991年)

ブーシェ:左ジャブ、右ストレート、左右フック

レイン:左ジャブ、右ストレート、左フック

(ダウンシーン)

9R:左フックでレインがダウン

(感想:ブーシェがタイトル防衛。ワターズ戦の再起戦で新鋭グレンウッド・ブラウン(後に世界挑戦)にTKO負けしたブーシェ。その再起戦で英連邦王者に。挑戦者レイン(ジャマイカ出身で英国籍)はロベルト・デュランに勝ったこともある個性派。英国・ノッティンガムでの一戦。ヘアバンドで長い後ろ髪を束ね、両手のガードを下げてジャブ、左フックのレイン。そして、とことこ足踏みをするかのようなフットワーク(ふざけているようにも見えるが、それがいつものスタイル)。ブーシェはパワーを込めて前進。2R、レインのヘアバンドの一部がどこかへ吹っ飛ぶ。攻めるブーシェ、応戦するレイン。5R、ヘアバンドの残りの部分がポロリ。試合の方は、レインが意外に粘る。ブーシェは攻めるが、決定打をなかなか打ち込めない。9R、左フックでレインがダウン。ワンパンチKO。最後はキッチリ決めてくれたブーシェ。パワフルな勝利だった。しかしその後、ブーシェは英連邦王座をTKO負けで失う。WBA世界ウェルター級王者クリサント・エスパーニャに挑戦したが三度ダウンを喫して惨敗。ただし、その試合でも力強いパンチを打っており、決して弱くはなかった。パワーはあったが、やりにくいタイプにでも勝てるような器用さに欠けていたのが残念。)

①「Welterweight 

Donovan Boucher vs. Ali Salaam」

②「Welterweight 

Donovan Boucher vs. Jason Watters」

③「Commonwealth Welterweight Title 

Donovan Boucher vs. Kirkland Laing」

カークランド・レイン(Kirkland Laing)のページ

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グレンウッド・ブラウン(Glenwood Brown)のページ

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クリサント・エスパーニャ(Crisanto Espana)のページ 

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