WBC世界ミドル級王者。サウスポーのテクニック。テリー・ノリス戦、デリク・ロロン戦、ジュリアン・ジャクソン戦ほかを紹介します。
クインシー・テイラー(アメリカ)
身長177cm:サウスポー
①クインシー・テイラー 2R KO ティム・ナイト
(J・ミドル級戦、1988年)
テイラー:右ジャブ、左ストレート、左右フック
ナイト:左ジャブ、右ストレート、左フック
(ダウンシーン)
1R:左カウンターでナイトがダウン
2R:右フックでナイトがダウン
(感想:テキサス州ダラス出身の黒人テイラー。アマチュアを経て、プロへ。マービン・ハグラーとの試合を控えたシュガー・レイ・レナードのスパーリングパートナーに。そういった経験を積みながら実力を付け、これまで9連勝(8KO)。ナイトはケンタッキー州ルイビルの黒人で、8勝(2KO)8敗。このところ後の世界王者クリストフ・ティオーゾ、ビンセント・ペットウェイらを相手に三連敗中。ニューヨークでの一戦(リングアナはエド・デリアン)。1R、左右の構えは違うが、共にジャブ、ワンツー。素晴らしく速いワンツーを使うナイトだが、速い左カウンターでダウン。テイラーが左右フックで猛攻。2R、攻めるナイト。しかし、今度は左フックからの右フックでダウン、失神KO。テイラーが実に力強い勝利。正確に強打した。ナイトは思い切りのいい打ち方をしていたが、テーラーにとっては「隙のある選手」だったようだ。その後のナイト。多くの試合を行ったが、多くの敗北。驚くべきことにヘビー級でも試合(レイモン・ブリュースターに1RでKO負け)。マイク・タイソンのスパーリングパートナーを務めたことも。通算戦績17勝(5KO)43敗。引退後はトレーナーになった(「元かませ犬」がどんな指導をしているのだろう?)。)
②テリー・ノリス 10R 判定 クインシー・テイラー
(J・ミドル級戦、1988年)
テイラー:右ジャブ、左ストレート、左右フック
ノリス:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(感想:デビュー以来10連勝(9KO)のテイラー。ノリスもまた世界を狙う新鋭で、16勝(11KO)2敗(後にレナードと対戦)。ラスベガス「シーザース・パレス」で行われた後の世界王者同士の一戦(テイラーのセコンドにレナード)。共に足でリズムを取ってジャブ、ストレート。接近戦での打ち合い。互いにディフェンスができるためクリーヒットは少な目。左でボディを狙うテイラー、速い左を連打するノリス。10R終了。判定は3-0(ダウンシーンは無し)。ノリスの速い連打が評価されたか。テイラーは9Rに左ストレートをヒットさせるなど良いパンチを打っていたが、ノリスの勢いのある攻撃に押されてしまった。ノリスは後に打たれ弱さを見せるようになるが、この試合では「脆い」という印象は無かった。)
③クインシー・テイラー 8R KO デリク・ロロン
(北米ミドル級タイトル戦、1994年)
テイラー:右ジャブ、左ストレート、左右フック
ロロン:右ジャブ、左ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
4R:左フックで2度、ロロンがダウン
8R:左ストレートでロロンがダウン
(感想:テイラーがタイトル防衛。ノリス戦後、勝ち続けるテイラー。しかし、タフ男ホルヘ・バカ(元WBC世界ウェルター級王者)とは相性が悪いのか勝てず、二連敗。そして、番狂わせでオーティス・グラントを破って北米王者に。これが初防衛戦。挑戦者ロロンはこれまで19勝(14KO)1敗。その一敗は実力者ジョー・リプシーに喫したもので、戦績は悪くない。コネチカット州マシャンタケットで行われたサウスポー同士の一戦。テイラーがジャブで距離を取って左ストレート、右フック。ロロンはジャブを使いながら接近してフック連打。攻めるロロンだが、テイラーのカウンターの方がヒットする。4R、左フックが効いたロロン。二度のダウン。その後も頑張って攻撃するロロンだが、パンチの正確さはテイラー。8R、左ストレートでロロンがダウン。ダウンと同時にストップ。ディフェンスのテクニックと攻撃の正確さでテイラーが上。動きのスピードはそれほどでもないが、安定感のある戦いぶりだった。また、サウスポースタイルでしっかりパンチを当てていくところなどはマービン・ハグラーっぽい感じだった。その後のロロン。ケビン・ポンペイ、バスター・ドレイトンらを相手に四連勝で引退。世界戦のチャンスは無かった。)
④クインシー・テイラー 6R TKO ジュリアン・ジャクソン
(WBC世界ミドル級タイトル戦、1995年)
テイラー:右ジャブ、左ストレート、左右フック
ジャクソン:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
4R:左ストレートでジャクソンがダウン
(感想:テイラーがタイトル獲得。北米王座を防衛し続けるテイラー(WBC2位)が念願の世界初挑戦。王者ジャクソン(バージン諸島)はジェラルド・マクラレンに強烈なKO負けを喫した後、王座決定戦で再び王座に返り咲いた強打者。ラスベガス「MGM Grand」での一戦。得意の強打で前進するジャクソン。テイラーは距離を取りながらジャブ。強引に力で相手を制圧しようとするジャクソン、左でボディを叩くテイラー。4R、左ストレートでジャクソンがダウン。その後も真っ直ぐ攻めるジャクソン。テイラーはディフェンスし、左ストレートを決める。6R、的確なパンチを浴びてフラつくジャクソン。レフェリーストップ。ジャクソンは元々打たれ強くないが、マクラレン戦などのダメージがあったのか、踏ん張りが効かない感じだった。一方、ジャクソンの強打をしっかりディフェンスしたうえで仕留めたテイラーには安定感があった。しかし、初防衛戦でキース・ホームズにTKO負け。その後はブランクを作りながら二試合やって引退。時代を築くことはできなかった。)
①「Super Welterweight
Quincy Taylor vs. Tim Knight」
②「Super Welterweight
Terry Norris vs. Quincy Taylor」
③「NABF Middleweight Title
Quincy Taylor vs. Derrick Rolon」
④「WBC World Middleweight Title
Julian Jackson vs. Quincy Taylor」
テリー・ノリス("Terrible" Terry Norris)のページ
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オーティス・グラント(Otis Grant)のページ
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ジュリアン・ジャクソン(Julian "The Hawk" Jackson)のページ
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キース・ホームズ(Keith Holmes)のページ
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