「ウェルター級のマイク・タイソン」。グレンウッド・ブラウン戦、フェリックス・トリニダード戦、ルイス・ラモン・カンパス戦を紹介します。
ラリー・バーンズ(アメリカ)
身長165cm:オースドックス(右構え)
①ラリー・バーンズ 10R 判定 グレンウッド・ブラウン
(ニューヨーク州ウェルター級タイトル戦、1992年)
バーンズ:左ジャブと左右フック
ブラウン:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(感想:バーンズがタイトル防衛。ニューヨーク出身のバーンズ。これまで25勝(11KO)1敗。戦い方と横顔がマイク・タイソンな男。ニックネームは「No Fear(恐れを知らない勇敢な男)」。ガードを上げてジャブを連打するスタイルで、左フックにはキレがある。後の世界王者バーノ・フィリップスに勝ったことがあり、唯一の敗北は元世界王者の古豪ソウル・マンビーに判定で喫したもの。挑戦者ブラウンは二度の世界挑戦の経験がある選手で36勝(26KO)4敗。ニューヨークで行われた一戦。ゴング前、リング中央で鼻をくっつけ合って両者ニラみ合い。速いジャブを飛ばすブラウン。バーンズはヘッドスリップしながら前進。接近戦ではフックでの打ち合い。打ち方はブラウンの方が良い。器用さに欠けるバーンズは攻めるがパンチの正確さに欠け、もみ合い、クリンチ(相撲みたいなシーンも)。判定は3-0。ブラウンのジャブ、フック連打の方が良かったような気もするが、バーンズの左フックが評価されたか。ダウンシーンは無し。左フックにキレはあったが接近戦がヘタなバーンズ。タイソンばりに「右ボディからの右アッパー」を見せてくれるのか、と思ったら見せなかった。どうせマネするなら強いところもマネして欲しい。)
②フェリックス・トリニダード 4R KO ラリー・バーンズ
(IBF世界ウェルター級タイトル戦、1995年)
バーンズ:左ジャブと左右フック
トリニダード:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
4R:左ボディフックでバーンズがダウン
(感想:トリニダードがタイトル防衛。北米ウェルター級王座を獲得、防衛するなど勝利を重ねていくバーンズ。IBF1位として初の世界挑戦。王者トリニダードは「プエルトリコの天才」と呼ばれる男でこれが七度目の防衛戦。アトランチックシティでの注目の一戦。ジャブと大振りの左フックで攻めるバーンズ。トリニダードは丁寧にジャブ、左フックで応戦。4R、左フックで足に来たバーンズ。左ボディでダウン。立てず、KO。パンチの正確さでトリニダードが圧勝。「タイソン戦法」が通用しなかったバーンズ。トリニダードには打たれ弱さがあるため、それなりに勝つチャンスがあると思われたが。)
③ルイス・ラモン・カンパス 4R TKO ラリー・バーンズ
(IBF世界J・ミドル級タイトル戦、1998年)
バーンズ:左ジャブと左右フック
カンパス:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(感想:カンパスがタイトル防衛。トリニダードに敗れた後、WBOのインター王座(ウェルター級)を獲得したバーンズ。ラスベガス「Thomas & Mack Center」で二度目の世界挑戦のチャンス。王者カンパスは「ヨリボーイ・カンパス」とも呼ばれるファイタータイプで、これまで71勝(61KO)2敗。ジャブを使い、接近戦では右アッパー、メキシカンらしい左ボディフックを振るうカンパス。バーンズはジャブ、そして接近して連打。タイソンのマネではなく、普通のファイターっぽい攻め方。ショート連打が巧いカンパス。3R終了後、左目の負傷によりバーンズが棄権。ダウンシーンは無し。結局これがラストファイトになったバーンズ。タイソンみたいな選手、リカルド・ロペスみたいな選手など、誰かをマネしている選手が現れることがボクシング界にはよくあるが、それが自分に合ったスタイルとは限らない。自身の身体的特徴、パワーなどを最大限に生かせるスタイルを選ぶべきだ。)
①「New York State Welterweight Title
Larry Barnes vs. Glenwood Brown」
②「IBF World Welterweight Title
Felix Trinidad vs. Larry Barnes」
③「IBF World Super Welterweight Title
Luis Ramon Campas vs. Larry Barnes」
グレンウッド・ブラウン(Glenwood Brown)のページ
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フェリックス・トリニダード(Félix Trinidad)のページ
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ルイス・ラモン・カンパス(Luis Ramón Campas)のページ
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