IBF世界ミニマム級王者。長いジャブ、ストレートが武器だった南アフリカのサウスポー。ラタナポン・ダッチボーイジム戦、カルメロ・カセレス戦、リカルド・ロペス戦を紹介します。
ゾラニ・ペテロ(南アフリカ共和国)
身長168cm:サウスポー
①ゾラニ・ペテロ 4R TKO ラタナポン・ダッチボーイジム
(IBF世界ミニマム級タイトル戦、1997年)
ペテロ:右ジャブ、左ストレート、右フック
ラタナポン:右ジャブ、左ストレート、右フック
(ダウンシーン)
4R:連打でラタナポンがダウン
(感想:ペテロがタイトル獲得。「The Tiger」と呼ばれるペテロ(あまり「虎」というイメージはない)。IBF6位で、これまで10勝(5KO)2敗2分で、パッとしない戦績。これまでの試合は全て地元で、南アフリカ・ミニマム級王座に挑戦したときはKO負けしている。王者ラタナポンは当時「リカルド・ロペスに匹敵する実力者」と評価されていたほどのハードパンチャーで34勝(27KO)2敗1分。長らく王座を保持しており、試合の予想は圧倒的にラタナポン有利。タイで行われたサウスポー同士の一戦。ペテロが足で距離を取ってジャブ連打。ラタナポンは自信タップリにジャブ、左ストレートでプレッシャーをかける。パワーで制圧しようとするラタナポン、当てさせないペテロ。4R、左ストレートでラタナポンがふらつく。連打でダウン。立ったがフラついておりストップされた。番狂わせ。ラタナポンは力強かったが、パンチのキレが微妙だった印象。ペテロは手数が多かった。相手のパワーに臆しなかったのが勝因と思われる。)
②ゾラニ・ペテロ 7R TKO カルメロ・カセレス
(IBF世界ミニマム級タイトル戦、1998年)
ペテロ:右ジャブ、左ストレート、右フック
カセレス:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
7R:右フックでカセレスがダウン
(感想:ペテロがタイトル防衛。地元(南アフリカ)で行った二度目の防衛戦。IBF4位の挑戦者カセレスはフィリピンの選手。これまで13勝(6KO)2敗3分。フィリピンのミニマム級王座を獲得している。ジャブと振りの大きいフックで一発を狙うカセレス(典型的なフィリピン型ファイター)。ペテロはコンビネーション(ジャブ、ストレート、右フック)を使い、手数が多い。接近戦でボディを攻撃するペテロ。カセレスはパワーを込めるが単発。7R、右フックでカセレスがはじき飛ばされるようにダウン。立ったがコーナーで連打され、レフェリーに救われた。ペテロは「勝ちパターン」を作り上げた様子。流れるような連打が効果的で、カセレスの「一発狙い」を巧く封じた。カセレスは後、ウィル・グリッグスビーのIBF世界ライトフライ級王座にも挑戦したが判定負け。チャンスはもらえたが、世界王座には手が届かなかった。)
③リカルド・ロペス 8R KO ゾラニ・ペテロ
(IBF世界L・フライ級タイトル戦、2001年)
ペテロ:右ジャブ、左ストレート、右フック
ロペス:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
2R:左フックでペテロがダウン
8R:左フックでペテロがダウン
(感想:ロペスがタイトル防衛。ニューヨーク「マジソン・スクエア・ガーデン」で行われた一戦。王者ロペスは日本でもおなじみ。WBC世界ストロー級王座を返上後、IBF世界L・フライ級タイトルを獲得し、二階級制覇。前回の防衛戦ではラタナポンをKO。これまで49勝(36KO)1分のほぼパーフェクトレコード。ガードを上げてジャブ、右ストレート、左アッパー、コンビネーションを使うロペス。IBF世界ミニマム級王座を返上し、二階級制覇を狙うペテロもまた連打で攻めるタイプであるが、ロペスのフットワーク、ジャブ、ディフェンスに遮られて連打できない。2R、絶妙なタイミングの左フックでペテロがダウン。その後は接近戦。ロペスが左フックでボディ攻撃。8R、右ストレートを浴びて後退するペテロ。左フックでダウン。立てず、KO。ロペスが長く鋭いパンチで勝利。パンチのキレ、隙を見逃さない勘の良さなど、総合的にロペスが上だった。ペテロはこの試合の後、長いブランク。復帰したが、二連敗で引退。ロペスには敵わなかったペテロだが、あのラタナポンをKOし、王座を五連続防衛したのは立派。世界王者になってダメになっていく選手もいるが、ペテロは安定感を増していった。「努力の人」だったと思われる。)
①「IBF World Minimumweight Title
Ratanapol Sor Vorapin vs. Zolani Petelo」
②「IBF World Minimumweight Title
Zolani Petelo vs. Carmelo Caceres」
③「IBF World Light Flyweight Title
Ricardo Lopez vs. Zolani Petelo」
ラタナポン・ソーウォラピン(Ratanapol Sor Vorapin)のページ
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エリック・ハミリ(Eric Jamili)のページ
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リカルド・ロペス(Ricardo López)のページ
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ウィル・グリッグスピー(Will Grigsby)のページ
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