ミラン・メリンド（Milan Melindo）「世界の強豪ボクサー：ボクシング・ブログ」

IBF世界Ｌ・フライ級王者。小柄ながら正確な強打で世界を獲得したフィリピン人。日本で行われた八重樫東戦、田口良一戦、拳四朗戦を紹介します。

ミラン・メリンド（フィリピン）

身長157cm：オーソドックス（右構え）

①ミラン・メリンド 1R KO 八重樫東

（IBF世界ライトフライ級統一戦、2017年）

メリンド：左ジャブ、右ストレート、左フック

八重樫：左ジャブ、右ストレート、左フック

（ダウンシーン）

1R：左フック、左フック、右ストレートで３度、八重樫がダウン

（感想：メリンドがタイトル統一。フィリピンのメリンド。「Milenyo（ミレニオ：かつてフィリピンを襲った大型台風の名）」と呼ばれる男。6歳でボクシングを始め、アマチュアで優秀な成績。2005年にプロデビューして連戦連勝。WBCやWBOの地域王座を獲得。全勝のまま、フアン・フランシスコ・エストラーダ（メキシコ）の持つWBA・WBO世界フライ級王座に挑戦したが３－０で判定負け。ハビエル・メンドサ（メキシコ）のIBF世界ライトフライ級王座への挑戦も失敗。ファーラン・サックリンJr（タイ：日本で宮崎亮をぶっ倒した男）との決定戦でIBF世界ライトフライ級暫定王座獲得（正規王者の八重樫が負傷したことにより暫定王座が設定された）。三階級制覇王者であり正規王者の八重樫。この試合はタイトル防衛戦であると同時に、メリンドとの正規王座と暫定王座の統一戦でもある（昔は「統一戦」と言えばWBAとWBCとか異なる団体のベルトを懸けたものだったが、近年では元々一つだったベルトを一つにすることも「統一戦」と呼ばれるようになっている）。長年苦労してきたメリンドとしては「暫定」ではなく、正規の王座を獲りたいところ。左で攻める八重樫。メリンドはしっかりしたジャブ、ストレートを打ち込む。左フックで八重樫があっけなくダウン。さらにダウン。最後は強烈な右ストレート。動きは軽やかだった八重樫。過去のダメージが大きかったか。）

②田口良一 12R 判定 ミラン・メリンド

（WBA・IBF世界Ｌ・フライ級王座統一戦、2017年）

メリンド：左ジャブ、右ストレート、左右フック

田口：左ジャブ、右ストレート、左右フック

（感想：田口がタイトル統一。37勝（13KO）2敗のメリンド（八重樫を豪快にKOしたメリンドだが、KO数は意外と少ない）。田口と統一戦。IBF王座の二度目の防衛戦でもある。WBA王者の田口は「井上尚弥にKOされなかった男」。これまで26勝（12KO）2敗2分。ガードを上げてジャブを飛ばす田口。メリンドはジャブ、連打。田口はパンチは軽いがジャブ、ストレートをヒットさせ、メリンドの連打をブロック。そして器用に左ボディ打ち。判定は３－０。パンチの正確さが評価されたと思われる。ダウンシーンは無し。メリンドは良いパンチを打っており、コンディションは悪くはなさそうだった。ディフェンスに差があった印象。）

③拳四朗 7R TKO ミラン・メリンド

（WBC世界Ｌ・フライ級タイトル戦、2018年）

メリンド：左ジャブ、右ストレート、左フック

拳四朗：左ジャブ、右ストレート、左フック

（感想：拳四朗がタイトル防衛。田口に敗れたメリンドの再起戦。WBC王座を狙う。王者の拳四朗は「親子ボクサー」（父の寺地永は日本ミドル級王座、東洋太平洋ライトヘビー級王座を獲得。敗北は竹原慎二戦のみ）。これが四度目の防衛戦。フットワークで距離を取ってジャブを連打する拳四朗。メリンドは攻めようとするがジャブで先手を取られて、攻撃が単発。拳四朗が右でカウンターを取り、左ボディ打ち。7R、メリンドの左目のキズが悪化してTKO。ダウンシーンは無し。スッキリした結末ではなかったが、拳四朗の実力による勝利。フィリピン人ボクサーはパンチはあるが、狙いすぎだったり、ボディが弱かったり。マニー・パッキャオ級の活躍ができそうなほどパワーがある選手でもアッサリ負けたりすることが多いのが残念。その後、メリンドは所属する「ALAジム」が閉鎖。この記事を書いている時点では現役続行中。）

①「IBF World Light Flyweight Title 

Yaegashi Akira vs. Milan Melindo」

②「WBA and IBF World Light Flyweight Title 

Taguchi Ryoichi vs. Milan Melindo」

③「WBC World Light Flyweight Title 

Teraji Kenshiro vs. Milan Melindo」