2022年8月26日金曜日

ランディ・シールズ(Randy Shields)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ハーンズ、クエバス、レナードらと戦ったタフな白人ウェルター級。ウィルフレド・ベニテス戦、ピピノ・クエバス戦、トーマス・ハーンズ戦を紹介します。

ランディ・シールズ(Randy Shields)ボクシング・ブログ「世界の強豪ボクサー」[Google Blogger]

ランディ・シールズ(アメリカ)

身長180cm:オーソドックス(右構え)


ウィルフレド・ベニテス 7R TKO ランディ・シールズ

(ウェルター級戦、1978年)

シールズ:左ジャブ、右ストレート、左フック

ベニテス:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(ダウンシーン)

6R:右フックでシールズがダウン

(感想:カリフォルニア出身のシールズ。スラリとした体型で、アップライトスタイルから繰り出すジャブ、右ストレートが武器。デビュー以来、連戦連勝だったが、ビセンテ・ミハレス(メキシコ。後、エステバン・デ・ヘススのWBC世界ライト級王座に挑戦、KO負け)に二連敗。ピート・ランザニー(後、ピピノ・クエバスのWBA世界ウェルター級王座に挑戦、KO負け)にも敗北。残念ながら「トップクラス」とは言い難いポジション。ベニテスは元WBA世界J・ウェルター級王者。ウェルター級での二階級制覇を目指している状況。ニューヨーク「マジソン・スクエア・ガーデン」での一戦。共にジャブ。ベニテスは左フックと右ストレートが印象的。背が高いシールズだが、動きがリズミカルなベニテスのパンチの方がよくヒットする。6R、右フックでシールズがダウン。ベニテスがシールズを左右フック連打で追い込む。6R終了後、シールズが棄権。シールズは良い右ストレートを打つ選手だが、攻撃のリズムがイマイチ。もっとしつこいぐらいジャブを出していれば、きわどい試合になっていたかも。さらにシールズはこの次の試合でシュガー・レイ・レナードに判定負けして連敗。ベニテスはWBC世界ウェルター級王者になったが・・・。)


ホセ・ピピノ・クエバス 15R 判定 ランディ・シールズ

(WBA世界ウェルター級タイトル戦、1979年)

シールズ:左ジャブ、右ストレート、左フック

クエバス:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(感想:クエバスがタイトル防衛。レナード戦後、二連勝のシールズが初の世界挑戦。王者クエバスは若くして世界を獲ったメキシカンで、「アゴ割りパンチ」と呼ばれる強打を振るうハードパンチャー。これが九度目の防衛戦。イリノイ州シカゴでの一戦。パワーを込めた大振りの左右フックで1Rから攻めるクエバス。シールズはジャブ、ストレートで対抗。クエバスはフックは大振りだが、ジャブ、ストレートには意外に伸びがある。シールズはシャープな右ストレート、左フックを打つが押され気味で、下がりながら打つパンチではクエバスを止められない。10R、シールズの右ストレートがヒット。15R終了。判定は3-0(ダウンシーンは無し)。クエバスはよく攻めたが倒すことができず、最終ラウンド終了後も笑顔は無し。シールズは恐がりながら試合をしていたように見えた。確かにボクシングは恐ろしい格闘技であるが、怖がっていては世界は獲れない。)


トーマス・ハーンズ 13R TKO ランディ・シールズ

(WBA世界ウェルター級タイトル戦、1981年)

シールズ:左ジャブ、右ストレート、左フック

ハーンズ:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(感想:ハーンズがタイトル防衛。クエバス戦後、北米ウェルター級王者になったシールズ。アリゾナ州フェニックスで二度目の世界挑戦。王者はクエバスをKOした「ヒットマン」ハーンズ(22歳。シールズは25歳)。これが二度目の防衛戦。会場ではWBC王者シュガー・レイ・レナードが観戦(どうやればハーンズを倒せるか、を考えながら観戦していたに違いない)。共にジャブ、ストレートを基本とするタイプ。左のガードを下げた独特のスタイルでジャブを飛ばすハーンズ。右ストレート、左フックでボディ打ち。5R、シールズの右ストレートでハーンズが横倒しに。しかしレフェリーはこれをダウン扱いせず(スリップ?)。シールズが左フック、右ストレートを決めるシーンもあったが(4Rほか)、全体的にはハーンズの右ストレートが目立つ。12R終了後、シールズが棄権。両目のキズが原因と思われる(ダウンシーンは無し)。負けたが、クエバス、ハーンズ相手にダウンしなかったシールズのタフネスは立派なものだった。その後のハーンズ。レナードに敗北。そのことを長年引きずり、多くの王座を獲得できたがスッキリしないキャリアとなった。)


ランディ・シールズ 10R 判定 ジェフ・モーガン

(J・ミドル級戦、1982年)

シールズ:左ジャブ、右ストレート、左フック

モーガン:左ジャブ、右ストレート、左フック

(感想:ハーンズ戦の次の試合でミルトン・マクローリーにもTKO負けのシールズ。試合間隔が空いて再起戦。これまで38勝(20KO)8敗1分。31勝(8KO)2敗2分のモーガンはオハイオ州の黒人。ドワイト・デイビソンにKO負け後、ブランク(単に記録が抜けているだけかも)。シールズ戦は再起四戦目。カリフォルニア州カルバー・シティでの一戦(リングアナはジミー・レノン・シニア、レフェリーはジェームズ・ジェンキン)。「フットワーク&ジャブ」を使うボクサータイプのモーガン。ジャブは良いが、他のパンチは微妙(当て方が良くないためパワーが乗らない)。シールズは接近して右ストレート、左フック。しかし、ジャブが少ないためノーモーションのパンチをかわされる。4R、打ち合い。6R、モーガンがキレイなワンツー(なぜもっと出さない?)。7R、シールズがワンツー、左フックを当て、8Rには右カウンターを決める。10R、ほぼフットワークのみで手を出さないモーガン。10R終了。判定は3-0(ダウンシーンは無し)。シールズが時折パンチを当てて勝利。後半に見せた攻撃を序盤からやってほしかったところ。モーガンもまたもったいない男。良いジャブ、ワンツーを持ちながら受け身の試合ぶり。打たれるのが嫌なのだろう。その後の二人。モーガンは中堅に二連敗で引退。シールズは後の世界王者ジョニー・バンフスにTKO負けで事実上の引退。トップには立てなかったが有名選手と対戦し、実に充実したキャリア。引退後、カリフォルニアの「ボクシング殿堂」入り。) 


①「Welterweight 

Wilfred Benitez vs. Randy Shields」

②「WBA World Welterweight Title 

Pipino Cuevas vs. Randy Shields」

③「WBA World Welterweight Title 

Thomas Hearns vs. Randy Shields」

④「Junior Middleweight 

Randy Shields vs. Jeff Morgan」


ウィルフレド・ベニテス(Wilfred Benitez)のページ

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ホセ・ピピノ・クエバス(José "Pipino" Cuevas)のページ

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トーマス・ハーンズ(Thomas "The Hit Man" Hearns)のページ

2 件のコメント:

  1. ランディ・シールズはライト級時代に石松さんの防衛戦相手の候補だった事がありましたが、実現していたら苦戦は免れなかったと思います。

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    1. コメントありがとうございます。石松との対戦の話があったのは知りませんでした(私は80年代の終わり頃にボクシングファンになりましたので)。戦ったら苦戦していたかもしれませんね。しかし、石松の打ち下ろすような右パンチにはパワーがあり、見た目の印象とは異なり(失礼?)石松には器用さもありました。ケン・ブキャナンを破ったほどですから、きっと石松が勝っていたでしょう。

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