ヘビー級。接近戦も器用な強打者。マービン・ハント戦、レイモン・ブリュースター戦、マイク・タイソン戦ほかを紹介します。
クリフォード・ エティエンヌ(アメリカ)
身長188cm:オーソドックス(右構え)
①クリフォード・ エティエンヌ 1R TKO ダレル・モーガン
(ヘビー級戦、1999年)
エティエンヌ:左ジャブ、右ストレート、フック
モーガン:左ジャブ、フック
(ダウンシーン)
1R:右フックで2度、モーガンがダウン
(感想:デビューから10連勝(7KO)のエティエンヌ(オシャレな名前)。ルイジアナ州ラフェイエット出身。服役していた過去があり、出所後にプロ入り。年齢は29。モーガン(31歳)はジョージア州の黒人で、8勝(6KO)2敗。共に対戦相手は中堅どころばかり。ラスベガスでの一戦(レフェリーはカルロス・パディーリャ)。スキンヘッドのエティエンヌ(見た目からして強そう)。パワーを込めるタイプだが、攻撃が正確。フック、ボディ打ち。まるで「ヘビー級のマイク・マッカラム」といった感じのセンスの良さ。モーガンはジャブ、そしてフック連打で手数を出すが、打たれる。右フックでダウン。立ったが、今度は左フックからの強烈な右フックで二度目のダウン。レフェリーは直ぐさま試合を止めた。エティエンヌが正確な強打で快勝。将来が楽しみな試合ぶりだった。モーガンは先手を取ろうとする姿勢。負けたが、積極さを評価したい。その後のモーガン。再起戦に勝利後、連敗で引退。)
②クリフォード・ エティエンヌ 1R TKO マービン・ハント
(ヘビー級戦、2000年)
エティエンヌ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
ハント:左ジャブ、右ストレート、左フック
(ダウンシーン)
1R:右フックでハントがダウン
(感想:これまで12戦全勝(9KO)のエティエンヌ。ハントは5勝(2KO)1敗。ニューオリンズでの一戦。ジャブから入っていく正統派のエティエンヌ。接近してフック連打。右フックでダウンを奪う。再開後、ハントが左フックを食ってグラついたところでストップ。手首の使い方が巧いのか、エティエンヌは接近戦でフックを当てるのが巧い。この試合でも左フックのボディ打ちが良かった。その後のハント。実に多くの試合。ローカル王座を獲得できたが、多くの敗北。無名にKO負けしながらも2022年までリングに上がり続けた。)
③クリフォード・ エティエンヌ 10R 判定 レイモン・ブリュースター
(ヘビー級戦、2000年)
エティエンヌ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
ブリュースター:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(感想:これまで23戦全勝(20KO)のブリュースターは後にWBO世界ヘビー級王者になる男。エティエンヌとピッツバーグで全勝対決。1R開始早々打ち合う。ブリュースターは右ストレート、左フックを全力で振るう。エティエンヌはジャブ、そして右ストレート、連打。1Rから足に来るほど打たれたブリュースター。大振りで疲れてきたのか、勢いが落ち、手数が減っていく。ジャブとコンビネーションでエティエンヌ優勢。もみ合い、クリンチ。激しい打ち合い(6Rほか)。9R、パワフルに左フック、右ストレートを決めるブリュースター。10R終了。判定は3-0(ダウンシーンは無し)。強い選手同士の試合では「一発狙いのボクシング」は通用しないことが多い。エティエンヌはしっかりジャブを打って先手を取り、接近戦でも器用にパンチを当てた。ブリュースターは思い切りのいい戦い方。エキサイティングではあったが、パンチの正確さに欠け、ディフェンスに甘さがあった。)
④マイク・タイソン 1R KO クリフォード・ エティエンヌ
(ヘビー級戦、2003年)
エティエンヌ:左ジャブと左右フック
タイソン:左ジャブと左右フック
(ダウンシーン)
1R:右フックでエティエンヌがダウン
(感想:ブリュースター戦後にローレンス・クレイベイにも勝利したエティエンヌだが、その次の試合でTKO負け、初黒星。直前の試合ではフランソワ・ボタとドロー。これまで24勝(17KO)1敗1分。タイソンは説明不要の強打者。49勝(43KO)4敗2ノーコンテスト。当時のタイソンはキャリア終盤。レノックス・ルイスの世界王座に挑戦してKO負け。これはその再起戦。テネシー州メンフィスでの一戦。1R、ケンカのような左右フックでの打ち合い。右フックでエティエンヌがダウンして終了。エティエンヌは決して弱い選手ではないが、タイソンが凄すぎたのか、一発でKO。動きが固く、遙かに全盛を過ぎたタイソンもパンチ力だけは健在だった。エティエンヌがジャブで距離を取って長い試合になっていれば違う結果になっていたかも。その後もエティエンヌはリングに上がり続けたが、世界挑戦ならず。ラストファイトはロシアの巨人ニコライ・ワルーエフとのWBA米大陸王座戦でKO負け。そして再び罪を犯し、仮釈放無しの160年の刑。ボクシングで更生できなかった。)
①「Heavyweight
Clifford Etienne vs. Darrell Morgan」
②「Heavyweight
Clifford Etienne vs. Marvin Hunt」
③「Heavyweight
Clifford Etienne vs. Lamon Brewster」
④「Heavyweight
Clifford Etienne vs. Mike Tyson」
レイモン・ブリュースター(Lamon Brewster)のページ
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マイク・タイソン("Iron" Mike Tyson)のページ
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