IBF世界フェザー級王座を11度防衛した強打者。マヌエル・メディナ戦(再戦)、ステファーヌ・アックン戦、ラモン・グスマン戦を紹介します。
トム・ジョンソン(アメリカ)
身長166cm:オーソドックス(右構え)
①トム・ジョンソン 12R 判定 マヌエル・メディナ
(IBF世界フェザー級タイトル戦、1993年)
ジョンソン:左ジャブ、右ストレート、左右フック
メディナ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
11R:右ストレートでメディナがダウン
(感想:ジョンソンがタイトル獲得。インディアナ州エバンズビル出身のジョンソン。実に普通っぽい名前の「トム・ジョンソン」。ニックネームは「Boom Boom」(元WBA世界ライト級王者レイ・マンシーニと同じ。強打を振るう姿をイメージしたものだと思われる)。ハロルド・ウォーレン、トロイ・ドーシーに苦戦したが、実力を付け、現在IBF1位。王者メディナは「マンティカス(油)」のニックネームを持つメキシカン。油のように柔軟な動きから繰り出すしつこいジャブでポイントを取る男。(なぜか)フランスで行われた再戦(前回もIBF王座を懸けて行われ、ジョンソンの負傷判定負け)。ジャブを連打するメディナ。ジョンソンもジャブで対抗。互いにストレートと左フックを狙う。9R、右フックでメディナがダウン。しかし、レフェリー(ルディ・バトル)はこれをスリップ扱い。11R、右ストレートがカウンターで決まってメディナがダウン。判定は意外にも2-1。ジョンソンのパワーが上回ったと思ったが、ジャッジの一人はメディナの速い(が軽い)パンチを評価したようだ。ジョンソンは手数が多く、ジャブが正確。しかし、力んで打つ傾向があり、メディナの動きが速かったというのもあったが、空振りが多かった。)
(IBF世界フェザー級タイトル戦、1993年)
ジョンソン:左ジャブ、右ストレート、左右フック
アックン:右ジャブ、左ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
9R:右フックでアックンがダウン
(感想:ジョンソンがタイトル防衛。三度目の防衛戦。挑戦者アックンはフランスの選手。スティーブ・ロビンソン(後、WBO世界フェザー級王者に)には敗れたが、元世界王者のフリアン・ソリス、ファブリス・ベニシュ、マウリシオ・ステッカに勝利。欧州フェザー級王座を獲得している。フランスで行われた一戦。ジャブで前に出るサウスポーのアックン。ジョンソンは足で距離を取ってアックンの左ストレートをかわす。互いにストレートを狙い、接近してフック連打。9R、右フックでアックンがロープ外に飛び出るダウン。アックンのセコンド、クリストフ・ティオーゾ(元WBA世界S・ミドル級王者)がリングインして試合終了。ジョンソンはパンチの打ち方が良く、サウスポーに上手く対応。メディナ戦とは違って接近戦でのフック連打も正確だった。)
③トム・ジョンソン 12R 判定 ラモン・グスマン
(IBF世界フェザー級タイトル戦、1996年)
ジョンソン:左ジャブ、右ストレート、左右フック
グスマン:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
3R:ワンツー(左ジャブからの右ストレート)、右ストレートで2度、グスマンがダウン
7R:右ストレートでグスマンがダウン
(感想:ジョンソンがタイトル防衛。IBF12位の挑戦者グスマンは葛西裕一にTKO勝ちしたことで日本でも知られているベネズエラの選手。これまで21勝(20KO)5敗。KO率は高いが、ここ二試合は連続KO負けをしており、勢いもパンチのキレもあまりない状態。アイルランド・ダブリンでの一戦(ジョンソンはアメリカ国外での防衛戦が目立つ。ドイツでやったことも)。ジョンソンが正確なジャブを使い、3Rと7Rにダウンを奪う。終盤はモタついた展開。判定は3-0。ジョンソンはパンチのキレはそこそこだったが、タフで、ジャブをしっかり当てていく堅実なパワーファイター。しかし、WBO世界フェザー級王者ナジーム・ハメドとの王座統一戦ではKO負け。力んだ「動きが固いボクシング」をやる男だった印象。)
①「IBF World Featherweight Title
Manuel Medina vs. Tom Johnson」
②「IBF World Featherweight Title
Tom Johnson vs. Stephane Haccoun」
③「IBF World Featherweight Title
Tom Johnson vs. Ramon Guzman」
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葛西裕一(Kasai Yuichi)のページ
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ナジーム・ハメド(Naseem Hamed)のページ
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