テレビのバラエティ番組で売り出され、WBA世界J・バンタム級タイトルを獲得した飯田。松島二郎戦(再戦)、ヨックタイ・シスオー戦(再戦)、井岡弘樹戦を紹介します。
飯田覚士(日本)
身長169cm:サウスポー
①飯田覚士 8R TKO 松島二郎
(日本J・バンタム級王座決定戦、1994年)
飯田:右ジャブ、左ストレート、右フック
松島:右ジャブ、左ストレート、右フック
(ダウンシーン)
8R:左ボディアッパーで松島がダウン
(感想:飯田がタイトル獲得。名古屋市出身の飯田。本格的にボクシングを始めたのは大学に入ってから。テレビの企画に参加して現役のプロ選手以上に有名な存在に。「緑ジム」からプロデビュー。以来、全勝。松島とは「1991年度全日本J・バンタム級級新人王決定戦」でも対戦し、判定で全日本新人王獲得。その後も連勝。徳島尚(世界挑戦の経験あり)、ローランド・ボホール(元IBF世界フライ級王者)らを破ってきた。テレビ番組で有名になった二人が日本タイトルを懸けて戦う注目の再戦。共にサウスポー。互いにジャブ、ストレート。飯田はスピード、松島はパワーを込めたパンチを使う。一歩も引かない打ち合い。8R、左ボディアッパーで松島がダウン。ボディが効いた松島にさらにボディ攻撃でレフェリーストップ。ダウンを奪ったボディブローは見事なタイミングと角度。松島もパワーがあって良かった(後、日本バンタム級タイトルを獲得)。)
②飯田覚士 12R 判定 ヨックタイ・シスオー
(WBA世界J・バンタム級タイトル戦、1997年)
飯田:右ジャブと左ストレート
ヨックタイ:左ジャブ、右ストレート、左フック
(ダウンシーン)
1R:左ストレートでヨックタイがダウン
(感想:飯田がタイトル獲得。全勝のままアリミ・ゴイティア(ベネズエラ)のWBA世界J・バンタム級王座に挑戦した飯田だが、痛烈なKO負け。その後、二連勝し、ゴイティアをKOしたヨックタイに挑戦。引き分けで王座獲得ならず。そしてこの再戦。王者ヨックタイはムエタイ出身。これまで無敗。タイ人らしい強打が武器で、これが五度目の防衛戦。直前の防衛戦ではテクニシャンのヘスス・ロハス(元WBA世界フライ級王者)を破っている。1R、実に見事なタイミングの左ストレートで飯田がヨックタイからダウンを奪う。その後は前回と同じように、前に出るヨックタイ、応戦する飯田。ヨックタイは左フックからの右ストレートがパワフル。飯田はパワーアップした左ストレートでカウンターを取る。11Rと12Rはヨックタイ。強打が次々に飯田を襲い、KO寸前に。飯田は何とかクリンチでしのいで、判定は3-0。終盤以外は飯田のカウンターが良かった印象。これまで人気の方が先行していた飯田。左ストレートには世界王者となるにふさわしいパワーがあった。)
③飯田覚士 12R 判定 井岡弘樹
(WBA世界J・バンタム級タイトル戦、1998年)
飯田:右ジャブ、左ストレート、右フック
井岡:左ジャブ、右ストレート、左フック
(感想:飯田がタイトル初防衛。地元名古屋で初防衛戦。相手は二階級制覇の井岡。WBA世界フライ級王座に三度挑戦して全てKO負けの井岡がJ・バンタム級に階級を上げて三階級制覇を狙う。日本選手同士の試合ということでレフェリーは森田健。互いにジャブを使ってストレートを狙う。相手の首をかかえてパンチを連打する井岡(2R)。接近しようとしてバッティング。反則で互いにイラついているような表情。井岡のジャブ、ストレートがヒットするシーンもあり、最終ラウンド終了時、井岡は「自分が勝った」という表情。判定は2-0。ダウンシーンは無し。ボクシングの世界戦では「互角のラウンドは王者がポイントを取る」習慣がある。井岡は意外に頑張ったが「王者を圧倒した」とは言えない内容。リングサイドのジャッジが飯田を支持すると言うのならそれが正しいのだろう。判定に不満なのか、両陣営が小競り合いをしていたのが印象的。その後、二度目の防衛に成功した飯田だが、三度目の防衛戦でヘスス・ロハスに敗北。「気力の限界」を理由に引退。世界王者になれたことで充分満足したのだと思われる。)
Iida Satoshi vs. Matsushima Jiro」
②「WBA World Super Flyweight Title
Yokthai Sithoar vs. Iida Satoshi」
③「WBA World Super Flyweight Title
Iida Satoshi vs. Ioka Hiroki」
アリミ・ゴイチア(Alimi Goitia)のページ
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ヨックタイ・シスオー(Yokthai Sithoar)のページ
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井岡弘樹(Ioka Hiroki)①のページ
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井岡弘樹(Ioka Hiroki)②のページ
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