2021年3月19日金曜日

シリモンコン・シンワンチャー(Sirimongkol Singwancha)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

バンタム級とスーパーフェザー級で世界二階級制覇。ホセ・ルイス・ブエノ戦、ビクトル・ラバナレス戦、辰吉丈一郎戦ほかを紹介します。

シリモンコン・シンワンチャー(Sirimongkol Singwancha)ボクシング・ブログ「世界の強豪ボクサー」[Google Blogger]

シリモンコン・シンワンチャー(タイ)

身長168cm:オーソドックス(右構え)


シリモンコン・シンマナサック 5R KO ホセ・ルイス・ブエノ

(WBC世界バンタム級暫定王座決定戦、1996年)

シリモンコン:左ジャブ、右ストレート、左フック

ブエノ:左ジャブ、右ストレート、左フック

(ダウンシーン)

3R:右ストレートでブエノがダウン

5R:右ストレートでブエノがダウン

(感想:シリモンコンがタイトル獲得。タイのシリモンコン。「シリモンコン・シンマナサック」「シリモンコン・ナコントンパークビュー」「シリモンコン・シンワンチャー」など複数のリングネームを持つ男(もっとありますか?)。本名はシリモンコン・ランチュオム。データによると身長は普通だが、リーチが183cmもある。何と実家がムエタイジム。ムエタイ王者になり、国際式(プロボクシング)に転向。バンコクでデビューして以来、これまで全勝。WBU王座(J・バンタム級、バンタム級)を獲得。パワーを乗せたジャブ、ストレートを真っ直ぐ打ち込んでいくタイ人ボクサーらしい選手。ブエノは川島郭志との試合で日本でもおなじみの元WBC世界J・バンタム級王者で、左フックを武器とするメキシカン。タイ・ピッサヌロークのサッカー場で行われた一戦。共にガードを高めにしてジャブを打ち合う。3R終了間際、カウンターの右ストレートでブエノがダウン。5R、またしても右ストレートのカウンターでブエノがダウン。倒れたブエノの姿を見て、レフェリーはすぐさま試合ストップ。強烈なワンパンチKO。ブエノはパワーがあるタイプではないためこの結果は驚くようなものではないが、フィニッシュのパンチは凄まじかった。その後のブエノ。少し間が空いてカムバック。連勝後、エリック・モラレスのWBC世界J・フェザー級王座に挑戦して2RでKO負け。それが最後の試合に。)


シリモンコン・ナコントンパークビュー 12R 判定 ビクトル・ラバナレス

(WBC世界バンタム級タイトル戦、1997年)

シリモンコン:左ジャブ、右ストレート、左フック

ラバナレス:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(感想:シリモンコンがタイトル防衛。正規王者になったシリモンコン。地元で厄介な男と三度目の防衛戦。世界ランク1位のラバナレスは辰吉との試合で有名。打たれても前に出るタフなメキシカン。荒っぽい連打で相手を屈服させるエネルギッシュなスタイル。どんな攻めを見せてくれるか? タイ・パッターニーでの一戦(レフェリーはマーティ・デンキン)。シリモンコン得意の右ストレートを警戒しているのか、左のガードを上げて慎重な姿勢のラバナレス。シリモンコンは速いジャブ、ストレートと振りが大きめの左フック。驚異的な打たれ強さを誇るラバナレスが妙にディフェンシブな姿勢。攻めてもディフェンスされる。シリモンコンはジャブ。12R終了。判定は3-0(ダウンシーンは無し)。ラバナレスは「世界ランク1位」にしては積極性に欠け、つまらない試合っぷり。元々、器用なタイプではない上に、ディフェンシブ。辰吉に負けたのが93年。辰吉を苦しめた、あの荒々しい連打に期待したが。その後、ラバナレスは勝ったり負けたりだったが、WBCの地域王座(バンタム級)を獲得して防衛にも成功するなどしぶといところを見せた。)


辰吉丈一郎 7R TKO シリモンコン・ナコントンパークビュー

(WBC世界バンタム級タイトル戦、1997年)

シリモンコン:左ジャブ、右ストレート、左フック

辰吉:左ジャブ、右ストレート、左フック

(ダウンシーン)

5R:右ストレートでシリモンコンがダウン

7R:左ボディフックでシリモンコンがダウン

(感想:辰吉がタイトル獲得。これまで16戦全勝(6KO)で20歳のシリモンコンの四度目の防衛戦は初の海外試合(大阪。レフェリーはリチャード・スティール)。挑戦者の辰吉(27歳)はWBC2位で、これまで14勝(11KO)4敗1分。ダニエル・サラゴサに二連敗するなど、もう後が無い状況(ヒゲを生やして、深刻な表情)。シリモンコンはゴング前に笑顔を見せる(余裕?)。フットワークとジャブの辰吉。シリモンコンもジャブ、ストレートを打つが、空振りが多い(パワーはありそうだが、パンチのキレに欠ける)。左ボディ、コンビネーションで辰吉が優勢に。5R、ボディを打たれて体を丸めるシリモンコン。右ストレートでダウン。その後、強打で盛り返すシリモンコンだが、7R、左ボディフックでダウン。連打を浴びたところでレフェリーは試合を止めた。タイトルを獲ったブエノ戦と比べるとパンチのキレ・スピードが落ちていたシリモンコン。減量苦だったのかも。タイトルを取り戻した辰吉。試合には勝ったが、乱打を浴びる危ないシーンもあった。この後、辰吉は二度タイトルを防衛して、ウィラポンの挑戦を受ける。)


ヘスス・チャベス 12R 判定 シリモンコン・シンマナサック

(WBC世界S・フェザー級タイトル戦、2003年)

シリモンコン:左ジャブ、右ストレート、フック

チャベス:左ジャブ、右ストレート、フック

(感想:チャベスがタイトル獲得。辰吉戦後、バンコクを中心に連勝のシリモンコン。2002年、日本でのWBC世界S・フェザー級王座決定戦で長嶋健吾にKO勝ちして二階級制覇達成。初防衛戦も日本で、崔龍洙(元WBA王者)に3-0の勝利。これまで43勝(26KO)1敗、26歳。二度目の防衛戦の相手チャベス(30歳)はメキシコ・デリシアス出身で、ニックネームは「El Matador(闘牛士)」。身長は165cmで小柄。アマチュアで活躍。プロでは39勝(28KO)2敗。WBC米大陸王座(フェザー級)、北米王座(フェザー級)獲得。北米S・フェザー級王者になり、元世界王者ルイ・エスピノサ、トロイ・ドーシー、トム・ジョンソンらを相手に連続防衛。フロイド・メイウェザー・ジュニアのWBC世界S・フェザー級王座に挑戦してTKO負け。挑戦者決定戦に勝利して再び同王座に挑戦。テキサス州オースティンでの一戦(リングアナはルペ・コントレラス)。ジャブを連打するなど手数で積極的に前に出るチャベス。シリモンコンは相手から距離を取ろうとし、ジャブ。しかしながら、シリモンコン。右カウンター、斜め下からの右パンチなど器用さはあるが、攻撃が単発。しかも、階級を上げたせいか、パンチのキレ、動きの機敏さに欠ける。左ジャブ、左フックを当てるチャベス(あまり「マタドール」のイメージはないが、「左のテクニック」のことを例えているのだろうか?)。10R、左フックでシリモンコンがピンチ(辰吉戦の時のようになった)。右ストレート、左ボディで攻められる。その後も攻めるチャベス、応戦するシリモンコン。最終12Rは接近戦で打ち合って、試合終了。判定は3-0(ダウンシーンは無し)。チャベスが押せ押せムードで勝利。シリモンコンの動きはイマイチだった。その後の二人。チャベスはエリック・モラレスに3-0の敗北で初防衛ならず。レバンダー・ジョンソンをTKOしてIBF世界ライト級王座を獲得して二階級制覇を達成したが、ジョンソンが試合後に死亡する悲劇。ブランク後に初防衛戦を行ったが、敗北。ラストファイトは日本でのホルヘ・リナレス戦で、棄権負け。世界王者としてはあまり活躍できず。シリモンコンはチャベス戦後、世界王座に返り咲くことはなかったが、むしろそこからが本番といった感じのキャリア。階級を上げながらWBOの地域王座戦などに出場し、結局、100戦を超えるキャリアに(ミドル級、L・ヘビー級でリングに上がったことも)。「K-1」にも参戦(余程戦うの好きなのだろう)。薬物で逮捕されたりといった残念なこともあったが、見た目が良いため、モデルの仕事をやったり、ドラマや映画にも出演したり。何かとエピソードが豊富な男。)


①「interim WBC World Bantamweight Title

Sirimongkol Singwancha vs. Jose Luis Bueno」

②「WBC World Bantamweight Title

Sirimongkol Singwancha vs. Victor Rabanales」

③「WBC World Bantamweight Title

Sirimongkol Singwancha vs. Tatsuyoshi Joichiro」

④「WBC World Super Featherweight Title

Sirimongkol Singmanasak vs. Jesus Chavez」


ビクトル・ラバナレス(Victor Rabanales)のページ

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辰吉丈一郎(Tatsuyoshi Joichiro)のページ
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(「ラファエル・リモン vs. 野地照義」「朴鐘八 vs. カシアス内藤」「シリモンコン・シンワンチャー vs. 長嶋建吾」)

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