リーチが長いエキサイティングなJ・ウェルター級、ムーア。サミー・フエンテス戦、ルイ・ロメリ戦、フェリックス・トリニダード戦を紹介します。
ロドニー・ムーア(アメリカ)
身長175cm:オーソドックス(右構え)
①ロドニー・ムーア 2R TKO サミー・フエンテス
(J・ウェルター級戦、1991年)
ムーア:左ジャブ、右ストレート、左右フック
フエンテス:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
2R:左フックでフエンテスがダウン
(感想:ムーアが勝利。ノースカロライナ州出身のムーア。その後、フィラデルフィアに移住。ボクサーを目指しながら警備員やクラブのディスクジョッキーの仕事をしたり、チャリティ活動にも参加したりといった個性派。デビュー戦でタイロン・トライスに判定負け(トライスは世界王者にはなれなかったが、サイモン・ブラウン、ジョン・デビッド・ジャクソンの世界王座に挑戦した)。二戦目、五戦目にも敗北。実力者テレンス・アリにも敗北。しかし、コツを掴んだか、ペンシルベニア州J・ウェルター級王座を獲得するなど、連勝中。フエンテスはプエルトリカン。彼にとってこの試合はフリオ・セサール・チャベスとの世界戦に負けた再起戦となる。フィラデルフィアでの一戦。IBFランク6位のムーアがスラリとした体型で速いジャブ、ストレートを飛ばす。リーチが長いため、振りの大きい左フックは当たれば威力がある。フエンテスはリーチが長く、ムーアと似たタイプの選手。1Rから共にジャブ、ストレート、フック、と手数が多い。共にアグレッシンブなため、エキサイティングな試合に。2R、右ストレートのカウンターがフエンテスにヒットして、左フックでダウン。立ったが連打でレフェリーストップ。ムーアの長いパンチは当たればかなり効く。まともに食ったらひとたまりもないだろう。後に世界王者になったフエンテス。その次の試合でデビッド・カマウにも敗北し、三連敗。連敗したこの時期はかなり苦しかったのでは?)
②ロドニー・ムーア 2R TKO ルイ・ロメリ
(J・ウェルター級戦、1992年)
ムーア:左ジャブ、右ストレート、左右フック
ロメリ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
2R:連打でロメリがダウン
(感想:フィラデルフィアでの試合。ロメリはメキシカンで、パーネル・ウィテカーの持つIBF世界ライト級王座に挑戦したこともある選手。1Rから振りの大きいパンチで打ち合う両者。ロメリがフックで攻めるが、ムーアはディフェンス。2R、右ストレートが効いたロメリにムーアが連打してダウンを奪う。立ったロメリに連打してレフェリーストップ。短かったがロメリも力強く、凄い試合だった。)
③フェリックス・トリニダード 5R TKO ロドニー・ムーア
(IBF世界ウェルター級タイトル戦、1996年)
ムーア:左ジャブ、右ストレート、左右フック
トリニダード:左ジャブ、右ストレート、左フック
(ダウンシーン)
4R:左フックで2度、ムーアがダウン
(感想:トリニダードがタイトル防衛。チャールズ・マレー、フランキー・ランドールと世界戦をやって敗北したムーア。当時、最強の王者だったトリニダードにラスベガス「MGM Grand」で挑戦。プエルトリコのトリニダードはこれが八度目の防衛戦。互いに警戒しながらジャブ。ムーアは右ストレートを狙うが、徐々にトリニダードの圧力に後退。トリニダードが左フックのボディ打ちを見せる。4R、二度のダウン。このラウンドは何とか耐えたが、試合終了。ムーアは好戦的な選手であるが、後退するシーンが多かった。それだけトリニダードのパンチが強かったのだろう。ムーアは世界王者にはなれなかったが、長いリーチで思い切りのいい打ち方をしていた。世界戦の相手が強かった不運はあるが、個人的には世界王者並に魅力のある選手だと思う。引退後、ニュージャージー、ペンシルバニアの「ボクシング殿堂」入り。様々な活動も評価された。)
Rodney Moore vs. Sammy Fuentes」
②「Super Lightweight
Rodney Moore vs. Louie Lomeli」
③「IBF World Welterweight Title
Felix Trinidad vs. Rodney Moore」
チャールズ・マレー(Charles Murray)のページ
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サミー・フエンテス(Sammy Fuentes)のページ
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フランキー・ランドール(Frankie "The Surgeon" Randall)のページ
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フェリックス・トリニダード(Félix Trinidad)のページ
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