名王者ミゲル・カントから王座を獲得。日本でも有名な世界フライ級王者、朴賛希。リキ五十嵐戦、グティ・エスパダス戦、アルベルト・モラレス戦を紹介します。
朴賛希(韓国)
身長161cm:オーソドックス(右構え)
①朴賛希 15R 判定 リキ五十嵐
(WBC世界フライ級タイトル戦、1979年)
朴:左ジャブ、右ストレート、左右フック
五十嵐:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(感想:朴がタイトル初防衛。釜山出身の朴。アマチュアで実績。1976年のモントリオールオリンピックではライトフライ級で出場(メダルは獲得ならず)。釜山でプロデビュー。日本の選手らを相手に連勝。無敗のまま11戦目でWBC世界フライ級王者ミゲル・カントに挑戦し、王座獲得。これまで10勝(5KO)1分、と試合数は少ないが、なかなかの実力者。五十嵐は日本王座、東洋太平洋王座(いずれもフライ級)を獲得している選手で、17勝(6KO)14敗10分(負けと引き分けが多いスゴイ戦績。経験を積みながら強くなっていった選手だと思われる)。韓国で行われた試合。左のガードを下げてジャブを打つ朴。フック連打を使う。五十嵐も同じように手数を多く出し、1Rから激しい試合に。ただ、五十嵐は思い切った右ストレート・左フックを打っているが、朴は当てさせない。意表を突くようなタイミングで右フックを決める朴。15R終了で判定は3-0。ダウンシーンは無し。打ち合いの時のちょっとパンチを当てる巧さとディフェンスで朴の勝利。どちらも手数が多く、15Rという長丁場をよく戦った。)
②朴賛希 2R TKO グティ・エスパダス
(WBC世界フライ級タイトル戦、1979年)
朴:左ジャブ、右ストレート、左右フック
エスパダス:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
1R:左フックで朴がダウン。右フック、左フックで2度、エスパダスがダウン。
2R:左フックでエスパダスがダウン
(感想:朴がタイトル防衛。釜山での三度目の防衛戦。挑戦者エスパダスはメキシカンで元WBA世界フライ級王者。ダウン応酬の試合に。先にダウンしたのは朴。左フックでダウン。攻めるエスパダス、応戦する朴。逆に二回ダウンを奪って朴が優勢に。2R、左フックでエスパダスが前のめりにダウン。立ったがレフェリーストップ。映像ではまだエスパダスは戦えそうな感じだったがストップされた。テクニシャンのイメージがある朴が元王者に力強いKO勝ち。ダウンシーンはどれもパワフルなパンチによるものだった。)
③朴賛希 15R 判定 アルベルト・モラレス
(WBC世界フライ級タイトル戦、1980年)
朴:左ジャブ、右ストレート、左右フック
モラレス:左ジャブ、右ストレート、左フック
(感想:朴がタイトル防衛。韓国・大邱での五度目の防衛戦。挑戦者モラレスはこれが二度目の世界挑戦。メキシカンでオリンピック出場経験あり(1968年メキシコ大会。ライトフライ級。メダルは獲得ならず)。プロではミゲル・カント、ベツリオ・ゴンザレス(WBC世界フライ級戦)、アルバート・サンドバルに敗北するなど負けが多いが、グティ・エスパダスに勝利したり、北米フライ級王座を獲得したりといった実績。ジャブと得意の右で前進する朴。ボクサータイプのモラレスは足を使いながらジャブ、ストレート。バランスが良く、パワーもありそうなモラレスだが、ファイティング・スピリットにやや欠けるようで、朴の勢いに押されて後退。11Rには「打ってこい」というアピールをする朴(「打ってこい」と挑発してホントに相手が打ってきて自分がKOされたらどんな気分になるんだろう?)。朴が攻め、モラレスが応戦する形で15R終了。判定は3-0。ダウンシーンは無し。モラレスは世界王者になってもおかしくない実力者だったが、攻める姿勢に欠けていた。朴は次の防衛戦をソウルで行い、大熊正二にKO負け。日本での再戦、三戦目にも敗れ、王座返り咲きならず。サウスポーの大熊とは相性が悪かったようだ。)
Chan-Hee Park vs. Igarashi Chikara」
②「WBC World Flyweight Title
Chan-Hee Park vs. Guty Espadas」
③「WBC World Flyweight Title
Chan-Hee Park vs. Alberto Morales」
ミゲル・カント("Maestro" Miguel Canto)のページ
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大熊正二(Oguma Shoji)②のページ
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