フランキー・ランドール（Frankie "The Surgeon" Randall）「世界の強豪ボクサー：ボクシング・ブログ」

チャベスを倒した男、「外科医」ランドール。フリオ・セサール・チャベス戦、ファン・マルチン・コッジ戦（初戦）、ロドニー・ムーア戦を紹介します。

フランキー・ランドール（アメリカ）
身長173cm：オーソドックス（右構え）

①フランキー・ランドール 12R 判定 フリオ・セサール・チャベス
（WBC世界Ｊ・ウェルター級タイトル戦、1994年）
ランドール：左ジャブ、右ストレート、左フック
チャベス：左ジャブ、右ストレート、左フック
（ダウンシーン）
11R：右ストレートでチャベスがダウン

（感想：ランドールが番狂わせでタイトル獲得。アラバマ州出身のランドール。ニックネームは「The Surgeon（外科医）」（正確でキレ味鋭いパンチを使うため）。アマチュアで優秀な成績。プロ入り後、フレディ・ペンドルトンに勝利するなど連勝を重ねるが、ロンドンでエドウィン・ロサリオに判定負け、初黒星。さらに北米ライト級王座決定戦で危険なパンチャーのプリモ・ラモスに衝撃のKO負け。カムバックして連勝。ロサリオに雪辱して、この世界初挑戦。チャベスは説明不要。「偉大なメキシコの王者」と呼ばれる三階級制覇王者。リングサイドではシュガー・レイ・レナードとマジック・ジョンソンが観戦。重いパンチで前に出るチャベス。ランドールはフットワークと速い連打。パワーはチャベス、手数はランドール、といった展開。チャベスは得意の左ボディフックを狙うがローブローになることが多く、11Rには減点を取られる。思うように相手を捕らえることができず、減点まで食らったチャベスは冷静さを失ったか、ランドール得意の右ストレートでダウン。最終回は流すような感じで試合を終えたランドールが２－１の判定で勝利。チャベスの動きとパンチのキレは悪くはなかった。「チャベスが負けた」というより「ランドールが勝った」という印象。）

②フランキー・ランドール 12R 判定 ファン・マルチン・コッジ
（WBA世界Ｊ・ウェルター級タイトル戦、1994年）
ランドール：左ジャブ、右ストレート、左フック
コッジ：右ジャブと左右フック
（ダウンシーン）
1R：右ストレートでコッジがダウン
2R：左フックでランドールがダウン
5R：右ストレートでコッジがダウン
6R：右ストレートでコッジがダウン
（感想：ランドールがWBAタイトル獲得。チャベスにタイトルを取り返されたランドール。相手は平仲や吉野との対戦で日本でもおなじみのコッジ。あのチャベスに勝った、というのが自信になっているのか、1Rから積極的に攻めるランドール。先制のダウンを奪ったが、2Rには攻めすぎて左フックでダウン。それでも攻め続けるランドールはさらにダウンを奪い、最後までアグレッシブに攻めた。判定は文句無しでランドール。キレのある右ストレートと左フックでサウスポーのコッジを問題とせず。コッジは「ラティゴ（鞭）」のニックネームを持つ「恐怖のハードパンチャー」だが、あのコッジをこのように負かす選手がいるのだ、と「世界の広さ」を感じた。）

③フランキー・ランドール 7R TKO ロドニー・ムーア
（WBA世界Ｊ・ウェルター級タイトル戦、1994年）
ランドール：左ジャブ、右ストレート、左フック
ムーア：左ジャブ、右ストレート、左フック
（ダウンシーン）
1R：左フックでムーアがダウン

（感想：ランドールがタイトル防衛。挑戦者はチャールズ・マレーとIBFタイトルを争ったこともあるムーア。長いパンチで振りが大きいムーアは得意の左ボディフックを打つ。ランドールはスピーディーに連打。1Rにダウンを奪い、7Rに連打をまとめてレフェリーストップ。ムーアの「長いパンチ」をランドールの「回転の速いパンチ」が上回った。試合自体は妥当な結果ではあるが、リーチが長いムーアの中南米の選手のような打ち方は個人的には気に入っている。後、ランドールはコッジに王座を奪回されたが、また奪い返す。そしてカリ・ライルーに敗れ、王座陥落。その後もリングに上がり続けたが敗北が多く、チャベスとの三度目の対戦にも敗北。世界王座を獲得したチャベス戦、コッジ戦が彼にとってベストの時期だったようだ。）

①「WBC World Super Lightweight Title
Julio Cesar Chavez vs. Frankie Randall」
②「WBA World Super Lightweight Title
Juan Martin Coggi vs. Frankie Randall」
③「WBA World Super Lightweight Title
Frankie Randall vs. Rodney Moore」

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