「クルーザー級のマイク・タイソン」、アドルフォ・ワシントン。アナクレト・ワンバ戦、デイビッド・アイゼグワイアー戦、トースティン・メイ戦(初戦)を紹介します。
アドルフォ・ワシントン(アメリカ)
身長182cm:オーソドックス(右構え)
①アナクレト・ワンバ 12R 引分 アドルフォ・ワシントン
(WBC世界クルーザー級タイトル戦、1994年)
ワシントン:左ジャブ、右ストレート、左右フック
ワンバ:左ジャブ、右ストレート、左フック
(感想:ワンバがタイトル防衛。ケンタッキー州レキシントン出身のワシントン。斜め後ろから見た感じがマイク・タイソンによく似たファイター。シカゴでプロデビュー。敗北を一つ喫してしまったが、WBA世界L・ヘビー級王者バージル・ヒルに挑戦、負傷判定負け。その後、アイラン・バークレー(世界三階級制覇王者)に勝利するなど、連勝してこの二度目の世界挑戦(WBC6位)。王者ワンバはコンゴ出身でフランス国籍の黒人選手。背が高く、力強いパンチの持ち主。モナコのモンテカルロでの一戦。左のガードを下げた構えからジャブ、フック連打のワシントン。ワンバはガードを高くしてジャブ・ストレート(ワンツー)からの左フックを狙う。互いに譲らない打ち合い。判定は引き分け。ダウンシーンは無し。共に手数が多くパワフル。クリンチも少なく、それぞれが持ち味を発揮した良い試合だった。この試合はディナーショー形式で行われた。リングサイドに並んだ皿。着飾った観客。試合後に料理が提供されるのだと思われるが、血なまぐさい試合だったら食欲が無くなるのでは?)
②アドルフォ・ワシントン 8R TKO デイビッド・アイゼグワイアー
(IBOクルーザー級タイトル戦、1994年)
ワシントン:左ジャブ、右ストレート、左右フック
アイゼグワイアー:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(感想:ワシントンがタイトル獲得。ワンバ戦の次の試合はラスベガスでIBO王座への挑戦。王者アイゼグワイアーはナイジェリア出身でバランスの良い選手。これまで16戦全勝(14KO)。ワシントンは黒いトランクスとシューズ、髪型、体を振って前に出る動きなど「マイク・タイソン化」がさらに進んだ感じ。1Rからパワフルなワシントン。アイゼグワイアーも左フックが強い。接近しての打ち合い。8R、強打でグラつくアイゼグワイアー。連打でレフェリーストップ。アイゼグワイアーは手数で押されてしまった。勝ったワシントンも左目が腫れて、楽な試合ではなかった。ダウンシーンは無し。)
③アドルフォ・ワシントン 12R 判定 トースティン・メイ
(IBF世界クルーザー級王座決定戦、1996年)
ワシントン:左ジャブ、右ストレート、左右フック
メイ:右ジャブ、左ストレート、左右フック
(感想:ワシントンがタイトル獲得。アイゼグワイアー戦の次の試合でWBA世界クルーザー級王者オーリン・ノリスに挑戦したワシントン。3-0の判定負けで王座獲得ならず。どうしてもメジャー団体の王座が獲れないワシントンに王座決定戦出場のチャンスが。サウスポーのメイはドイツの選手でジャブ・ストレートでポイントを狙うボクサータイプ。ドイツのクルーザー級王座を獲得したり、オリンピック金メダリストのアンドリュー・メイナードを破ったりといった実績。スペインで行われた試合。ジャブとフック連打のワシントン。接近しての打ち合い。判定は3-0。ダウンシーンは無し。どちらが優勢とは言い難い展開が続いたが、終盤はパワーでワシントンが押していた。ワシントンはボディ打ちも良かった。メイはジャブで距離を取れず、打ち合ってしまった。それが敗因だろう。ようやく世界を獲ったワシントン。しかし初防衛戦でユーライア・グラントに敗北、王座陥落。その後もオーリン・ノリス、メイとの再戦、ジェームス・トニー戦での敗北もあり、世界王座返り咲きならず。本来ならマイク・タイソンばりの活躍をしていたはずなのに。)
Anaclet Wamba vs. Adolpho Washington」
②「IBO Cruiserweight Title
David Izegwire vs. Adolpho Washington」
③「vacant IBF World Cruiserweight Title
Torsten May vs. Adolpho Washington」
アナクレト・ワンバ(Anaclet Wamba)のページ
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オーリン・ノリス(Orlin Norris)のページ
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