兄弟で世界王者になったクルーザー級、ノリス。マルセロ・フィゲロア戦、アーサー・ウィリアムス戦(再戦)、アドルフォ・ワシントン戦を紹介します。
オーリン・ノリス(アメリカ)
身長180cm:オーソドックス(右構え)
①オーリン・ノリス 6R KO マルセロ・フィゲロア
(WBA世界クルーザー級王座決定戦、1993年)
ノリス:左ジャブ、右ストレート、左右フック
フィゲロア:左ジャブ、右ストレート、左フック
(ダウンシーン)
1R:右フックでフィゲロアがダウン
6R:右フックでフィゲロアがダウン
(感想:ノリスがタイトル獲得。テキサス出身のノリス。弟テリーはWBC世界J・ミドル級王座を獲得し、シュガー・レイ・レナードらとビッグマッチをやったスター選手(どちらかというと弟の方が人気があり、それは「クルーザー級」という階級の人気のなさも関係していると思われる)。アマチュアで好成績。プロでは小柄ながらヘビー級でスタート。連戦連勝で北米ヘビー級王座を獲得し、レナルド・スナイプス、ジェシー・ファーガソン、グレグ・ペイジらを破っている。しかし、パワーファイターのバート・クーパー、大型のトニー・タッカーに敗れ、クルーザー級で勝負することに。北米クルーザー級王座を獲得、防衛。そしてこの世界初挑戦。弟に遅れをとったが、「兄弟世界王者」なるか、といったところ。フィゲロアはアルゼンチンの選手。WBC米大陸ヘビー級王座を獲得するなど、戦績は良い。なぜかパリで行われた試合。1R開始早々、ノリスがいきなりダウンを奪う。ジャブで体勢を立て直すフィゲロア。6R、初回と同じような左フックからの右フックでフィゲロアがダウン。ロープ下段で後頭部を打ったフィゲロアは立てなかった。ノリスが圧勝。手数も多く、パンチにはパワーとキレがあった。)
②オーリン・ノリス 3R TKO アーサー・ウィリアムス
(WBA世界クルーザー級タイトル戦、1994年)
ノリス:左ジャブ、右ストレート、左右フック
ウィリアムス:左ジャブ、右ストレート、左フック
(ダウンシーン)
3R:右フックでウィリアムスがダウン
(感想:ノリスがタイトル防衛。初防衛戦をウィリアムスと行ったノリスだが、2-1での勝利。いわゆる「ダイレクト・リマッチ」という形でウィリアムスと再戦。ウィリアムスは古豪ドワイト・ムハマド・カウイに勝利したり、全米クルーザー級タイトルを獲得したり、といった実績。レイ・マーサーみたいな顔をしているが、ファイタータイプのマーサーとは違い、ややアップライトな姿勢でジャブを使うボクサータイプ。これまで21勝(16KO)2敗1分でWBA1位。ラスベガス「Mirage」での注目の再戦。しかし今回はアッサリ勝負がついた。3R、右フックでグラついたウィリアムスにノリスが右フックを乱打。ウィリアムスはストップと同時に崩れ落ちた。ノリスの爆発力が凄かった一戦。元々ヘビー級でやっていただけに実にパワフルだった。あっけなく負けてしまったウィリアムスだが、後、IBF世界クルーザー級タイトル獲得。)
③オーリン・ノリス 12R 判定 アドルフォ・ワシントン
(WBA世界クルーザー級タイトル戦、1995年)
ノリス:左ジャブ、右ストレート、左右フック
ワシントン:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(感想:ノリスがタイトル防衛。ノリスの四度目の防衛戦。遠くから見た感じがマイク・タイソンなワシントン。これまで24勝(16KO)2敗2分。北米クルーザー級タイトル、IBOクルーザー級タイトルを獲得しているが、バージル・ヒルのWBA世界L・ヘビー級タイトルに挑戦して敗北。アナクレト・ワンバのWBC世界クルーザー級タイトルに挑戦して引き分け。これが三度目の世界挑戦となる。戦い方もマイク・タイソンなワシントン。上半身を振ってディフェンスしながら左ジャブと右ストレート。ノリスはパワーのあるジャブとフック連打。共に動きが速く、パワフルな連打。一歩も引かずに強打し合う。判定は3-0。しかし、両者に大きな力の差は感じられず、クルーザー級にしては珍しい(?)良い試合だった。ダウンシーンは無し。ノリスは次の防衛戦でネート・ミラーに敗北、王座陥落。再びヘビー級へ。マイク・タイソン、ビタリ・クリチコといった大物と対戦(結局、ヘビー級での世界王座獲得はならず)。エネルギーの塊のような選手で、チャレンジ精神にあふれる逞しい男であった。)
Orlin Norris vs. Marcelo Figueroa」
②「WBA World Cruiserweight Title
Orlin Norris vs. Arthur Williams」
③「WBA World Cruiserweight Title
Orlin Norris vs. Adolpho Washington」
アドルフォ・ワシントン(Adolpho Washington)のページ
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ネート・ミラー(Nate Miller)のページ
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