スピーディーな連打で三度の世界挑戦、アリ。コーネリアス・ボサ・エドワース戦、ホセ・ルイス・ラミレス戦、フリオ・セサール・チャベス戦を紹介します。
テレンス・アリ(ガイアナ)
身長171cm:オーソドックス(右構え)
①テレンス・アリ 10R 引分 コーネリアス・ボサ・エドワース
(ライト級戦、1986年)
アリ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
エドワース:右ジャブ、左ストレート、左右フック
(感想:南米ガイアナ出身のアリ。見た目がアクション俳優のウェズリー・スナイプスによく似ている男。ラウンド開始のゴングと同時に相手に突進していく気合いの入った姿勢でも有名。本名は「アリ」ではなく「ハリー」(「モハメド・アリ」風にしたかった?)。高校時代はボクシングと陸上競技。プロ入り後は速いジャブと回転の速い連打で人気選手に。プリモ・ラモス、メルビン・ポールに勝利したが、IBF世界ライト級王者ハリー・アローヨにTKO負け。カムバックし、現在はWBAライト級7位。再び王座を狙う状況。エドワースはウガンダ出身の元WBC世界J・ライト級王者で、パワフルなサウスポー。ラスベガスで行われた一戦。連打のアリ。エドワースはガードを固めて左ストレートを狙う。共にスピードのある連打で打ち合い、一歩も引かない。判定はドロー。ダウンシーンは無し。決着はつかなかったが共に手数が多く、良い試合だった。エドワースは激戦が多いタフな選手。この試合でも凄いところを見せた。)
②ホセ・ルイス・ラミレス 12R 判定 テレンス・アリ
(WBC世界ライト級王座決定戦、1987年)
アリ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
ラミレス:右ジャブ、左ストレート、左右フック
(感想:ラミレスがタイトル獲得。エドワース戦後に全米ライト級王座を獲得したアリ。フランスで二度目の世界挑戦のチャンス到来。しかし、相手は難敵。サウスポーの元王者ラミレス。実にタフなメキシカンで、かつて持っていたタイトルの奪回を目指す状況。いきなり突進するアリ。ラミレスはパワーを込めた左ストレート、フック連打。打ち合いではラミレスが優勢。フットワークとジャブでアウトボクシングしようとするアリだが12RにKO負け寸前に。判定は3-0。ダウンシーンは無し。ラミレスは実にしぶといタフ男。アリは接近戦でも離れてもパワーで押され、二回目の世界挑戦も失敗に終わった。)
③フリオ・セサール・チャベス 6R TKO テレンス・アリ
(WBC世界J・ウェルター級タイトル戦、1993年)
アリ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
チャベス:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
6R:連打でアリがダウン
(感想:チャベスがタイトル防衛。ラミレス戦後、ロジャー・メイウェザーに敗北を喫してしまったアリだが、実力者ジョン・ミーキンスから北米J・ウェルター級王座を獲得。チャールズ・マレー(後、IBF世界J・ウェルター級王者に)に判定勝ちして防衛にも成功。そして、「WBA・WBC・IBF1位」として三度目の世界挑戦。王者チャベスは説明不要。「偉大なメキシコの王者」と呼ばれ、三階級を制覇。これまで86戦全勝(74KO)。ラスベガス「Thomas & Mack Center」での一戦。初回から大きな実力差が明らかに。いきなり1Rからアリが右ストレートでダウン寸前に。左フックを食ってグラつく。アリも連打するが、タフでディフェンスが上手いチャベスには通じない。6R、連打でアリがダウン。さらに連打でレフェリーストップ。ライト級時代と比べるとパンチのキレが落ちたアリ。ストップに不満だったようだが、レフェリーからすれば再起不能になるまで打たれるのを見過ごすわけにはいかなかったのだろう。アリはチャベス戦後は勝ち星を上げることなく引退。世界王者にはなれなかったが、スピードのあるパンチは一級品だった。もう少しパワーがあれば世界を獲っていたはず。)
Terrence Alli vs. Cornelius Boza-Edwards」
②「WBC World Lightweight Title
Jose Luis Ramirez vs. Terrence Alli」
③「WBC World Super Lightweight Title
Julio Cesar Chavez vs. Terrence Alli」
ハリー・アローヨ(Harry Arroyo)のページ
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コーネリアス・ボサ・エドワーズ(Cornelius Boza Edwards)のページ
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ホセ・ルイス・ラミレス(Jose Luis Ramirez)のページ
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フリオ・セサール・チャベス(Julio César Chávez)のページ
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