ハーンズとIBOタイトルを争ったクルーザー級、ミラー。オーリン・ノリス戦(初戦・再戦)、トーマス・ハーンズ戦を紹介します。
ネート・ミラー(アメリカ)
身長188cm:オーソドックス(右構え)
①ネート・ミラー 8R KO オーリン・ノリス
(WBA世界クルーザー級タイトル戦、1995年)
ミラー:左ジャブ、右ストレート、左フック
ノリス:左ジャブと左右フック
(ダウンシーン)
8R:右フックでノリスがダウン
(感想:ミラーがタイトル獲得。フィラデルフィア出身のミラー。左ジャブからの右ストレートが武器。1986年にプロ入り。地元を中心に試合を行ってきた。タフ男バート・クーパーを破って北米クルーザー級タイトル獲得。防衛にも成功したがジェームス・ワーリング(後、IBF世界クルーザー級王者に)に王座を奪われ、全米王座戦でアルフレド・コールに敗れて二連敗。古豪ドワイト・ムハマド・カウイを破るなど連勝。IBF王者になったコールに挑戦してまたしても敗北。そして、この二度目の世界挑戦。これまで25勝(21KO)4敗。王者ノリスは43勝(24KO)3敗1ノーコンテスト。左ジャブからの右フックが武器のファイター、というより人気選手テリー・ノリスの兄貴、と言った方がわかりやすい。元々ヘビー級でやっていたノリス。ミラーは特に怖い相手ではないと思われる。なぜか英国で行われたアメリカ人同士の一戦。1Rからもみ合い、クリンチ。ノリスにいつものアグレッシブさが無い。8R、フック連打からの右フックでノリスがゆっくり沈むようにダウン。ダメージ深く、担架で運び出されていった。重量級にありがちな、少し打ってはクリンチ、というだらけたシーンが目立った内容。中間距離でのジャブ・フックの打ち合いは良かったが、接近戦では共に無器用さを見せた。フィニッシュの右フックが一番の見所だった印象。)
②オーリン・ノリス 12R 判定 ネート・ミラー
(IBA S・クルーザー級タイトル戦、1998年)
ミラー:左ジャブ、右ストレート、左フック
ノリス:左ジャブと左右フック
(感想:ノリスがタイトル防衛。世界王座を防衛し続けたミラーだが、ファブリス・ティオーゾに敗れ、王座陥落。その再起戦でノリスと再戦。ノリスはミラー戦の後、トニー・タッカーに勝利、ヘンリー・アキンワンデに敗北、アドルフォ・ワシントンとの決定戦に勝ち「IBA」なる団体の「スーパー・クルーザー級(190~210ポンド。普通、ヘビー級は200ポンド以上。IBAの「ヘビー級」は210ポンド以上)」タイトルを獲得。その王座を懸けてミラーと再戦。ジャブ、右ストレート、左フックのミラー。ノリスはフック攻撃。この試合もクリンチ多し。両者、接近戦でのぎこちなさとスタミナ不足を露呈。判定は3-0。ダウンシーンは無し。ミラーのジャブが(少し)良かったような気がしたが、ノリスのパワーが評価されたと思われる。これで一勝一敗。しかし、三度目の対決は無かった(何故だろう?)。)
③トーマス・ハーンズ 12R 判定 ネート・ミラー
(IBOクルーザー級王座決定戦、1999年)
ミラー:左ジャブと右ストレート
ハーンズ:左ジャブ、右ストレート、左フック
(感想:ハーンズがタイトル獲得。ノリスとの再戦に敗れたミラーの次の試合。英国マンチェスターで「伝説」と対戦。「ヒットマン」と呼ばれるハーンズ。ウェルターだった彼も階級を上げて大きくなり、年齢も今や40歳。身長が高くリーチも長いため、クルーザー級でも見た目は相手に見劣りしないが、やはりクルーザーのパワーは無い。ジャブを打つハーンズ。ミラーは右ストレートを狙うが、手数は少な目。判定は3-0。ダウンシーンは無し。単発で、攻めがイマイチだったミラー。打たれ強くないハーンズに何故もっと右パンチを打たなかったのか? レジェンドに遠慮したのかも。ハーンズは次の試合で足首を痛めて王座転落。共にしばらくして引退。それでよかったと思う。)
Orlin Norris vs. Nate Miller」
②「IBA Super Cruiserweight Title
Orlin Norris vs. Nate Miller」
③「IBO Cruiserweight Title
Thomas Hearns vs. Nate Miller」
オーリン・ノリス(Orlin Norris)のページ
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ファブリス・ティオーゾ(Fabrice Tiozzo)のページ
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アルフレッド・コール(Alfred "Ice" Cole)のページ
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トーマス・ハーンズ(Thomas "The Hit Man" Hearns)のページ
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