アナクレト・ワンバ(フランス)
身長190cm:オーソドックス(右構え)
①マッシミリアノ・デュラン 12R 反則 アナクレト・ワンバ
(WBC世界クルーザー級タイトル戦、1990年)
ワンバ:左ジャブと右ストレート
デュラン:左ジャブと右ストレート
(ダウンシーン)
11R:右アッパーでデュランがダウン
(感想:デュランがタイトル防衛。ワンバはコンゴ出身。主戦場はフランス。アマチュアで活躍し、モスクワオリンピックにも出場(メダル獲得はならず)。プロ入り後、一つの判定負けを除いて、欧州クルーザー級王座を獲得するなど快進撃。パワーとスタミナに課題があるという評価もあったようだが、背が高く、アッパー気味のパンチにはかなりの迫力がある。王者デュランはイタリアの選手。カルロス・デ・レオンから世界タイトルを奪ったが、その試合では11R終了時にデ・レオンが反則パンチを意図的に打ったため、反則勝ちでタイトルを与えられたという、少し「ワケあり」な王座奪取だった。これが初防衛戦。ワンバが前に出るところをデュランがジャブで応戦。しかしクリンチが多い展開。1Rからクリーンにファイトするようレフェリーから注意される両者。ストレートを狙うワンバ。デュランはジャブとクリンチ。3Rにはバッティングでデュランが負傷。意図的に頭をぶつけているようには見えなかったが、ワンバは打ち合いに行くときにアゴを引いて接近するためバッティングになってしまうようだ。減点されるワンバだが、11Rに右アッパーでダウンを奪う。最終ラウンド、ダメージの残るデュランに猛攻。もみ合うような体勢から頭突きのような形でワンバの頭がデュランのアゴに直撃。ワンバの反則負け。王者が二連続反則勝ちでかろうじてタイトル防衛。個人的には「ボクシングは危険なスポーツであるから、反則には厳しく対処すべきだ」という考えを持っている。しかし、あのタイミング・状況での強制終了はどうか? よれよれになったデュランをレフェリーが守ったようにも見える。しかし、ワンバが相手に出血させるほどのバッティングをやったのは事実。反則負けでも文句は言えない。)
(WBC世界クルーザー級タイトル戦、1991年)
ワンバ:左ジャブと右ストレート
デュラン:左ジャブ、右ストレート、左フック
(感想:ワンバがタイトル獲得。因縁のデュランと再戦。「反則勝ちの男」というありがたくない呼ばれ方をされてきたデュランが意地を見せる。初回から手数が多いデュランは初戦ではあまり出さなかった左フックを打つなど、「(それなりに)優秀な選手である」ことを証明。しかし、1Rから出血。「反則負け」のトラウマを持つワンバは(特にバッティングに注意しながら)ジャブ、ストレートを打つ。無理に攻めずジャブを飛ばすワンバ。デュランは出血がひどくなり、顔の半分が血に染まるほど。最後はデュランがコーナーに詰められて連打され、レフェリーストップ。ダウンシーンは無し。これが妥当な結果だと思うが、デュランも悪い選手ではない。鍛え方次第ではワンバに勝てるだけの「体の柔軟性とパワー」を持っていた。ワンバは初防衛戦をデュランと行いTKO勝ち。決着がついた形に。)
(WBC世界クルーザー級タイトル戦、1993年)
ワンバ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
タフェ:左ジャブと左右フック
(感想:ワンバがタイトル防衛。フランス同士の対決。タフェは欧州クルーザー級タイトルを獲得するなど、ここのところ連勝中。ジャブ、ストレートが主体のワンバ。タフェはフックを使う。足を止めて激しく打ち合うが、タフェのパンチはあまり当たらない。逆にタフェをロープに追い込んで、ワンバの右ボディフックが「ドスンドスン」という感じで決まる。7R終了でタフェがギブアップ。正直なところ、どちらもあまり器用ではないタイプ。最後は「ディフェンス」と「ジャブの使い方」で差がついた。ダウンシーンは無し。その後もワンバは防衛を続け、負傷を理由に引退を表明。王者のままリングを去った。)
Massimiliano Duran vs. Anaclet Wamba」
②「WBC World Cruiserweight Title
Massimiliano Duran vs. Anaclet Wamba」
③「WBC World Cruiserweight Title
Anaclet Wamba vs. Akim Tafer」
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