ソニー・リストン(アメリカ)
身長185cm:オーソドックス(右構え)
①ソニー・リストン 1R KO フロイド・パターソン
(世界ヘビー級タイトル戦、1962年)
リストン:左ジャブ、右ストレート、左右フック
パターソン:左フック
(ダウンシーン)
1R:左フックでパターソンがダウン
(感想:リストンがタイトル獲得。伝説の男リストン。アーカンソー州出身。貧しい家庭の出で、虐待されて育ったらしい。教育を受けなかったため、文字が書けなかったという。当然のように犯罪の道へ。強盗などで服役中にボクシングを始める。出所後、アマチュアを少し経験してプロへ。その強打で快勝を続けるが、周囲にはギャングなどの怪しい人物が。そしてこの世界初挑戦。パターソンは優等生的な王者。一度は王座を奪われたが奪回(「世界ヘビー級王座を初めて奪回した男(当時)」と呼ばれた)。シカゴで行われた一戦。ジャブを使わずいきなりの左フックで飛び込んでいくパターソン。しかし、逆に剛腕でぶっ飛ばされ、玉砕。リストンがパワーで圧勝。パターソンはボクサータイプなのにファイター的な攻めをした。作戦ミスだったと思うが、よほど緊張していたのだろう。)
(世界ヘビー級タイトル戦、1963年)
リストン:左ジャブと左右フック
パターソン:左ジャブと右ストレート
(ダウンシーン)
1R:連打からの右ストレート、 右ストレート、左フックで3度、パターソンがダウン
(感想:リストンがタイトル防衛。ラスベガスでの再戦。強打で迫るリストン。パターソンは思い切って打ち返すが、三度ダウンで今回も玉砕。試合前には「また負ける」みたいな感じで自虐的になっていたというパターソン。かつてインゲマル・ヨハンソンにKOされたがタイトルを取り返し、「初めて世界ヘビー級王座に返り咲いた選手」になったが、今回はダメだった(その後も世界挑戦をしたが、王座に返り咲くことはなかった)。リストンは動きのスピードはそれほど無かった印象。スピードではなくパワーで制圧するつもりだったのだろう。)
(ヘビー級戦、1970年)
リストン:左ジャブと右フック
ウェプナー:左ジャブと右フック
(感想:パターソンを二度粉砕したリストン。そんなリストンの前に現れたカシアス・クレイ(モハメド・アリ)。よくしゃべるうるさい男。リストンを「熊公」などと罵り、挑発。そんな二人が対戦。リストンが「ほら吹き野郎クレイ」を何ラウンドでKOするか、と話題になったが、意外なことにクレイがスピード&パワーで圧勝。再戦では何と1RでのKOでリストンが敗北。その後、リストンは連勝を続けたが世界挑戦の機会がないままこのウェプナーとの生涯最後の試合。ウェプナーは後に映画『ロッキー』の主人公のモデルになったと言われているファイター。リストンは「ビッグ・ベア(大熊)」と呼ばれたが、ウェプナーも大柄。どんな試合になるか? ウェプナーが荒っぽいパンチを打つが、リストンは正確なジャブ。ウェプナーは前に出るが当てさせてもらえず、逆に負傷して9R終了で棄権。ダウンシーンは無し。リストンはパワーが注目されがちであるが、ジャブが巧い。ウェプナーはタフだが、そこまで。その後、リストンは急死。薬物によるものだとされているが、真相は不明。少年時代のつらい出来事が最期までつきまとった人生だったようだ。ボクシングの世界チャンピオンには「もっと強い選手が王座にいたらチャンピオンになっていなかっただろう」と思うような選手も多いが、リストンは文句なしに強かった。カシアス・クレイがいなかったらリストンはもっと防衛していたはずだし、高く評価されていただろう。個人的にはリストンを可能な限り高く評価したいと考えており、そんなリストンに挑戦してクレイが勝利したのはかなりの偉業であったと評価したい。)
Floyd Patterson vs. Sonny Liston」
②「World Heavyweight Title
Sonny Liston vs. Floyd Patterson」
③「Sonny Liston vs. Chuck Wepner」
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