強打で番狂わせ、J・ウェルター級のフィリップス。コンスタンチン・チュー戦、フレディ・ペンドルトン戦、アルフォンソ・サンチェス戦を紹介します。
ヴィンス・フィリップス(アメリカ)
身長171cm:オーソドックス(右構え)
①ヴィンス・フィリップス 10R TKO コンスタンチン・チュー
(IBF世界J・ウェルター級タイトル戦、1997年)
フィリップス:左ジャブ、右ストレート、左右フック
チュー:左ジャブ、右ストレート、左フック
(ダウンシーン)
7R:右ストレートでチューがダウン
(感想:フィリップスがタイトル獲得。フロリダ州ペンサコーラ出身のフィリップス(ロイ・ジョーンズ・ジュニアと同じ)。パワーに定評がある男。アマチュアで優秀な成績(タイトルも獲得)。プロ入り後は、連戦連勝。薬物でブランクを作ってしまうなど問題もあったが、IBFのインター王座(J・ウェルター級)を獲得。アンソニー・ジョーンズ(パーネル・ウィテカーの統一世界ライト級王座に挑戦したこともある実力者)に負けて、初黒星。初の世界挑戦ではアイク・クォーティにKO負け(WBA世界ウェルター級タイトル)。これまで35勝(24KO)3敗。チュー戦の直前の試合では2-1の判定で敗北を喫している。王者チューは18勝(14KO)1分。ハードパンチャーで、ロシア人だが主戦場はオーストラリア(日本で活躍したユーリ・アルバチャコフのようなポジション)。アトランチックシティでの一戦。ジャブ、右ストレートでジリジリ距離を詰めるチュー。フィリップスは思い切った右ストレートと左フック。ハードパンチャー同士の打撃戦。チューの強打にひるまないフィリップス。7R、右ストレートでチューがダウン。最後はフィリップスが得意の右を連打してレフェリーストップ。番狂わせ。しかし、フィリップスには実力でチューに勝てるだけのパワーがあった。)
②ヴィンス・フィリップス 10R TKO フレディ・ペンドルトン
(IBF世界J・ウェルター級タイトル戦、1997年)
フィリップス:左ジャブ、右ストレート、左右フック
ペンドルトン:左ジャブ、右ストレート、左フック
(ダウンシーン)
6R:右ストレートでペンドルトンがダウン
7R:右フックでペンドルトンがダウン
9R:連打でペンドルトンがスタンディングダウン
10R:左ボディフックでペンドルトンがダウン
(感想:フィリップスがタイトル防衛。IBFランク1位の大ベテランで元ライト級王者ペンドルトンは34歳。意外なことにフィリップスと同じ年齢。共にジャブからの右ストレートを武器にし、左フックも強い。しかし勢いとパワーに差が。得意の右でフィリップスが優勢。7Rのダウンは「終わった」と思われたほどの強烈なもの。しかし打ち返すペンドルトン。結局、最後はボディ。カウントの途中でセコンドたちが入って試合終了。左フックをボディから顔面に打つなどバランスが良いところを見せたペンドルトンだが、一発のパワーに欠けた。惨敗のペンドルトン。引退するどころか、さらにリングに上がり続けた。)
③ヴィンス・フィリップス 1R KO アルフォンソ・サンチェス
(IBF世界J・ウェルター級タイトル戦、1998年)
フィリップス:左ジャブ、右ストレート、左右フック
サンチェス:左ジャブ、右ストレート、左フック
(ダウンシーン)
1R:左フックでサンチェスがダウン
(感想:フィリップスがタイトル防衛。アトランチックシティでの三度目の防衛戦。IBFランク12位のサンチェス。戦績は18勝(16KO)1敗。ミッキー・ウォードにKOされてしまったが、かつてこの王座(IBF世界J・ウェルター級タイトル)を持っていたチャールズ・マレーにTKOで勝利している。左フックは良いが、右の打ち方がイマイチなサンチェス。フィリップスが得意の右ストレートからの左フック。「ガツン」という感じのパンチで一撃KO。なかなかパワフルだったフィリップス。しかし、次の防衛戦でテレン・ミレットにTKO負け、王座陥落。その後もリングに上がり、世界王座に返り咲くことはなかったが、強打を振るい続けた。)
Kostya Tszyu vs. Vince Phillips」
②「IBF World Super Lightweight Title
Vince Phillips vs. Freddie Pendleton」
③「IBF World Super Lightweight Title
Vince Phillips vs. Alfonso Sanchez」
アイク・クォーティ(Ike Quartey)のページ
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コンスタンチン・チュー(Konstantin "Kostya" Tszyu)のページ
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フレディ・ペンドルトン(Freddie Pendleton)のページ
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