クルーザー級で活躍したオリンピック金メダリスト、ティルマン。バッシュ・アリ戦、イベンダー・ホリフィールド戦、マイク・タイソン戦を紹介します。
ヘンリー・ティルマン(アメリカ)
身長191cm:オーソドックス(右構え)
①ヘンリー・ティルマン 1R KO バッシュ・アリ
(北米クルーザー級タイトル戦、1986年)
ティルマン:左ジャブ、右ストレート、左右フック
アリ:左ジャブと右ストレート
(ダウンシーン)
1R:左フック、右ストレート、右フックで3度、アリがダウン
(感想:ティルマンがタイトル獲得。ロサンゼルス出身のティルマン。スポーツは得意だったが、ボクシングを始めたのは事件に巻き込まれて刑務所に入ってから。余程才能があったようで、アマチュアで勝ち進み(マイク・タイソンにも判定勝ち)、ロサンゼルスオリンピックではヘビー級で金メダル。プロデビュー以来、ここまで全勝。王者アリは世界挑戦の経験もあるナイジェリアの黒人選手(カルロス・デ・レオンのWBC世界クルーザー級王座に挑戦して判定負け)。ラスベガスで行われた注目の一戦。1R、先制攻撃を仕掛けるティルマン。左右フックを乱打して一気に倒し切った。見事な勝ちっぷり。ダウンシーンよりもダウンのきっかけになった「左ジャブからの右ストレート」にかなりのスピードとパワーがあった印象。惨敗したアリだが、その後も世界挑戦のチャンスに恵まれた。世界王者にはなれなかったが、地元ナイジェリアで連勝するなど、地域の強豪として活躍した。)
②イベンダー・ホリフィールド 7R KO ヘンリー・ティルマン
(WBA世界J・ヘビー級タイトル戦、1987年)
ティルマン:左ジャブ、右ストレート、左右フック
ホリフィールド:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
2R:左フックでティルマンがダウン
7R:右フック、右ストレート、左フックで3度、ティルマンがダウン
(感想:ホリフィールドがタイトル防衛。ドワイト・ムハマド・カウィに競り勝ってこのWBA王座を獲得したホリフィールド。その初防衛戦(「J・ヘビー級」とはクルーザー級のこと。当時WBAはそう呼んでいた)。ティルマンはこれが世界初挑戦であるが、アリに勝った次の試合でバート・クーパーに敗れて王座を失っており、そのせいか勢いが無い感じの試合っぷり。フットワークとジャブで距離を取ろうとするティルマン。ホリフィールドは接近してフック攻撃。2R、左フックでティルマンがダウン。7R、ティルマンが三度ダウンで試合終了。下がりながら反撃していたティルマン。パワーがある選手ではあるが、どちらかというとジャブでポイントを取るボクサータイプ。接近戦を仕掛けたホリフィールドの作戦勝ち。)
③マイク・タイソン 1R KO ヘンリー・ティルマン
(ヘビー級戦、1990年)
ティルマン:左ジャブ
タイソン:左ジャブと左右フック
(ダウンシーン)
1R:右フックでティルマンがダウン
(感想:ラスベガス「シーザース・パレス」での因縁の再戦。東京ドームでバスター・ダグラスに負けたタイソン。これが復帰戦。ティルマンはホリフィールド戦後、連敗を喫するなど、ピークが過ぎた印象。ゴング前、下を向いて悲愴な表情のティルマン。下がりながらジャブとクリンチ。ジャブと左フックのタイソン。そしてタイソンの右フックが「ガツン」。ティルマンが酷い倒れ方をして、KO。タイソンがワンパンチKO勝ち。アマチュア時代にはタイソンに勝ったこともある(勝たせてもらった?)ティルマン。パワーを競い合う「プロ」では惨敗。トップどころには勝てなかったティルマンだが、アリ戦で見せた「左ジャブからの右ストレート」は凄かった。全勝中の時に世界挑戦し、王者がホリフィールドでなかったら世界タイトルを獲っていたかもしれない。引退後は事件を起こして刑務所へ。クーパー、ホリフィールド、タイソンにエラい目に遭わされた後遺症も気になるところ。)
Bash Ali vs. Henry Tillman」
②「WBA World Cruiserweight Title
Evander Holyfield vs. Henry Tillman」
③「Heavyweight
Mike Tyson vs. Henry Tillman」
イベンダー・ホリフィールド(Evander "The Real Deal" Holyfield)①のページ
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マイク・タイソン("Iron" Mike Tyson)のページ
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