アイク・クォーティ(ガーナ)
身長172cm:オーソドックス(右構え)
①アイク・クォーティ 11R KO クリサント・エスパーニャ
(WBA世界ウェルター級タイトル戦、1994年)
クォーティ:左ジャブ、右ストレート、左フック
エスパーニャ:左ジャブと左右フック
(ダウンシーン)
11R:連打で2度、エスパーニャがダウン
(感想:クォーティがタイトル獲得。ガーナ・アクラ出身のクォーティ(「野生児」アズマー・ネルソンと同じ)。アマチュアでも優秀で、メダルは獲れなかったがソウル五輪(1988年)に出場。プロデビュー。アフリカ王座、WBCインター王座(いずれもJ・ウェルター級)を獲得後、主戦場をフランスに移す。そしてこの世界初挑戦。エスパーニャは長いリーチで懐が深いボクシングをするベネズエラ人で、英国が主戦場。あのメルドリック・テーラーをKOしてタイトル獲得。これが三度目の防衛戦。フランスで行われた試合。チャンピオンのエスパーニャがチャレンジャーであるかのように初回から手数を多く出し、連打、左ボディフックを打つ。クォーティは重そうなジャブを「ガツンガツン」と打つ。ハイペースな打ち合いが続き、クォーティがグラつくシーンも。判定だと優劣が難しそうな展開だったが、11Rの猛打で決着がついた。最後はエスパーニャが前のめりに倒れ、タオル投入。クォーティがタフさと「バズーカ」とも呼ばれるパンチで新王者に。エスパーニャも良い選手だが、ここまで打ち合わないといけなかったのだろうか? ジャブで突き放してポイントを取ればよかったのでは? たぶん、それでは勝てないと考えたのだろう。試合中、クォーティのグローブのテープが何度もはがれて試合が中断された。そんな中断が全く無い試合もあれば、「何度中断するんだ」と言いたくなるような試合もある。ワザと中断させてるのか、それとも不可抗力なのだろうか?)
(WBA世界ウェルター級タイトル戦、1995年)
クォーティ:左ジャブと左フック
朴:左ジャブと左右フック
(感想:クォーティがタイトル防衛。相手は吉野弘幸、佐藤仁徳との試合で日本でもおなじみの朴政吾。東洋ではトップどころの選手であるが、世界的な選手に勝てるかどうか? ハードパンチャーのクォーティに臆することなく積極的に攻める朴。クォーティは右を痛めているのか、「今日は左しか使わん」と決めていたのかは知らないが、何故か左ジャブばかり。朴のラッシュでクォーティがコーナーに詰められるシーンもあったが、「ガツンガツン」という左ジャブで朴の顔面が真っ赤になっていく。結局、この左ジャブで朴はストップされた。「ジャブの正確さとパワー」の差。ダウンが無かったことで朴は「タフさ」を証明することはできたが・・・。)
③アイク・クォーティ 3R KO ビンス・フィリップス
(WBA世界ウェルター級タイトル戦、1996年)
クォーティ:左ジャブ、右ストレート、左フック
フィリップス:左ジャブ、右ストレート、左フック
(ダウンシーン)
3R:連打からの左フックでフィリップスがダウン
(感想:クォーティがタイトル防衛。順調に防衛を続けるクォーティ。四度目の相手はパワフルな右ストレートと左フックを打つフィリップス。デビュー以来、連勝を重ね、IBFのインター王座(J・ウェルター級)を獲得している実力者であるが、アンソニー・ジョーンズ(パーネル・ウィテカーの世界ライト級王座に挑戦して敗北)にTKO負けしている。「バズーカ」級の左ジャブを使うクォーティ。フィリップスも力強いが、3Rのクォーティの猛攻。パンチが効いてしまったフィリップスが滅多打ちを喰らってダウン。立ち上がったが連打されてストップ。1Rを観た感じではクォーティが苦戦しそうな雰囲気もあったほどフィリップスは強かったが、3Rで終わるとは。クォーティの信じられないパワーと速射砲のような(決して大袈裟な表現ではない)連打に脱帽(フィリップスは後、IBF王者になった)。クォーティはその後も防衛を続けたが、オスカー・デラ・ホーヤとの大一番に敗北。続くフェルナンド・バルガス戦も敗北。ここで事実上キャリアは終わったが、数年後にカムバック。それほど活躍することもなく、再びリングを去った。)
Crisanto España vs. Ike Quartey」
②「WBA World Welterweight Title
Ike Quartey vs. Jung-Oh Park」
③「WBA World Welterweight Title
Ike Quartey vs. Vince Phillips」
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