ガビー・カニザレス(アメリカ)
身長163cm:オーソドックス(右構え)
①ガビー・カニザレス 7R KO リチャード・サンドバル
(WBA世界バンタム級タイトル戦、1986年)
カニザレス:左ジャブ、右ストレート、左フック
サンドバル:左ジャブ、右ストレート、左フック
(ダウンシーン)
1R:右アッパーでサンドバルがダウン
5R:左アッパーからの右ストレートでサンドバルがダウン
7R:右ストレート、左ジャブ、右アッパーで3度、サンドバルがダウン
(感想:カニザレスがタイトル獲得。「兄弟ボクサー」でハードパンチャーのカニザレス(弟オルランドはIBFのバンタム級王座を長く防衛し、世界バンタム級王座の防衛記録を作った)。テキサス出身。強打が自慢だが、ジェフ・チャンドラーの持つWBA世界バンタム級王座への挑戦は15R判定負け。これが同王座への二度目のチャレンジ。サンドバルはそのチャンドラーをTKOで下して新王者になった男。しかし、当時のアメリカでは軽量級への関心が低く、サンドバルの防衛戦がなかなか組まれない状況。そして、注目の「マービン・ハグラー vs. ジョン・ムガビ」の世界ミドル級王座戦の前座カードとして行われることに。両者とも似たタイプの戦い方。ジャブを飛ばし合う展開。ただ、「一発のパワー」はカニザレスが上回る。強打でダウンを繰り返すサンドバル。7Rに滅多打ちを喰らって失神KO負け。そのままタンカで救急車に運ばれるほどのダメージを負った。カニザレスが危険なパンチャーだと知っていてサンドバルが打ち合ったのは「軽量級の人気の無さ」のため。大きな興行で少しでも自分の強いところを観客に見せたかったのだと思われる。しかしながら、この試合が行われた時点ではリングサイドは空席が多かった。)
(USBAバンタム級王座決定戦、1987年)
カニザレス:左ジャブ、右アッパー、左右フック
カーチス:左ジャブと右ストレート
(感想:カニザレスがタイトル獲得。サンドバルを強烈にKOして世界を獲得したカニザレスだが、初防衛戦でテクニシャンタイプのベルナルド・ピニャンゴに敗北。カムバックしたが、新鋭ラウル・ペレス(後、WBC世界バンタム級王者に。同王座を懸けてカニザレスと再戦も)にも敗れた。カーチスは直前の試合ではケルビン・シーブルックスと全米バンタム級王座を争って判定負け。シーブルックスがIBF世界バンタム級王座を獲得。空位となった王座をカニザレスとカーチスが決定戦で争う。アトランチックシティで行われた一戦。カニザレスがパワーのある連打。カーチスはカニザレスの強打を警戒しながらも思い切った右ストレートを打つ。両者とも一歩も譲らず、最初から最後まで打ち合い。大きく見た印象だと引分か、といった感じだったが判定はカニザレス(2-0)。ダウンシーンは無し。カニザレスの「左フックのボディ打ち」が評価されたのだと思われる。一進一退で会場のお客さんがスタンディング・オベーションしたほどの熱戦だった。)
(WBO世界バンタム級王座決定戦、1991年)
カニザレス:左ジャブと左右フック
ロラ:左ジャブ、右ストレート、左フック
(ダウンシーン)
2R:左フックでカニザレスがダウン、左フック、右フックで2度、ロラがダウン
(感想:カニザレスがWBOを獲得。当時、設立されたばかりのWBOの王座。その決定戦にカニザレス(WBA)、ロラ(WBC)の元バンタム級王者が出場。ロラはコロンビアの選手でテクニシャンタイプ。カニザレスのセコンドにはあのエマヌエル・スチュワード(トーマス・ハーンズ、マイケル・モーラーを育てた人物)。弟オルランド・カニザレスはIBF世界バンタム級王者。勝って「兄弟同時世界王者」になれるかどうか? 互いにパワーのあるジャブを打ち合う。2R、左フックでダウンを奪うロラ。しかし、攻めたところを逆に倒し返される。足に来るダウンであり、ロラは再度ダウンして立てなかった。WBOベルトを腰に巻いて満足そうなカニザレス。しかし、デューク・マッケンジーに初防衛戦で敗北、引退。二度世界チャンピオンになったが一度もタイトル防衛に成功できなかった。後、弟オルランドはIBF王座を連続防衛し、「世界バンタム級王座連続防衛」の世界記録を抜いた。)
Richie Sandoval vs. Gaby Canizales」
②「USBA Bantamweight Title
Louis Curtis vs. Gaby Canizales」
③「WBO Bantamweight Title
Gaby Canizales vs. Miguel Lora」
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