WBC世界バンタム級王者。ウィルフレド・バスケス戦、アルバート・ダビラ戦(初戦・再戦)、アントニオ・アベラル戦を紹介します。
ミゲル・ロラ(コロンビア)
身長168cm:オーソドックス(右構え)
①ミゲル・ロラ 12R 判定 ウィルフレド・バスケス
(WBC世界バンタム級タイトル戦、1986年)
ロラ:左ジャブ、右ストレート、左フック
バスケス:左ジャブと左右フック
(ダウンシーン)
2R:左フックでバスケスがダウン
4R:左フックでロラがダウン
(感想:ロラがタイトル初防衛。「ヒゲの王者」ロラはコロンビア・モンテリア出身(ダンディーなイメージ)。アマチュアからプロへ。ダニエル・サラゴサを判定で下して王座奪取。これが初防衛戦で、これまで全勝。挑戦者バスケスは後にハードパンチで猛威を振るい、三階級制覇するプエルトリカン。どんな試合をするか? マイアミでの一戦。フットワークとジャブで距離を取るロラ。バスケスは左右フックで前進。先にダウンを奪って勢いに乗るロラだが、逆にダウン。それでも危険な打ち合いに応じるロラ。バスケスの強打を食って後退するシーンも。最終ラウンド終了時、共に「自分が勝った」といった感じで両手を上げて勝利をアピール。判定は小差ながら3-0でロラ。映像で見た感じではバスケスのパワーが勝っていたように見えた。)
②ミゲル・ロラ 12R 判定 アルバート・ダビラ
(WBC世界バンタム級タイトル戦、1986年)
ロラ:左ジャブ、右ストレート、左フック
ダビラ:左ジャブ、右ストレート、左フック
(感想:ロラがタイトル防衛。三度目の防衛戦の相手は元王者ダビラ(テキサス州オルトン出身)。決定戦でWBC王者になったが、相手のキコ・ベヒネスが死亡する事故。防衛に成功したが、負傷により王座剥奪(かなりの苦労人)。一発でKO勝ちするような派手さはないが、地道な攻撃が武器。ロラを破って王座に返り咲きたいところ。コロンビア・バランキージャでの一戦。フットワークとジャブで距離を取るロラ。危険なパンチを持つダビラは前進するが、ロラが打ち合わないため空振りが多い。12Rに打ち合いがあったが、全般的に「ダビラの攻撃をかわしてロラがカウンターを取る」パターン。判定は3-0(ダウンシーンは無し)。あまりエキサイティングな試合ではなかった感じだったが、右目が腫れていたように、ロラにとって楽な試合ではなかった。「作戦勝ち」といったところ。後、両者はこの王座を懸けて再戦。)
③ミゲル・ロラ 4R TKO アントニオ・アベラル
(WBC世界バンタム級タイトル戦、1987年)
ロラ:左ジャブ、右ストレート、左フック
アベラル:左ジャブと左右フック
(感想:ロラがタイトル防衛。四度目の防衛戦。挑戦者アベラル(メキシコ)はかつて大熊正二をKOしてWBC世界フライ級王座を奪った強打者。ウィルフレド・バスケスをTKOで下してこのチャンスを得た。マイアミでの一戦。1Rから左右フックで攻撃するアベラルにロラはフットワーク、ジャブ、連打で応戦する。3R、腕をぐるぐる回して勢いをアピールするロラ。4R、アベラルをロープ際に追い詰めて連打したところでレフェリーが止めた(ダウンシーンは無し)。ロラはアウトボクサーだが、右ストレートと左フックにかなり迫力があった(パンチの無いファイターもいれば、ロラのようにパンチのあるアウトボクサーもいる)。アベラルはこの試合で引退。)
④ミゲル・ロラ 12R 判定 アルバート・ダビラ
(WBC世界バンタム級タイトル戦、1986年)
ロラ:左ジャブ、右ストレート、左フック
ダビラ:左ジャブ、右ストレート、フック
(感想:ロラがタイトル防衛。これまで29連勝(14KO)のロラ(26歳)。七度目の防衛戦はダビラとの再戦。55勝(25KO)9敗1分のダビラ(33歳)はロラとの初戦後、フランキー・デュアルテにTKO負けしたが(北米バンタム級王座戦)、後のWBA世界J・フェザー級王者ファン・ホセ・エストラーダに勝利。直前の試合は北米バンタム級王座決定戦で、3-0の勝利。カリフォルニア州イングルウッド「Great Western Forum」での一戦(リングアナはジミー・レノン・ジュニア)。忙しくダッキングしながらジャブを連打するダビラ。ワンツー、右ストレートからの左ジャブ、ショートフック連打。ロラは相手との距離を保ちながら速いジャブを中心とするアウトボクシング。テンポ良く、長いパンチで左フックからの右ストレート、ワンツーからの左ジャブ、左ボディ打ち。軽いパンチが目立つが、斜め下からの左フックには迫力がある。試合はショートパンチのダビラよりロラの長いパンチの方が効果的に見える展開。攻めるがディフェンスされるダビラ、器用にワンツー、左フックダブルを打ち込むロラ。9Rにハプニング。ダビラの両目のキズが悪化する中、リングにタオル投入。「勝った」と思ったロラは喜ぶが、これは無関係な者が勝手に投げたタオル。試合続行。結局、最後まで前に出たダビラだが、ロラが軽快なボクシングを進めて12R終了。判定は3-0(ダウンシーンは無し)。ロラがシャープなパンチ&ディフェンスで勝利。ダビラは無骨。タフさを見せたが、全体的に地味な攻め。ディフェンスされて王座返り咲きならず。これが最後の試合に。その後のロラ。次の防衛戦の相手は長身(178cm)のメキシカン、ラウル・ペレス。ラスベガスでペレスに判定負けで王座陥落、初黒星。その後、ガビー・カニザレスと空位のWBO世界バンタム級王座を争ったが、2RでKO負け。ラファエル・デル・バーレのWBO世界バンタム級王座に挑戦したが、判定負けでまたしても同王座獲得ならず。結局、王座に返り咲くことなく、それがラストファイトに。引退後は故郷に帰ってビジネスをやったり、TV出演したりしているらしい。)
①「WBC World Bantamweight Title
Miguel Lora vs. Wilfredo Vazquez」
②「WBC World Bantamweight Title
Miguel Lora vs. Alberto Davila」
③「WBC World Bantamweight Title
Miguel Lora vs. Antonio Avelar」
④「WBC World Bantamweight Title
Miguel Lora vs. Alberto Davila」
ウィルフレド・バスケス(Wilfredo Vazquez)のページ
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アルバート・ダビラ(Alberto Dávila)のページ
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アントニオ・アベラル(Antonio Avelar)のページ
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ラウル・ペレス(Raul Perez)のページ
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ガビー・カニザレス(Gaby Canizales)のページ
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