WBC世界J・バンタム級王者。サントス・ラシアル戦、グスタボ・バリャス戦、ケネディ・マッキニー戦ほかを紹介します。
シュガー・ベビー・ロハス(コロンビア)
身長170cm:オーソドックス(右構え)
①シュガー・ベビー・ロハス 12R 判定 サントス・ラシアル
(WBC世界J・バンタム級タイトル戦、1987年)
ロハス:左ジャブ、右ストレート、左右フック
ラシアル:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(感想:ロハスがタイトル獲得。「ボクシング兄弟」のロハス(兄クレメンテ・ロハスはミュンヘンオリンピック(1972年)で銅メダルを獲得。プロではコロンビアのライト級王座を獲得したが、世界挑戦は無し)。デビュー以来、連戦連勝でWBCの地域王座を獲得。元WBC世界J・バンタム級王者ラファエル・オロノを下して、この世界初挑戦。アルゼンチンの王者ラシアルはフライ級(WBA)とJ・バンタム級の二階級制覇王者。あのヒルベルト・ローマンから再戦で王座を奪い、これが初防衛戦となる。マイアミでの一戦。小柄な体格ながら振りの大きいフックを狙うラシアル。ロハスはジャブとフットワーク。フライ級時代はパワフルな連打で相手を追い込んだラシアルだが、この階級ではパワー負け。ロハスの強いジャブ・フック連打に押され気味で12R終了。判定は3-0(ダウンシーンは無し)。ラシアルは年齢的にピークを過ぎており、ベストはフライ級。この敗北は仕方がない、といったところ(後、この王座に挑戦したが、奪回ならず)。ロハスは狙いすぎで妙に力が入っていたが、ジャブを(相手より)多めに出していたのが良かった。)
②シュガー・ベビー・ロハス 4R TKO グスタボ・バリャス
(WBC世界J・バンタム級タイトル戦、1987年)
ロハス:左ジャブ、右ストレート、左右フック
バリャス:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
4R:右フックでバリャスがダウン
(感想:ロハスがタイトル初防衛。バリャスはラシアルと同じアルゼンチンの選手で元WBA王者。渡辺二郎がWBA王者だった時に来日して挑戦したこともある「懐かしの選手」。「古豪」と言ってもいいような選手ではあるが、南米J・バンタム級王座を獲得・防衛するなど精力的にリングに上がっている。これもマイアミでの一戦。ジャブと大きな左フックを使うバリャス。ロハスは左フックからの右ストレートが印象的。3R、右ストレートでバリャスがグラつく。4R、右フックでバリャスがダウン。立ったが連打を浴びてストップ。右ストレートがなかなかパワフルだったロハス。バリャスの動きは悪くはなかったが、ロハスは王者になって自信をつけたようだ。そんなロハスの次の防衛戦の相手は元王者ヒルベルト・ローマン。バリャスはこれが最後の世界戦となったが、アルゼンチン王座戦に勝利するなど地元で活躍。)
③ウェルカム・ニシタ 12R 判定 シュガー・ベビー・ロハス
(IBF世界J・フェザー級タイトル戦、1991年)
ロハス:左ジャブ、左右フック
ニシタ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(感想:ニシタがタイトル防衛。バリャス戦の次の試合でローマンに敗れて王座陥落のロハス。ラスベガスでのリターンマッチも3-0で敗北。新設されたばかりのWBO世界J・バンタム級王座決定戦に出場したが、判定負けで三連敗。階級を上げて四連続KOでニシタのIBF世界J・フェザー級王座に挑戦したが、2-1で判定負け(イタリアで行われた)。リターンマッチは王者の地元で。ニシタは南アフリカの黒人。元々はフライ級だったが、階級アップ。ファブリス・ベニシュから王座奪取。ロハスとの初戦は三度目の防衛戦。ハーリー・スニードを下して四度目の防衛に成功し、ロハスと決着戦。南アフリカのサンシティでの一戦。スリムな体型で動きが素早いニシタ。ダッキングしながらジャブ連打、コンビネーション(斜め下からの左フック、右ストレート)。ロハスは粗い攻め。ジャブはそこそこに接近して殴りつけるようなフック、ボディ打ち。2R、ニシタが頭突きを食らわし、ロハスは不満の表情。その後もジャブ&クリンチで接近戦を避けようとするニシタ。ロハスはフックを振るうが、クリンチされてイライラ。6R終了後、「逃げ回りやがって」といった表情でニシタをニラみつける。10R、ロハスがローブロー(故意?)。12R終了後、両者ニラみ合い。「勝ったのはオレだ!」といった感じのロハス。判定はまたしても2-1。ニシタが打ち合わないアウトボクシングで勝利。ロハスはいつものことだが、腕力に頼りすぎ。ジャブを出さない分、ポイントで負けた。その後のニシタ。ケネディ・マッキニーに逆転KO負けで王座陥落。IBF世界フェザー級王座決定戦に出場したが、勝てず。パワー不足が原因。)
④ケネディ・マッキニー 12R 判定 シュガー・ベビー・ロハス
(全米J・フェザー級タイトル戦、1992年)
ロハス:左ジャブ、右ストレート、左右フック
マッキニー:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(感想:マッキニーがタイトル獲得。ニシタ戦後、ジェローム・コフィを下して全米J・フェザー級王座を獲得したロハス。マッキニーと初防衛戦。挑戦者マッキニーはソウルオリンピック、バンタム級金メダリスト。これまで19勝(12KO)1分で無敗。アトランチックシティでの一戦。ジャブを丹念に打つマッキニー。ロハスはいつものようにジャブ・フック連打。マッキニーは右で、ロハスは左でボディ攻撃。互いに一歩も引かず打ち合う。12R終了。判定は3-0(ダウンシーンは無し)。マッキニーがジャブで先手を取ったのが評価されたか。ただ、マッキニーは勝ったが、右目が腫れて痛々しい感じに。ロハスは負けたが、タフさを証明。その後の二人。マッキニーはニシタをKOしてIBF世界J・フェザー級王者に。ジュニア・ジョーンズを番狂わせでKOしてWBO王座も獲得。ロハスはトム・ジョンソンのIBF世界フェザー級王座に挑戦したが、判定負け。結局、世界王座を獲得したのは一度だけで一度しか防衛できなかったが、一度もKO負けはなかった。)
①「WBC World Super Flyweight Title
Santos Laciar vs. Sugar Baby Rojas」
②「WBC World Super Flyweight Title
Sugar Baby Rojas vs. Gustavo Ballas」
③「IBF World Super Bantamweight Title
Welcome Ncita vs. Sugar Baby Rojas」
④「USBA Super Bantamweight Title
Sugar Baby Rojas vs. Kennedy McKinney」
サントス・ラシアル(Santos Laciar)のページ
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ヒルベルト・ローマン(Gilberto Roman)のページ
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ケネディ・マッキニー(Kennedy McKinney)のページ
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