フック攻撃で有名な「ミドル級のジョー・フレージャー」、パーカー。ドワイト・デイビソン戦、ムスタファ・ハムショ戦(初戦)、トニー・ブラクストン戦を紹介します。
カーチス・パーカー(アメリカ)
身長173cm:オーソドックス(右構え)
①ドワイト・デイビソン 10R 判定 カーチス・パーカー
(ミドル級戦、1980年)
パーカー:左ジャブ、右ストレート、左右フック
デイビソン:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(感想:ラスベガス「シーザース・パレス」で行われたミドル級の新鋭対決。リングサイドでモハメド・アリとラリー・ホームズが観戦。フィラデルフィア出身のパーカーはこれまで17戦全勝(14KO)。アマチュアでの実績を引っさげてプロ入り。ジョー・フレージャーのようなタイプのファイティングスタイルで連戦連勝。全米ミドル級王座を獲得。その間、試合で倒した相手が死亡し、引退を考えたことも。デイビソンは26戦全勝(20KO)ではあるが、これまで王座を獲ったことがない(モハメド・アリではなく、アリ・モハメドに勝ったことがある)。ファイタータイプのパーカーが先制攻撃。左右フックで前進。振りの大きな右フックが特徴的。デイビソンはボクサータイプ。しかしながら左ジャブは良いが、右の打ち方がイマイチ。攻めるパーカーを持て余すデイビソン。クリンチが多い。判定は3-0。攻め続けたパーカーの勝ち、と思ったらデイビソン。たぶん、ジャブが評価されたのだろう。ダウンシーンは無し。戦績ほどの強さは感じられなかったデイビソン。結局、メジャーな世界タイトルに挑戦することもなく引退。)
②ムスタファ・ハムショ 10R 判定 カーチス・パーカー
(ミドル級戦、1981年)
パーカー:左ジャブ、右ストレート、左右フック
ハムショ:右ジャブ、左ストレート、左右フック
(感想:アトランチックシティでの試合。これもミドル級の新鋭対決。ハムショはシリア出身の選手で、アメリカに密入国した「ワケあり」の男。これまで31勝(29KO)1敗でサウスポー。同じく世界を目指すウィルフォード・サイピオンに勝った実績。ハムショが左ストレートとディフェンス。パーカーはジャブからの右ストレートを狙う。頭と体を使ってロープにパーカーを押し込むハムショ。パーカーはハムショのサウスポースタイルとタフさに手こずる。最終ラウンド終了時、「自分が勝った」といった感じで両手を上げて自身の勝利をアピールしたパーカーだが、判定は2-1。ダウンシーンは無し。パワーも動きも悪くなかったパーカーだが、やや押され気味。デイビソン戦に続いて敗北(次の試合でサイピオンに負けて三連敗。なお、後にハムショと再戦し、その試合にも負けた)。勝ったハムショは次の試合で前世界王者のアラン・ミンターを下し、世界王者ハグラーに挑戦。)
(ミドル級戦、1983年)
パーカー:左ジャブ、右ストレート、左右フック
ブラクストン:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(感想:アトランチックシティでのミドル級ライバル対決。ブラクストンは実力者フランク・フレッチャー、クリント・ジャクソンに勝ったことがある選手。ただ、全米王座を懸けて行ったフレッチャーとの第三戦に敗れ、直前の試合ではアーニー・シングルタリーに判定負けし、二連敗している。似た戦い方をする二人。ジャブとフックのパーカー。ブラクストンは右ストレートと左フックを狙う。両者、一歩も引かない打ち合い。手数も多い。判定は2-0。ダウンシーンは無し。お客が拍手したほどの熱戦。ジャブで先手を取るパーカーの戦法が見た目の印象が良かった。結局、パーカーは世界挑戦できずにキャリアを終えたが、ムスタファ・ハムショ、ウィルフォード・サイピオン、ジョン・ムガビ、マイケル・オラジデ、フランク・テート、マイケル・ナンらはパーカー戦の後で世界挑戦。パーカーのリングキャリアは、悪く言えば「踏み台にされた」、良く言えば「ライバルに恵まれた」といったところ。)
Curtis Parker vs. Dwight Davison」
②「Middleweight
Curtis Parker vs. Mustafa Hamsho」
③「Middleweight
Curtis Parker vs. Tony Braxton」
ムスタファ・ハムショ(Mustafa Hamsho)のページ
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ウィルフォード・サイピオン(Wilford Scypion)のページ
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