サウスポーのカウンターパンチャー、ホープ。マイク・ベイカー戦、ロッキー・マッチョーリ戦(再戦)、ウィルフレド・ベニテス戦を紹介します。
モーリス・ホープ(イギリス)
身長174cm:サウスポー
①モーリス・ホープ 7R TKO マイク・ベイカー
(WBC世界J・ミドル級タイトル戦、1979年)
ホープ:右ジャブ、左ストレート、左右フック
ベイカー:左ジャブ、右ストレート、左フック
(ダウンシーン)
7R:左ストレートでベイカーがダウン
(感想:ホープがタイトル防衛。アンティグア・バーブーダ(英連邦王国の一つ)出身のホープ。子供の頃に英国に移住し、ボクシングを始める。1972年のミュンヘンオリンピックには英国代表として出場(メダルは獲得ならず)。プロデビュー。全勝というわけにはいかなかったが、英国王座(J・ミドル級、ミドル級)、英連邦王座(J・ミドル級)、欧州王座(J・ミドル級)を獲得し、ロッキー・マッチョーリ(イタリア)を破ってWBC世界J・ミドル級王座獲得。これが初防衛戦となる。ベイカーはアメリカの白人選手。北米J・ミドル級王座を獲得したことがあるが、敗北が多く、戦績からは中堅選手といった印象。ロンドンで行われた一戦。ジャブで先手を取り、正確なストレート・フック連打でベイカーを追い詰めるホープ。ベイカーはパンチは強そうではあるが、器用さに欠ける印象。5R、打ちのめされるベイカー。7R、左ストレートでベイカーがついにダウン。そして猛烈な連打でレフェリーストップ。ストップの瞬間、「なぜ止める?」みたいな表情のベイカー(そりゃ止められますよ。あれだけ打たれたら)。ベイカーは白人選手にありがちな「タフでパンチはあるけど無器用でよく打たれるタイプ」だった(これが最初で最後の世界戦に)。パワフルに防衛したホープ。パンチ力と攻撃の正確さを見せた。)
②モーリス・ホープ 11R TKO ロッキー・マッチョーリ
(WBC世界J・ミドル級タイトル戦、1980年)
ホープ:右ジャブ、左ストレート、左右フック
マッチョーリ:左ジャブ、右ストレート、左フック
(感想:ホープがタイトル防衛。ロンドンで前王者マッチョーリと再戦。ジャブを飛ばすホープ。マッチョーリは右ストレートを狙う。前に出るマッチョーリにジャブ・ストレートでカウンターを取るホープ。11R、打たれ続けるマッチョーリを見てレフェリーが止めた。ダウンシーンは無し。これが最後の世界戦となったマッチョーリ。バランスが良い選手で、パワフルな右ストレートを打っていた。もっとジャブを出していれば、結果は逆だったかも。)
③ウィルフレド・ベニテス 12R KO モーリス・ホープ
(WBC世界J・ミドル級タイトル戦、1981年)
ホープ:右ジャブ、左ストレート、左右フック
ベニテス:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
10R:右ストレートでホープがダウン
12R:右フックでホープがダウン
(感想:ベニテスが三階級制覇。世界王者としては地味な存在のホープ。ラスベガス「シーザース・パレス」で有名選手と防衛戦。挑戦者は17歳で世界王者になった「怪童」ベニテス。22歳で、これまで40勝(25KO)1敗1分。唯一の敗北は「天才」シュガー・レイ・レナードに喫したもの。ジャブ・ストレートで積極的に攻めるホープ。押され気味だったベニテスが6Rからパワフルな連打で反撃。10R、右ストレートでホープがダウン。12R、ベニテスの狙い澄ました強烈な右フックでホープが失神。パンチのパワーとキレでベニテスが上回り、三階級制覇達成(今では「三階級制覇」は珍しいことではないが、この当時、ベニテスの三階級制覇は史上5人目で43年ぶりのこと。WBAとWBCに分裂してからは初の三階級制覇王者。今では六階級とか五階級制覇のチャンピオンもいる。その選手のファンでも獲得タイトルや対戦相手の名を覚えるのは大変だろう)。痛烈なKO負けを喫してしまったホープ。入院したが回復。次の試合でルイジ・ミンキロに敗れて引退。ベニテスには敗れてしまったが、英国の選手らしいテクニシャンだった。)
Maurice Hope vs. Mike Baker」
②「WBC World Super Welterweight Title
Maurice Hope vs. Rocky Mattioli」
③「WBC World Super Welterweight Title
Maurice Hope vs. Wilfred Benitez」
ウィルフレド・ベニテス(Wilfred Benitez)のページ
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ルイジ・ミンキロ(Luigi Minchillo)のページ
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