2022年9月23日金曜日

ルイジ・ミンキロ(Luigi Minchillo)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

イタリアのJ・ミドル級。ロベルト・デュラン戦、トーマス・ハーンズ戦、マイク・マッカラム戦ほかを紹介します。「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ルイジ・ミンキロ(Luigi Minchillo)ボクシング・ブログ「世界の強豪ボクサー」[Google Blogger]

ルイジ・ミンキロ(イタリア)

身長173 cm:オーソドックス(右構え)


ロベルト・デュラン 10R 判定 ルイジ・ミンキロ

(J・ミドル級戦、1981年)

ミンキロ:左ジャブ、右ストレート、左右フック

デュラン:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(感想:イタリアのミンキロ。モントリオールオリンピック(1976年)ではウェルター級で出場(メダル獲得ならず)。プロではイタリア王座、ルイ・アカリエスに勝利して欧州王座(いずれもJ・ミドル級)を獲得するなど、一つの敗北を除き、キレイに白星を並べてきた。デュランはおなじみパナマの「石の拳」。シュガー・レイ・レナードにWBC世界ウェルター級王座を奪い返されて、巻き返し中。ラスベガス「シーザース・パレス」で行われた一戦。ミンキロがジャブを使って前進。左右フックでボディ攻撃するなど積極的。デュランは攻めてくるミンキロにフックで応戦。接近戦、もみ合い。ミンキロの前進を持て余すデュランだが、判定は3-0(ダウンシーンは無し)。映像ではどちらが優勢なのかよくわからなかった。デュランのボディ攻撃が評価されたのかも。ライト級時代は速くて強かった「石の拳」もKOどころかダウンも奪えないとなると魅力半減といったところ(しかし、その後も長きに渡ってリングへ)。ミンキロは接近戦を仕掛けていたが、パワーは感じられなかった。)


ルイジ・ミンキロ 12R 判定 マリアン・ベネス

(欧州J・ミドル級タイトル戦、1982年)

ミンキロ:左ジャブ、右ストレート、左右フック

ベネス:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(ダウンシーン)

3R:左フックでベネスがダウン

(感想:ミンキロがタイトル防衛。デュラン戦後、モーリス・ホープらを相手に欧州王座を防衛し続けるミンキロ。挑戦者ベネスはセルビア・ベオグラード出身。子供の頃は父の影響で音楽をやっていたが、ボクシングに目覚める。身体の不調と戦いながらアマチュアで活躍。1976年、モントリオール・オリンピック出場(メダルは獲得ならず)。1977年、プロデビュー。敗北はあったが、欧州王座(J・ミドル級)を獲得、防衛。アユブ・カルレのWBA世界J・ミドル級王座に挑戦して判定負け。ルイ・アカリエスに敗れて欧州王座陥落。王座奪回を目指してミンキロに挑戦。イタリアのサン・セヴェーロでの一戦。足で距離を取ってジャブ、ストレートのミンキロ。ベネスはなかなか粗いボクシング。ジャブはあまり使わず、接近してフックを打ち込む。1Rに速いワンツーを決めて会場を沸かせたミンキロ。ボクサータイプながら実にパワフル。ベネスもパワーがあるが、狙いすぎで単発。中間距離での打撃戦。接近戦は互いに避けたいのか、クリンチになるシーンが多い。3R、左フックでベネスがダウン。4R、ベネスの右フックがヒット。その後もパワフルな攻防。ミンキロが左ボディ連打からの左フックなどのコンビネーション。レフェリーはベネスの攻めが粗いため警告したり、クリンチをブレイクしたりと大忙し。12R終了。判定は2-0。ミンキロがジャブ、コンビネーションで勝利。どちらも強かったが、手数で決着。ベネスがジャブをもっと使っていれば違う結果になっていたかも。その後もベネスはリングへ。しかし、ミンキロ戦、またはそれ以前に左目を痛めたらしく、83年に引退。カムバックして1991年と97に二試合(いずれも勝利。片目が失明状態で試合をしたという情報も)。そしてボスニア紛争。ベネシュの兄が1992年に紛争で死亡。ベネシュ自身は離婚したり、2017年にアルツハイマー病を発症して車椅子生活を送るようになったり。2018年9月4日、67歳で死去。世界王者にはなれなかったが、「ユーゴスラビア史上最高のボクサー」の一人とされている。)


トーマス・ハーンズ 12R 判定 ルイジ・ミンキロ

(WBC世界J・ミドル級タイトル戦、1984年)

ミンキロ:左ジャブ、右ストレート、左右フック

ハーンズ:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(感想:ハーンズがタイトル防衛。ベネス戦後、連勝のミンキロがついに世界初挑戦。二階級制覇王者「ヒットマン」ハーンズはウィルフレド・ベニテスから奪った王座の初防衛戦。ハーンズの地元デトロイト「ジョー・ルイス・アリーナ」で行われた一戦。共にジャブを使う。前進するミンキロだが、ハーンズはジャブでミンキロの接近を阻み、長いリーチから左フック、右ストレート、ボディ打ち。ジャブを「ガツン」と食らうミンキロだが、それでも前進。むしろ3Rにはハーンズをロープ際に追い込んで連打。タフなミンキロに参ったのか、ハーンズがクリンチ(8Rなど)。しかしながら、ミンキロの右ストレート、振りの大きい左フックは空振りが多い。12R終了。判定は3-0(ダウンシーンは無し)。ハーンズが体格差、パワーなどで勝利。勝てなかったがミンキロはハーンズのラッシュにも倒れない「異常なタフさ」を証明。)


マイク・マッカラム 14R TKO ルイジ・ミンキロ

(WBA世界J・ミドル級タイトル戦、1984年)

ミンキロ:左ジャブ、右ストレート、左右フック

マッカラム:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(感想:マッカラムがタイトル防衛。再び世界を狙うミンキロ。これまで44勝(28KO)3敗(良い戦績)。王者マッカラム(ジャマイカ)は「ボディ・スナッチャー」と呼ばれ、ボディ打ちが巧いテクニシャン。ミラノで行われた一戦。前進して右ストレート、左フックを狙うミンキロ。マッカラムは伸びのあるジャブ、右ストレート、器用な左右フックで応戦。ミンキロが良いパンチを打つシーンもあるが、全体的にはマッカラムがディフェンス、当てる巧さで上回る。13R終了後にミンキロは棄権(ダウンシーンは無し)。またしても世界王座奪取に失敗したミンキロ。動きは悪くはなかったが、相手のレベルが高すぎた。結局、世界のトップクラスには勝てなかったミンキロ。派手な選手ではなかったが、大物にも倒されなかったタフネスがあった。)


①「Super Welterweight 

Roberto Duran vs. Luigi Minchillo」

②「EBU Super Welterweight Title 

Luigi Minchillo vs. Marijan Benes」

③「WBC World Super Welterweight Title 

Thomas Hearns vs. Luigi Minchillo」

④「WBA World Super Welterweight Title 

Mike McCallum vs. Luigi Minchillo」


ロベルト・デュラン(Roberto Durán)のページ

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トーマス・ハーンズ(Thomas "The Hit Man" Hearns)のページ

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マイク・マッカラム(Mike McCallum)のページ 

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