WBA世界J・フライ級王者。渡嘉敷との四戦で日本でもおなじみのメキシカン。渡嘉敷勝男戦(初戦・三戦目)、フランシスコ・キロス戦を紹介します。
ルペ・マデラ(メキシコ)
身長 cm:オーソドックス(右構え)
①渡嘉敷勝男 15R 判定 ルペ・マデラ
(WBA世界J・フライ級タイトル戦、1982年)
マデラ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
渡嘉敷:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(感想:渡嘉敷がタイトル初防衛。メキシカンのマデラ。これまで33勝(23KO)10敗1分。実力者がひしめくメキシコのフライ級でキャリアを積んできた選手。フレディ・カスティーリョ、ミゲル・カント、ヘルマン・トーレス、ジョーイ・オリボ、アマド・ウルスア、リカルド・ロペス(と言っても、あの「リカルド・ロペス」ではない別人)らと対戦。また、ミゲル・カント、グティ・エスパダス、ファン・エレラ(全員、世界王者)のスパーリングパートナーを務めたこともある。王者の渡嘉敷は同じジムの先輩である具志堅用高が持っていたWBA世界J・フライ級タイトルを引き継ぐかのような形で王座奪取した男。14勝(2KO)1敗1分。「2KO」が示すように一発のパワーは無いが、小気味よい連打を使うタイプ。仙台で行われた渡嘉敷の初防衛戦。体格も戦い方も似ている両者。互いにジャブ、ストレート。共に手数が多い。渡嘉敷がリズミカルなフットワーク、ジャブ、ストレート。マデラは接近して振りの大きいフック。一進一退。15R、右フックで渡嘉敷ピンチ。判定は2-1。ダウンシーンは無し。この試合の評価のポイントはディフェンス。ボクシングはクリーンヒットしないとポイントにならないのが基本。マデラのフックは力強かったがブロックされているような感じで、ポイント的には渡嘉敷のジャブ、ストレートの方が良かったように見えた。似たタイプ同士であり、渡嘉敷に一発のパワーが無かったため、ジャッジとしても判断が難しい試合になったのだと思われる。)
②ルペ・マデラ 4R 負傷判定 渡嘉敷勝男
(WBA世界J・フライ級タイトル戦、1983年)
マデラ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
渡嘉敷:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(感想:マデラがタイトル獲得。再戦(渡嘉敷の五度目の防衛戦)はドローに終わった両者。三度目の対決。これが六度目の防衛戦となる王者の渡嘉敷がジャブ、ストレート。マデラは2Rからパワフルなフックを連打する。4R、バッティングでマデラが負傷。ドクターチェック。試合終了。当時、試合結果について「ドロー」や「TKO」といった発表があるなどの不手際があった。結局、「3Rまでの採点でマデラが新王者」ということらしい。あっけなく短い試合ではあったがマデラのパンチにはパワーとキレがあった。ダウンシーンは無し。)
③フランシスコ・キロス 9R KO ルペ・マデラ
(WBA世界J・フライ級タイトル戦、1984年)
マデラ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
キロス:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
3R:左フックでキロスがダウン
9R:右ストレートでマデラがダウン
(感想:キロスがタイトル獲得。初防衛戦を渡嘉敷と行ったマデラ(四度目の対戦は3-0の判定でマデラ)。二度目の相手はキロス。アフロな黒人キロスはドミニカの選手。「BOXREC」の記録によると、シュガー・ベビー・ロハス(コロンビア。後、WBC世界J・バンタム級王者に)、イスラエル・コントレラス(ベネズエラ。後、WBA世界バンタム級王者に)らに敗れるなど、エラい負けが多い。ベネズエラのマラカイボで行われた一戦。マデラが小柄なため、大きく見えるキロス。テンポよくジャブ、ストレートを飛ばし、マデラのフック攻撃をディフェンス、クリンチ。3R、マデラ得意の左フックでキロスがダウン。その後もキロスはジャブ、マデラはフックを当てようとする展開。8R、互いに右をヒットさせる。9R、左フック連打からの右ストレートでマデラがダウン、KO。渡嘉敷との接戦でようやく手に入れたベルトを手放したマデラはこれで引退。キロスは当てるのが巧い器用な選手。右ストレートには伸びがあり、左フックも強かった(そのキロスもジョーイ・オリボにタイトルを奪われ、オリボを破った柳明佑は長期に渡って王座を防衛)。引退後のマデラが何をしていたのかは知らないが、52歳で亡くなった。(2005年12月3日)。)
①「WBA World Light Flyweight Title
Tokashiki Katsuo vs. Lupe Madera」
②「WBA World Light Flyweight Title
Tokashiki Katsuo vs. Lupe Madera」
③「WBA World Light Flyweight Title
Lupe Madera vs. Francisco Quiroz」
渡嘉敷勝男(Tokashiki Katsuo)のページ
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