WBA世界J・フライ級王者。具志堅のタイトルを取り戻した男。金煥珍戦(初戦)、伊波政春戦、張正九戦を紹介します。
渡嘉敷勝男(日本)
身長157cm:オーソドックス(右構え)
①渡嘉敷勝男 15R 判定 金煥珍
(WBA世界J・フライ級タイトル戦、1981年)
渡嘉敷:左ジャブ、右ストレート、左右フック
金:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(感想:渡嘉敷がタイトル獲得。沖縄県出身の渡嘉敷。幼い頃に兵庫県宝塚市に移転したため、本人はあまり「沖縄出身」という意識がないのだとか。ケンカ小僧がボクシングの道へ。具志堅用高の試合を見て、プロボクサーを目指す。具志堅と同じ「協栄ジム」に入門(この頃のエピソードも豊富)。デビュー後、「1979年度全日本J・フライ級新人王」にはなったが、日本王座は獲得していない。WBA2位として世界初挑戦。王者、金はあのペドロ・フローレス(メキシコ。具志堅から王座奪取)に勝って王者になった男。これが二度目の防衛戦。リズミカルにジャブを飛ばす渡嘉敷。金は左フックを狙うがジャブが少ないため、空振り。テンポ良く攻める渡嘉敷。判定は3-0。ダウンシーンは無し。15Rに渡って手数を出し続けた渡嘉敷。左ボディ打ちも良かった。試合後、具志堅がリングに上がって新王者を祝福。金は右ストレート・左フックにパワーがあったが、攻めが雑だった。再戦も渡嘉敷が勝利、王座防衛。)
②渡嘉敷勝男 8R TKO 伊波政春
(WBA世界J・フライ級タイトル戦、1982年)
渡嘉敷:左ジャブ、右ストレート、左右フック
伊波:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
8R:右アッパー、左フックで2度、伊波がダウン
(感想:渡嘉敷がタイトル防衛。ルペ・マデラ(メキシコ)を相手に初防衛に成功した渡嘉敷。二度目の防衛戦は日本選手同士の対戦。これまで15勝(2KO)1敗1分の渡嘉敷。伊波はWBA9位で18勝(4KO)1敗1分。どちらもKO数は少ないが、スピーディーにジャブを打ち合う好試合に。接近戦では渡嘉敷が左フックで優勢。8R、二度のダウン。そして連打でストップ。「2KO」の渡嘉敷が力強い勝利。伊波はジャブ・ストレートは良かったが、左フックで差をつけられた。)
③張正九 9R TKO 渡嘉敷勝男
(WBC世界J・フライ級タイトル戦、1984年)
渡嘉敷:左ジャブ、右ストレート、左右フック
張:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(感想:張がタイトル防衛。ルペ・マデラにWBA世界J・フライ級王座を奪われた渡嘉敷。挑戦者としてマデラと戦ったが王座奪回ならず。今度は敵地(韓国)に乗り込んでWBC王座を狙う。張はラッシングパワーでイラリオ・サパタ(パナマ)を下して王者になった男。直前の防衛戦ではソット・チタラダ(タイ。後、WBC世界フライ級王者に)に判定勝ちしている。連打の渡嘉敷。張はフック攻撃。1Rから打ち合い。渡嘉敷は得意のジャブを使ったアウトボクシングではなく接近戦を挑む。7R、連打を食って後退する渡嘉敷。9R、左フックでフラついた渡嘉敷が連打を浴びてストップ。ダウンシーンは無かったが、激しい打撃戦だった。本来ならフットワークとジャブで距離を取って、回転の速い連打をまとめるのが渡嘉敷のボクシング。タフな張と真っ向から打ち合ったのはなぜだろう? たぶん、そうでもしないと勝てない相手だと思ったのだろう。あるいはこの試合をラストファイトと覚悟して、思い切り打ち合いたかったのかも。試合のダメージによりこれが最後の試合となった渡嘉敷。引退後はタレント活動、自身のジムでの若手の指導などで忙しい日々のようだ。)
Hwan Jin Kim vs. Tokashiki Katsuo」
②「WBA World Light Flyweight Title
Tokashiki Katsuo vs. Inami Masaharu」
③「WBC World Light Flyweight Title
Jung Koo Chang vs. Tokashiki Katsuo」
ルペ・マデラ(Lupe Madera)のページ
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張正九(Jung Koo Chang)のページ
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