マイナー団体の「世界ヘビー級タイトル」を獲得、サンダー。メルトン・ボウウェン戦、トニー・タッブス戦、ティム・ウィザスプーン戦を紹介します。
ジミー・サンダー(ニュージーランド)
身長188cm:オーソドックス(右構え)
①ジミー・サンダー 5R TKO メルトン・ボウウェン
(WBFヘビー級王座決定戦、1993年)
サンダー:左ジャブと左右フック
ボウウェン:左ジャブと左右フック
(ダウンシーン)
1R:左フックでボウウェンがダウン
5R:左フックでボウウェンがスタンディングダウン
(感想:サモアの首都アピア出身のサンダー。「ニュージーランド代表」としてアマチュアの大会で優勝したことも。オーストラリアでプロデビュー。東洋太平洋王座、WBCインター王座、IBFの地域王座を獲得してきたが、連戦連勝というわけにはいかず、ヘンリー・アキンワンデ(後、WBO王者に)らに敗北している。ボウウェンはカール・ウィリアムスにTKO負け、トニー・タッブスに判定負けしている選手。WBFインター王座を獲得した実績があるが、戦績からすると中堅どころといった印象。オーストラリアでのファイター同士の一戦。ジャブからの左右フック攻撃を武器とするサンダー。1R、左フックでボウウェンがダウン。その後は激しい打ち合い。5R、左フックでボウウェンがスタンディングダウン。さらに左フックで後退してレフェリーストップ。サンダーが勢いで勝利。風車のように振り回すサンダーのフックにはスピードとパワーがあった。)
②ジミー・サンダー 12R 判定 トニー・タッブス
(IBOヘビー級タイトル戦、1994年)
サンダー:左ジャブと左右フック
タッブス:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(感想:サンダーがタイトル防衛。WBF王座を初防衛戦で「クセ者」ジョニー・ネルソンに奪われたサンダー。その後、決定戦でIBO王座獲得。これが初防衛戦となる。挑戦者タッブスは東京ドームでマイク・タイソンの世界タイトルに挑戦したことで日本でもおなじみの元WBA王者。サンダーのフック攻撃にタッブスはジャブで応戦。3R、力強い連打を見せるタッブス。しかしこれで共に疲れてしまったのか、クリンチが多くなっていく。判定は2-0。ダウンシーンは無し。タッブスは全盛期でもパンチ力はそれほどでもなかった選手。サンダーが経験のあるベテランを倒せるかどうかが試された試合だったが、ダメなヘビー級戦っぽい「少し打ってはクリンチ」の試合。クリンチを引き離すのに忙しかったレフェリー(お疲れさま、といったところ)。ただ、打ち合いのシーンは迫力があった。)
③ジミー・サンダー 10R 判定 ティム・ウィザスプーン
(ヘビー級戦、1998年)
サンダー:左ジャブと左右フック
ウィザスプーン:左ジャブと左右フック
(感想:タッブス戦後、連続KO勝ちしたり、後の世界王者ジョン・ルイス、クリス・バードに負けたりのサンダー。「古豪」と言ってもいい元王者ウィザスプーン(元WBC、WBA王者。タッブスに勝ってWBAタイトルを獲ったことがある)と対戦。似た戦い方をする二人。1Rから左右フックで打ち合う。2Rにはウィザスプーンの強打がヒットする場面もあったが、クリンチともみ合いが多くなる。判定は3-0。ダウンシーンは無し。内容的にはほぼ互角。しかし「勢いの差」でサンダーが勝利。結局、サンダーはメジャー団体の世界タイトルは獲れなかったが、ヘビー級らしいパワフルなファイターだった。しかしながら、引退後はトラブル。金銭的に苦労してホームレス状態になったり、モメごとを起こしたり。そして2020年に54歳で死去。脳の手術の後、眠りながら亡くなったという。強かった男にしては寂しすぎる最期だった。)
Jimmy Thunder vs. Melton Bowen」
②「IBO Heavyweight Title
Jimmy Thunder vs. Tony Tubbs」
③「Heavyweight
Jimmy Thunder vs. Tim Witherspoon」
トニー・タッブス(Tony "TNT" Tubbs)のページ
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ティム・ウィザスプーン("Terrible" Tim Witherspoon)のページ
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