ジーン・ハッチャー（Gene Hatcher）「世界の強豪ボクサー：ボクシング・ブログ」

WBA世界J・ウェルター級タイトルを獲った「狂犬」ハッチャー。エデュアルド・ルーゴ戦、ジョー・マンリー戦、ジョニー・バンフス戦を紹介します。

ジーン・ハッチャー（アメリカ）
身長170cm：オーソドックス（右構え）

①ジーン・ハッチャー 4R KO エデュアルド・ルーゴ
（J・ウェルター級戦、1983年）
ハッチャー：左ジャブ、右ストレート、左フック
ルーゴ：左ジャブと左右フック
（ダウンシーン）
4R：右ストレートでルーゴがダウン

（感想：ハッチャーが勝利。テキサス出身の「Mad Dog（狂犬）」ハッチャー。アマチュアで優秀な成績。プロでは戦闘的なスタイル。キューバのルーゴは勝ったり負けたりの中堅どころで、ジョニー・バンフスにTKO負けしている。ヒゲを生やしてチャールズ・ブロンソンっぽいハッチャー。丁寧にジャブ・ワンツーを打つ。ルーゴは接近してかなり大振りのフック・アッパーで攻撃。2R、ルーゴの右アッパーがヒット。4R、右ストレートのカウンターが効いたルーゴに連打するハッチャー。追い打ちの右ストレートでダウンしたルーゴは立てなかった。ハッチャーは勝ったが、危ないシーンもあった。ルーゴは迫力はあったが、攻めるときのディフェンスができていないように見えた。後、ルーゴはフランキー・ランドール、バディ・マクガートにKOされてキャリアを終えた。）

②ジーン・ハッチャー 12R 判定 ジョー・マンリー
（Ｊ・ウェルター級12回戦、1983年）
ハッチャー：左ジャブ、右ストレート、左右フック
マンリー：左ジャブ、右ストレート、左右フック

（感想：ラスベガスで行われた、後に世界Ｊ・ウェルター級王者になる者同士の対戦。共に良いジャブ、ストレートを打つ。ハッチャーが前に出て、マンリーが応戦する展開。積極性が評価されたか、判定は３－０でハッチャー。ダウンシーンは無し。マンリーは全体的に受け身の姿勢。ハリー・アローヨに負けた（負けにされた？）ときもそんな感じだった。自分から攻めないとポイントは付けてもらえない。この試合は12回戦で行われ、何かのタイトルが懸けられていた。）

③ジーン・ハッチャー 11R TKO ジョニー・バンフス
（WBA世界J・ウェルター級タイトル戦、1984年）
ハッチャー：左ジャブ、右ストレート、左右フック
バンフス：右ジャブ、左ストレート、左右フック
（ダウンシーン）
2R：右フックでハッチャーがダウン
11R：左フックでバンフスがダウン

（感想：ハッチャーがタイトル獲得。これが初の世界戦となるハッチャー。チャンピオンのバンフスは長身のサウスポーで、これまで全勝。決定戦で獲得した王座の初防衛戦。いつものように前進するハッチャー。バンフスがジャブ・連打で迎え撃つ。2Rのダウンはタイミングでバランスを崩したようなものであまりダメージは無い感じ。ハッチャーが右ストレート、バンフスはフック・アッパーを狙う展開。相手のディフェンスとジャブによりなかなかパンチを当てさせてもらえないハッチャーは10R終了のゴング後に攻撃。11R、左フックでバンフスがダウン。再開したが、足がフラつくバンフスを見てレフェリーは試合ストップ。それに納得が行かないバンフスは勝利に喜ぶハッチャーに殴りかかった。問題は「ストップのタイミング」。ダウンが効いていたのは間違いないが、バンフスは王者であり、ポイントでは勝っていたように見えた。レフェリーがハッチャーに勝たせたようにも見える。あのストップは妥当なものだったのだろうか？　その後のハッチャー。ウバルド・サッコを相手に初防衛に成功。しかし再戦で敗れ、二度目の防衛に失敗。その後もリングに上がり続けたが、ロイド・ハニガンの世界ウェルター級王座に挑戦したときは、何と45秒でKO負け。決して弱い選手ではなかったが、王座を獲った試合でモメたこと、王者として長く活躍できなかったこと、ハニガン戦であっけなく負けたことで印象が薄い選手になってしまったのが残念。）

①「Super Lightweight
Gene Hatcher vs. Eduardo Lugo」
②「Super Lightweight
Gene Hatcher vs. Joe Manley」
③「WBA World Super Lightweight Title
Johnny Bumphus vs. Gene Hatcher」

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