2020年3月27日金曜日

ドノバン・ラドック(Donovan "Razor" Ruddock)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

「スマッシュ」が武器のヘビー級ハードパンチャー、ラドック。レジー・グロス戦、ジェームズ・ブロード戦、ジェームス・スミス戦、マイケル・ドークス戦を紹介します。

ドノバン・ラドック(Donovan "Razor" Ruddock)ボクシング・ブログ「世界の強豪ボクサー」[Google Blogger]

ドノバン・ラドック(カナダ)
身長191cm:オーソドックス(右構え)

ドノバン・ラドック 2R TKO レジー・グロス
(ヘビー級、1988年)
ラドック:左ジャブ、右ストレート、左フック
グロス:左ジャブと左右フック
(ダウンシーン)
2R:右ストレートでグロスがダウン
(感想:ジャマイカ生まれのラドック。その後、カナダに移住。16歳でボクシングを始め、アマチュアでの試合数は少ないがカナダのタイトルを獲得。プロ転向。二線級の相手に敗北する失態を演じたこともあったが、ラリー・ホームズとのスパーリングで評価を上げ、マイク・ウィーバーに勝利したり、カナダヘビー級タイトルを獲得したり。ニックネームは「Razor」。「レーザー光線」ではなく「カミソリ」のこと。「切れ味鋭いパンチ」を形容したものだが、パワーも相当なもの。グロスはデビューから連戦連勝のホープだったが(後のIBF世界L・ヘビー級王者チャールズ・ウイリアムスを1Rで倒した星も含まれる)、トップどころには敵わず、マイク・タイソンには1RでKO負け。ただし、タフ男のバート・クーパーを仕留めており、実力はある。「マイク・タイソン vs. マイケル・スピンクス」の大一番のアンダーカードとして行われた試合。にもかかわらず、リングサイドはガラガラ(観ればいいのにもったいない。リングサイドに座るような連中はメインにしか興味がないのか? ボクシングを知らない連中だが、高価なチケットを買ってくれる「上客」だから仕方がない)。ジャブと得意の左フック「スマッシュ」で攻撃するラドック。グロスも右フックを決めるシーンを見せるが、2Rに右ストレートでダウンを食い、連打を浴びてレフェリーストップ。勢いでラドックが圧勝。結果は妥当なところか。グロスはその後、凶悪犯罪を起こし、これが最後の試合となった。)

ドノバン・ラドック 1R TKO ジェームズ・ブロード
(ヘビー級、1988年)
ラドック:左ジャブ、右ストレート、左フック
ブロード:左ジャブ
(感想:ブロードもまたレジー・グロスのようにデビューから連戦連勝のホープだった男(後のWBA世界ヘビー級王者ジェームズ・ボーンクラッシャー・スミスをKOした星も含まれる)。マービス・フレージャーに初黒星。北米ヘビー級タイトルを獲得したが、ティム・ウィザスプーンにKO負けで、王座陥落。トニー・タッカー、フランチェスコ・ダミアニ、グレグ・ペイジを相手に三連敗。直前の試合ではジョニー・デュプロイ(ダミアニと空位のWBO世界ヘビー級王座を争って、あっけなくKO負け)にKO負けするなど、いいところなし。フットワークとジャブのラドック。飛び込んでの「スマッシュ」。ロープ際で連打してレフェリーストップ。ダウンシーンは無し。何もできなかったブロード。大きな体なのに。残念。)

ドノバン・ラドック 7R KO ジェームス・スミス
(ヘビー級、1989年)
ラドック:左ジャブ、右ストレート、左フック
スミス:左ジャブと左右フック
(ダウンシーン)
2R:右フックでラドックがダウン
7R:左フックでスミスがダウン
(感想:元WBA王者の「ボーンクラッシャー」スミス。ゴツい身体をしており、腕力が武器。マイク・タイソンに不甲斐ない負け方をしたことがあるが、本来そんな負け方をするような選手ではない。そんなスミスのハードパンチを警戒して、フットワークとジャブを使うラドック。得意の強打を当てようと狙っていたスミスが2Rにダウンを奪う(ラドックが横倒しになる派手なダウンだった)。クリンチでピンチを脱出したラドックは逆にパワーでスミスを追い込む。動きにキレが無いスミス。7Rに「スマッシュ」を食って完全KO。ラドックが元王者を豪快に逆転KO。あのタフなスミスがこんな倒され方をするとは、という衝撃的な結末だった。)

ドノバン・ラドック 4R KO マイケル・ドークス
(WBAインターコンチネンタル・ヘビー級タイトル戦、1990年)
ラドック:左ジャブ、右ストレート、左フック
ドークス:左ジャブと左右フック
(ダウンシーン)
4R:左フックでドークスがダウン
(感想:ドークスもまた元WBA王者。回転の速い連打が武器。しかしながら、「パンチが軽い」という評価も。ゴング前に睨み合う両者。左フックを狙うラドック。回転の速い連打を使うドークス。4R、左を食ってロープ際まで後退したドークスにラドックが左フック。ほぼノーガード状態で相手の一番得意なパンチを全力で打たれたドークスは前のめりにダウンして立てなかった。ラドックがまたしても元王者を豪快KO。ヘビー級ボクシング史上に残る衝撃のシーン。ボクシングが恐いのは「手加減無しで全力でパンチを打つ・打たれる」ところ。ガードできない状態でパンチを打たれるのを見ると「早めにストップして欲しい」と思うことがよくあるが、これはそんな試合だった。その後、ラドックはマイク・タイソンとの事実上の「ヘビー級ナンバーワン」を決める試合で二連敗。それでも実力に対する評価が下がることはなかったが、レノックス・ルイス、トミー・モリソンに豪快なKO負け。世界を獲得することはできなかった。)

①「Heavyweight
Donovan Ruddock vs. Reggie Gross」
②「Heavyweight
Donovan Ruddock vs. James Broad」
③「Heavyweight
Donovan Ruddock vs. James Smith」
④「WBA Inter-Continental Heavyweight Title
Michael Dokes vs. Donovan Ruddock」

マイク・タイソン("Iron" Mike Tyson)のページ
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レノックス・ルイス(Lennox Lewis)のページ
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トミー・モリソン(Tommy "The Duke" Morrison)のページ

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