2020年1月18日土曜日

トミー・モリソン(Tommy "The Duke" Morrison)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

俳優ジョン・ウェインの親戚、「デューク」トミー・モリソン。カール・ウィリアムス戦、ジョージ・フォアマン戦、ドノバン・ラドック戦を紹介します。

トミー・モリソン(Tommy "The Duke" Morrison)ボクシング・ブログ「世界の強豪ボクサー」[Google Blogger]

トミー・モリソン(アメリカ)
身長188cm:オーソドックス(右構え)

トミー・モリソン 8R TKO カール・ウィリアムス
(ヘビー級、1993年)
モリソン:左右フックと右アッパー
ウィリアムス:左ジャブと左右フック
(ダウンシーン)
1R:左フックでウィリアムスがダウン
3R:左ジャブでウィリアムスがダウン
5R:右ストレート、右アッパーで2度、モリソンがダウン
(感想:謎の男モリソン。アーカンソー州出身。あの俳優ジョン・ウェインの甥というウワサがあるが、モリソンは「荒れた家庭」の出身。「遠い親戚」なのかもしれないが、死後も稼ぎ続けるジョン・ウェインと関係があるとは思えない。年齢を偽って「タフマンコンテスト(ケンカ試合)」に出場。その後、アマチュアボクシングへ。オリンピック国内予選決勝でレイ・マーサーに敗れ、ソウルオリンピック出場ならず。プロ転向。全勝のままレイ・マーサーのWBO世界ヘビー級タイトルに挑戦したが無惨なKO負け(プロでも勝てなかった)。復帰し、再びトップを目指す状況。ウィリアムスはラリー・ホームズ、マイク・タイソンの世界タイトルに挑戦して失敗したことがある男。立派な体格だが、ジャブを使うアウトボクサーで打たれ弱さがある。「敗者復活戦」のような雰囲気もある試合。打たれ強くないモリソンはガードを固めて前進。ウィリアムスは得意のジャブを飛ばす。1Rにいきなりダウンするウィリアムス。こちらも相当打たれ脆い。3Rにはジャブがタイミングよく当たってウィリアムスが二度目のダウン。5Rには逆にモリソンがダウン(二度目のダウンでは、何とか倒れまいとウィリアムスの足にしがみついたが、ヒザを着いてしまった)。ダウンを奪い返して気合いが入るウィリアムス。一進一退の展開の中で8R、モリソンの左フック。ロープに後退したウィリアムスは乱打され、レフェリーにストップされた。倒し倒されの激戦。世界王座も何も懸かっていない試合だったが、これもまた名勝負と言ってもよいのではないだろうか? しかし、ウィリアムスの打たれ脆さは何なのだろう? 一級品のジャブとキレのあるパンチを持つウィリアムス。タフさがあれば一回ぐらいは世界王者になっていたはず。ウィリアムスは口を半開きで試合をする。あっけなく倒れてしまうのは、そこにパンチをもらうから、かも知れない。)

トミー・モリソン 12R 判定 ジョージ・フォアマン
(WBO世界ヘビー級王座決定戦、1993年)
モリソン:左ジャブと左右フック
フォアマン:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(感想:モリソンがタイトル獲得。70年代に世界ヘビー級王者だったフォアマン。牧師としての活動資金を得るためにカムバックし、連戦連勝。イベンダー・ホリフィールドの世界ヘビー級王座に挑戦したが敗北。これがカムバック後、二度目の世界挑戦となる。ラスベガス「Thomas & Mack Center」で行われた注目の一戦。フォアマンの強打を警戒して、ジャブで距離を取ろうとするモリソン。フォアマンはジャブとストレートは良いが、フックは不正確。モリソンが打ち合いをなるべく避けながら接近して連打でポイントを取る。7R、フォアマンはジャブ・ストレート、モリソンは左右フックで激しく打ち合う。終盤、モリソンは足を使って逃げるような姿勢。判定は3-0で新王者モリソン。ダウンシーンは無し。戦前はクーニー戦のようにフォアマンが打たれ弱いモリソンをKOするという予想もあったが、モリソンはよく耐えた。終盤の逃げは残念だが、フォアマンが危険なパンチの持ち主であるため、そういうふうにせざるを得なかったのだろう。)

トミー・モリソン 6R TKO ドノバン・ラドック
(IBC世界ヘビー級王座決定戦、1995年)
モリソン:左ジャブ、左右フック、右アッパー
ラドック:左ジャブ、左フック、右アッパー
(ダウンシーン)
1R:右アッパーでモリソンがダウン
2R:ラドックがロープダウン
6R:左フック、連打でのスタンディングダウンで2度、ラドックがダウン
(感想:「ホワイトホープ」「次期スーパースター」モリソン。しかし、マイケル・ベントにKOされてWBO世界ヘビー級タイトルの防衛に失敗。ラドックはレノックス・ルイスにKO負け。この試合も敗者復活戦のようなイメージ。「IBC」なる団体のタイトルを懸けた一戦。1R、モリソンはラドックの強打を警戒してジャブを使うが、右アッパーでダウン。2R、右アッパーが効いたラドックがロープダウンを取られる。打たれ弱さがある両者。互いにダウンし、スリリングな展開に。ラドックはジャブは良いが、得意の左パンチ「スマッシュ」を狙いすぎ。6R、強烈な左フックでラドックがダウン。連打されスタンディングダウン。さらに連打でストップ。「なぜ止める?」みたいな表情のラドック(タイソンとの第一戦で見たような表情)。倒し倒されの激戦。エキサイティングではあったが、やはり共に打たれ弱い。ラドックもカール・ウィリアムスと同じように口が半開き(打たれ弱さと関係がある?)。何とか勝ったモリソンだが、次の試合でレノックス・ルイスにKO負けして、事実上キャリアを終えた。名優の親戚ではないかということから「The Duke(公爵)」と呼ばれたモリソンだが、プライベートでは乱れた生活。無一文になり、最後は病気で死去(2013年。44歳)。映画「ロッキー5/最後のドラマ」でシルベスター・スタローンとも共演し、華やかなリング生活だったように見えたが、子供の頃のトラウマのせいなのか、大人になっても苦しい人生から抜け出せなかったようだ。)

①「Heavyweight
Tommy Morrison vs. Carl Williams」
②「WBO World Heavyweight Title
Tommy Morrison vs. George Foreman」
③「IBC Heavyweight Title
Tommy Morrison vs. Donovan Ruddock」

カール・ウィリアムス(Carl "The Truth" Williams)のページ
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ジョージ・フォアマン(George Foreman)のページ
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ドノバン・ラドック(Donovan "Razor" Ruddock)のページ

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