2025年2月20日木曜日

マルセロ・ファビアン・ドミンゲス(Marcelo Fabian Dominguez)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

WBC世界クルーザー級王者。レイナルド・ヒメネス戦、ファン・カルロス・ゴメス戦、ジョニー・ネルソン戦を紹介します。

マルセロ・ファビアン・ドミンゲス(Marcelo Fabian Dominguez)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

マルセロ・ファビアン・ドミンゲス(アルゼンチン)

身長177cm:オーソドックス


マルセロ・ファビアン・ドミンゲス 12R TKO レイナルド・ヒメネス

(WBC世界クルーザー級暫定タイトル戦、1995年)

ドミンゲス:左ジャブ、右ストレート、フック

ヒメネス:左ジャブ、右ストレート、フック

(ダウンシーン)

12R:右ストレートでヒメネスがダウン

(感想:ドミンゲスがタイトル初防衛。アルゼンチンのドミンゲス。ニックネームは「El Gordo(大柄な男)」「El Toro(雄牛)」。アルゼンチンの選手らしいガッチリした体格であるが身長は177cmでアメリカの重量級選手ほど大きくはない。地元を中心にリング活動。デビューから無敗でアルゼンチン王座(クルーザー級)獲得。アナクレト・ワンバ(フランス)のWBC世界クルーザー級王座に挑戦して判定負け、初黒星。ワンバが負傷したことによりWBCはクルーザー級の暫定王座を設定。その決定戦でアキム・タフェ(フランス)をTKOで下して王座獲得。そして、この初防衛戦。WBC18位の挑戦者ヒメネスもアルゼンチン。しかし、ドミンゲスとは異なり、主戦場はアメリカ。WBA、WBCの地域王座を獲得するなどこのところ負け無し。連勝中の勢いで王座奪取なるか、といったところ。アルゼンチン・グアレグアイチュでの一戦。ドミンゲスは機敏な動きをする男。相手から距離を取って速いジャブ、右ストレート、接近して左フック。右ストレートからの左ジャブといったテクニックも使い、当てる巧さがある。ヒメネスはジャブ、ワンツー、斜め下からのフックが武器。試合は全般的に手数でドミンゲスが優勢。ヒメネスはパンチ自体は良いが相手を追い掛けるスピードに欠け、スタミナに不安があるのか「畳み掛ける攻撃」に乏しい。12R、攻めるドミンゲス。右ストレートでヒメネスがダウン。立ったが、連打を浴びてピンチ。試合残り時間わずかのところでヒメネスのセコンドが介入してレフェリーストップ。ドミンゲスが攻めの姿勢で勝利。ショートフックを使うやや細かいボクシングではあるが右ストレートに迫力があり、最後まで倒しに行こうとする姿勢は王者にふさわしい勇ましさだった。ヒメネスはおそらくスタミナに不安。攻撃が単発傾向だった印象。その後のヒメネス。意外なことにこの後、勝ち星無し。ネート・ミラー、ユーライア・グラントらを相手に四連敗だった。)


ファン・カルロス・ゴメス 12R 判定 マルセロ・ファビアン・ドミンゲス

(WBC世界クルーザー級タイトル戦、1998年)

ドミンゲス:左ジャブ、右ストレート、フック

ゴメス:右ジャブ、左ストレート、フック

(感想:ゴメスがタイトル獲得。正規王者に昇格して防衛を続けるドミンゲス。次の相手は厄介な選手。WBC1位の挑戦者ゴメスはキューバ・ハバナ出身の黒人。身長が192cmもあり、しかもサウスポー。ニックネームは「Pantera Negra」(英語で言うところの「Black Panther(ブラックパンサー)」)。アマチュアで好成績。プロデビュー。ドイツを主戦場に連戦連勝でWBCインター王座を獲得、防衛。これが初の世界挑戦であり、ドイツ以外でプロ試合するのはこれが初めて。アルゼンチンのマル・デル・プラタでの一戦(レフェリーはリチャード・スティール)。かなりの身長差。長身のゴメスが長いジャブ、左ストレート。接近戦ではショートフックを連打。離れても接近しても良いパンチが打てる。ドミンゲスはキレのあるストレート、フック。しかし、1Rから左目付近を負傷するハンデ。接近戦での打ち合いが続く。互いにディフェンスするが、ゴメスが左ストレート、右フックでやや優勢。ドミンゲスはサウスポーにスイッチしたりしながら手数を出し、時折ヒットさせる。次第にドミンゲスに疲れが。攻められても反撃するが、ゴメスは懐が深い。12R、ゴメスがマウスピースを意図的に吐き出して減点。12R終了。判定は小差の3-0(ダウンシーンは無し)。ゴメスが体格差で勝利。長身選手にしては器用だった。ドミンゲスは最後までよく頑張ったが、少し及ばず。相手にディフェンスされた。その後、両者は同王座を懸けて再戦。またしてもゴメスが勝利し、大差の3-0だった。) 


ジョニー・ネルソン 12R 判定 マルセロ・ファビアン・ドミンゲス

(WBO世界クルーザー級タイトル戦、2001年)

ドミンゲス:左ジャブ、右ストレート、フック

ネルソン:左ジャブ、右ストレート、フック

(感想:ネルソンがタイトル防衛。ドイツでのゴメスとの再戦に敗れたドミンゲス。再起後、連勝でWBO王座に挑戦。これまで32勝(17KO)3敗1分。王者ネルソン(39勝(27KO)12敗1分)は個性派。イングランド・シェフィールド出身の黒人。背が高く(身長189cm)、スイッチヒッター(両構え)。ニックネームは「The Entertainer(エンターテイナー)」。アマチュアでは活躍できず。プロ入り後、三連敗。その後はコツをつかんだか勝利が増え、英国クルーザー級王座を獲得、防衛。世界初挑戦ではカルロス・デ・レオン相手に大凡戦の末、引き分け(WBC世界クルーザー級王座戦)。ジェームス・ワーリングのIBF世界クルーザー級王座への挑戦は判定負け。WBF王座(クルーザー級、ヘビー級)獲得。カール・トンプソン(英国)をTKOで下して WBO世界クルーザー級王者に。ドミンゲス戦は8度目の防衛戦となる。シェフィールドでの一戦(TV解説者は元IBF世界クルーザー級王者グレン・マクローリー)。見た目が個性的なネルソン。ドレッドヘアー、白いヒラヒラのトランクス(ビリビリに破れているように見える)。アップライトスタイルからジャブ、右ストレート。接近してくるドミンゲスを左右フックで迎え撃つ。ドミンゲスは定評のあるジャブ、右ストレートに加え、大振りの右フック攻撃。2Rには迫力のボディ連打。6R、ローブローでドミンゲスが減点。その後もフックで攻めるドミンゲス、アウトボクシングのネルソン。12R終了。判定は大差の3-0(ダウンシーンは無し)。ネルソンが中間距離を保ちながらジャブ、右ストレートで勝利。普通アウトボクサーは中途半端に足を使うが、ネルソンは攻めてくる相手から逃げずに応戦した。ドミンゲスは動きは悪くはなかった。相手の器用さにやられた印象。その後の二人。ネルソンはその後も勝ち続け、13度の防衛成功。王者のまま引退。ドミンゲスはヘビー級に転向。南米王座、アルゼンチン王座、WBOの地域王座獲得。しかし、「ロシアの大巨人」ニコライ・ワルーエフ、エンゾ・マカリネリ(WBO世界クルーザー級暫定王座戦)に敗北。世界王座に返り咲くことはなかった。)


①「WBC Interim World Cruiserweight Title

Marcelo Fabian Dominguez vs. Reinaldo Gimenez」

②「WBC World Cruiserweight Title

Marcelo Fabian Dominguez vs. Juan Carlos Gomez」

③「WBO World Cruiserweight Title

Johnny Nelson vs. Marcelo Fabian Dominguez」


ファン・カルロス・ゴメス(Juan Carlos Gómez)のページ

---------------

ジョニー・ネルソン(Johnny Nelson)のページ 

0 件のコメント:

コメントを投稿