WBC米大陸ヘビー級王者。速い連打が武器。デリク・バンクス戦、ジミー・サンダー戦、ニコライ・ワルーエフ戦ほかを紹介します。
モンテ・バレット(アメリカ)
身長191cm:オーソドックス(右構え)
①モンテ・バレット 10R 判定 デリク・バンクス
(ヘビー級戦、2000年)
バレット:左ジャブ、右ストレート、フック
バンクス:左ジャブ、右ストレート、フック
(感想:ノースカロライナ出身のバレット。ニックネームは「Two Gunz」(二丁拳銃?)。治安の悪い地域で育った。ボクシングを始め、アマチュアで40試合経験(37勝)。ニューヨークでデビュー戦。以来、元世界王者グレグ・ペイジを破ったり、フィル・ジャクソンとの決定戦に勝利してWBC米大陸王座を獲得したりと連戦連勝。ところがランス・ウィテカーに初黒星、米大陸王座を失う。これまで21勝(13KO)1敗。バンクス戦はその再起戦。バンクスは19勝(7KO)4敗1分。NABO王座に挑戦したことがあるが、TKO負けに終わっている。ニューヨークでの一戦。共に白いグローブ。両者とも速いパンチ。ジャブ、ワンツー、左フックを器用に打つ。2R、バンクスの左フックがヒット。4R、バレットが左ボディ。スピーディな打ち合い、一進一退。両者譲らず、といった内容で10R終了。判定は意外に差がついた3-0(ダウンシーンは無し)。共にスピードがあり、両者には大きな実力差があるようには見えなかったが、リングサイドのジャッジにはバレットのパンチの方が効果的に見えたのだろう。負けたが、良いボクシングだったバンクス。しかし、その後は負けが込んで大した実績なし。パンチは速かったが、その分、パワーにやや欠けていた印象。それが大成できなかった原因か?)
②モンテ・バレット 7R TKO ジミー・サンダー
(ヘビー級戦、2000年)
バレット:左ジャブ、右ストレート、フック
サンダー:左ジャブ、右ストレート、フック
(感想:サンダーはニュージーランドの強打者。WBFやIBOの王座を獲得した実績があるが、このところ敗北が目立つ。ニューヨークでの一戦。いつものようにパワフルな左右フックで前進するサンダー。バレットはジャブ、右ストレート、左フックで応戦し、接近戦では右アッパーを見せる。攻める意識が強すぎるのか、サンダーは空振りが多い。動きが良いバレット。右でカウンターを取ったり、ワンツーからの左フック、左フックからの右ストレートといったコンビネーション。疲れを見せるサンダーは一発打ってはクリンチ、打たれてはクリンチ。7R、バレットが連打。打たれるサンダー。サンダーのセコンド(エディ・ムスタファ・ムハマド)が棄権を申し入れて試合終了(ダウンシーンは無し)。バレットがコンビネーションで快勝。右ストレート、左フックが特に効果的だった。サンダーはピークを過ぎていた模様。この後も敗北が続き、引退。)
③ニコライ・ワルーエフ 11R TKO モンテ・バレット
(WBA世界ヘビー級タイトル戦、2006年)
バレット:左ジャブ、フック
ワルーエフ:左ジャブ、右ストレート、フック
(ダウンシーン)
8R:ワンツーでバレットがダウン
11R:右ストレート、右フックで2度、バレットがダウン
(感想:ワルーエフがタイトル防衛。サンダー戦後、ブランクもあったが名のある相手と戦ってきたバレット。ウラジミール・クリチコにTKO負け、ティム・ウィスザスプーンに判定勝ち、ジョー・メシに判定負け。ハシム・ラクマンとWBC暫定王座を争ったが、判定負け。その再起戦でワルーエフのWBA世界ヘビー級王座に挑戦。王者ワルーエフはロシアの大巨人。身長213cmもあり、決して小さくはないバレット(身長191cm)と大きな体格差。イリノイ州ローズモントでの一戦。大巨人ながら器用なワルーエフ。ジャブ、ワンツー、接近戦では左右フック。バレットは相手が大きいため、大きなフックを使用。ワルーエフの懐に飛び込んで一発を狙い、フック&クリンチ。8R、ワンツーでバレットがダウン。10Rにもワンツーでバレットがダウンしたが、これはスリップの裁定。11Rは「公開処刑」のようなラウンド。右ストレート、右フックでバレットが二度ダウン。立ったが、セコンドが棄権を申し入れて試合終了。ワルーエフが圧力(ゴツいパンチ)で勝利。デカい体ながらワンツー、左フックからの右ストレートといったコンビネーションを巧く使い、当てるテクニックもあった。バレットは残念。体格差を意識しすぎたか、一発狙いで攻めるリズムが悪すぎた。元々パワーではなく、スピードで勝負するタイプ。距離を取って隙を突く作戦でいってほしかったところ。)
④モンテ・バレット 2R KO クリフ・コーサー
(ヘビー級戦、2007年)
バレット:左ジャブ、右ストレート、フック
コーサー:フック
(ダウンシーン)
2R:連打でコーサーがダウン
(感想:ワルーエフにTKO負けしたバレット。その再起戦でクリフ・コーサーにTKO負けして三連敗。これまで31勝(17KO)6敗、36歳。コーサーはミズーリ州セントルイス出身の黒人。勝ったり負けたりの中堅どころで26勝(14KO)13敗2分。北米王座、IBFインター王座に挑戦したことがあるが、いずれもTKO負け。連敗中だったがバレットに勝利。そして、このブロンクスでの再戦。マイク・タイソン風の顔立ちのコーサー。ヘッドスリップしながら左フック。おそらくタイソンを意識していると思われるが、動きのスピードは速くない。バレットは足を使って距離を取る。コチラもあまり動きが機敏ではない。コーサーが右フック、バレットは右ストレートをそれぞれヒットさせる。攻めるコーサー、応戦するバレット。2R、左フックを決めたのをキッカケにバレットがラッシュ。連打でコーサーがダウン。立てず、KO。バレットが当てる巧さで勝利。ただ、ディフェンスをあまり考慮していないような攻め方で、バタバタした打ち方だった。たぶん、全盛を過ぎていたのだろう。その後の二人。コーサーは何と全敗。バレットは名のある相手と試合をしたが、世界王座には手が届かなかった。スピードがあった頃に世界挑戦できなかったのが残念。)
①「Heavyweight
Monte Barrett vs. Derrick Banks」
②「Heavyweight
Monte Barrett vs. Jimmy Thunder」
③「WBA World Heavyweight Title
Nikolai Valuev vs. Monte Barrett」
④「Heavyweight
Monte Barrett vs. Cliff Couser」
ジミー・サンダー(Jimmy Thunder)のページ
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