2024年7月26日金曜日

サミュエル・ピーター(Samuel Peter)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

WBC世界ヘビー級王者になる前の試合。シャノン・ヘッド戦、フランシス・ロイヤル戦、ヒルベルト・マルチネス戦を紹介します。

サミュエル・ピーター(Samuel Peter)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

サミュエル・ピーター(ナイジェリア)

身長188cm:オーソドックス(右構え)


サミュエル・ピーター 1R KO シャノン・ヘッド

(ヘビー級4回戦、2001年)

ピーター:左ジャブ、右ストレート、フック

ヘッド:左ジャブ、右ストレート、フック

(ダウンシーン)

1R:右フック、右ショートで2度、ヘッドがダウン

(感想:「The Nigerian Nightmare(ナイジェリアの悪夢)」と呼ばれるピーター。見た目がトレバー・バービック(ジャマイカ出身のWBC世界ヘビー級王者)に似ている。2000年のシドニー・オリンピックではナイジェリア代表としてスーパーヘビー級で出場(メダルは獲得ならず)。カザフスタンでプロデビュー。ヘッド戦はプロ四戦目で、試合地はアメリカ。ヘッドはフロリダの選手でこれがデビュー戦。フロリダ州フォート・マイヤーズでの黒人同士の一戦。バタバタ攻めるヘッド。ディフェンスが全くできていない。そんなヘッドにピーターが右フック。うつぶせに倒れたヘッドだが立ち上がり、再び真っ直ぐ攻める。今度は右のショート。二度目のダウンを喫したヘッドはヒザをキャンバスに着いたまま立てず、KO。なかなか面白かった試合。ヘッドのガチャガチャした攻め。アメリカの黒人選手にはスタイリッシュな試合をするイメージがあるが、ヘッドはそういうタイプではなかった(「BOXREC」にはこの試合の記録しかない。たぶん、一試合で辞めたのだろう)。ピーターはタイミングを捉えるのが巧かった。)


サミュエル・ピーター 2R KO フランシス・ロイヤル

(ヘビー級4回戦、2002年)

ピーター:左ジャブ、右ストレート、フック

ロイヤル:左ジャブ、フック

(ダウンシーン)

2R:左フックでロイヤルがダウン

(感想:これまで10連勝(9KO)のピーター。ロイヤルはニューメキシコ州サンタフェの黒人で、ニックネームは「キング」(相当強いのだろう)。6勝(5KO)4敗で、見た目がジェームス・バスター・ダグラスに少し似ている。「バービック vs. ダグラス」はダグラスがワンサイドで判定勝利したが、「ソックリさん対決」のこの試合はどうか? アリゾナ州スコッツデールでの一戦。共にジャブ。左右フック連打で攻める姿勢のピーターにロイヤルは応戦したり、クリンチしたり。2R、ピーターが意表を突くタイミングで左フックを飛び込むように打ち込んでロイヤルがダウン。そのままカウントアウト。ピーターが圧勝。この試合でもタイミングの良さが目立った。ロイヤルはその後も中堅どころにとどまった。「キング」というアダナは単に本名が「Royal(国王の、王室の)」だから、ということなのだろう。)


サミュエル・ピーター 3R TKO ヒルベルト・マルチネス

(ヘビー級10回戦、2005年)

ピーター:左ジャブ、右ストレート、フック

マルチネス:右ジャブ、左ストレート、左フック

(ダウンシーン)

3R:右フックでマルチネスがダウン

(感想:これまで22連勝(19KO)のピーター。WBCユース王座、北米王座、全米王座を獲得するなど快進撃。マルチネスは18勝(7KO)8敗3分のメキシカン。デビューは1985年ではあるが、その間、長いブランクがある。全盛を遙かに過ぎたトニー・タッブスに勝ったことがあるが、カーク・ジョンソンにTKO負けするなどこのところ負けが続いている。ラスベガスでの一戦(レフェリーはリチャード・スティール)。共にゴツい体。サウスポーのマルチネスは右を使いながら左ストレート、左フック。ただ、ディフェンスが甘い印象。ピーターもジャブ、そして左右フック。左パンチ&クリンチ作戦のマルチネス。ピーターは太ったように見え、動きが鈍い。ただ、フックや左ボディ打ちなどを当てる巧さがある。3R、右フックからの左フックといったコンビネーションで連打するピーター。右フックでマルチネスがダウン。立ったが、連打でレフェリーストップ。クリンチが目立ち、ピーターの体重が気になった試合だった。敗れたマルチネスはこれが最後の試合に。その後、ピーターはウラジミール・クリチコに判定負けで初黒星。ジェームズ・トニーとのWBC世界ヘビー級王座挑戦権決定戦に勝利。それによって暫定王者に認定。正規王者オレグ・マスカエフと王座統一戦を行い、TKO勝ちで王座統一。しかし、そこまで。復帰してきたビタリ・クリチコの挑戦を受け、王座陥落。世界王座を懸けたウラジミール・クリチコとの再戦でKO負け。以後は勝ったり負けたり。攻めるときのディフェンスに甘さがあったピーター。体重も彼の弱点だったと思われる。)


①「Heavyweight 

Samuel Peter vs. Shannon Head」

②「Heavyweight 

Samuel Peter vs. Francis Royal」

③「Heavyweight 

Samuel Peter vs. Gilbert Martinez」


ウラジミール・クリチコ(Wladimir Klitschko)のページ 

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ビタリ・クリチコ(Vitali Klitschko)のページ

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