ヘビー級王座を独占したクリチコ兄弟の兄、ビタリ。レノックス・ルイス戦、コーリー・サンダース戦、サミュエル・ピーター戦を紹介します。
ビタリ・クリチコ(ウクライナ)
身長200cm:オーソドックス(右構え)
①レノックス・ルイス 7R TKO ビタリ・クリチコ
(WBC世界ヘビー級タイトル戦、2003年)
クリチコ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
ルイス:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(感想:ルイスがタイトル防衛。ソ連・キルギス出身のクリチコ。ソ連に翻弄された一族の出で、親類は悲惨な目に遭ったという。キックボクサーになり、世界タイトル獲得。アマチュアボクシングでも優秀な成績(タイトルも獲得)。プロ入り後、アメリカを主戦場に全勝でWBO王座獲得。ところがクリス・バードに敗れ、王座陥落。WBAのインター王座を獲得し、ルイスのWBC王座に挑戦。これまで32勝(31KO)1敗で31歳。王者ルイスは37歳。必殺の右ストレートで勝ってきた男。ハシーム・ラクマンにKOされて王座を失ったが奪回。直前の防衛戦では元王者マイク・タイソンをKOしている。ロサンゼルスでの一戦。アップライト・スタイルから繰り出す左ジャブと右ストレートが武器のクリチコ。共にジャブ・ストレートを使う似た戦い方。フックを荒っぽく振り回す二人。2R、クリチコの右ストレート、ルイスの左ジャブがヒット。左目周辺のキズが悪化したクリチコ。6R終了で棄権。ダウンシーンは無し。「ガツン」という感じのジャブとディフェンスで勝ったルイスはこれがラストファイトに。王者のまま引退した。)
②ビタリ・クリチコ 8R TKO コーリー・サンダース
(WBC世界ヘビー級王座決定戦、2004年)
クリチコ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
サンダース:右ジャブ、左ストレート、左右フック
(感想:クリチコがタイトル獲得。ルイスがWBC世界ヘビー級王座を返上。その王座をサンダース(南アフリカ)と争うことに。サウスポーのサンダースは直前の試合でビタリの弟ウラジミールをKOしてWBO王座を獲得しており、そのタイトルを返上して今度はWBCを狙う。ロサンゼルスでの一戦。ジャブを使って右ストレートを狙うクリチコ。左ストレートとフック連打のサンダース。5R、右ストレートでサンダースがグラつく。8R、クリチコ得意の右ストレートが連続ヒットでレフェリーストップ。ダウンシーンは無し。弟をKOしたサンダースの左ストレートを警戒しながら、得意パンチで勝利したクリチコ。作戦勝ち。)
③ビタリ・クリチコ 9R TKO サミュエル・ピーター
(WBC世界ヘビー級タイトル戦、2008年)
クリチコ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
ピーター:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(感想:クリチコがタイトル獲得。ヒザを痛めて引退していたクリチコがカムバック。ドイツでかつて保持していたWBC王座に挑戦。王者のピーターはナイジェリア出身。「アフリカのボクサー」と言えばスピード・テクニック・パワーを兼ね備えている、というイメージが強いが、それは軽量級~中量級の話。ずんぐりした体型のピーター。スピードが無い。正直なところ「世界ヘビー級王者」にしては魅力が無さ過ぎの男。左のガードを下げてジャブを打つクリチコ。ピーターは当たらないジャブ・ストレート。8R終了でピーターが棄権。ダウンシーンは無しで、世界戦にしてはイマイチな内容。ボクサーとしてのクリチコの評価としては「右ストレートはまずまず。フックは体重の乗らない手打ち」。「プロ」というより「アマチュア」向きの選手だった印象。ブランクの後、王座復帰のクリチコ。その後も王座を守り続けたが、地元ウクライナが政情不安になり、王座返上。2014年、キーウ市長に当選。ソ連に翻弄されたクリチコ一族。ウクライナ侵攻により、今度はロシアの圧力を受けている。)
Lennox Lewis vs. Vitali Klitschko」
②「WBC World Heavyweight Title
Corrie Sanders vs. Vitali Klitschko」
③「WBC World Heavyweight Title
Samuel Peter vs. Vitali Klitschko」
レノックス・ルイス(Lennox Lewis)のページ
---------------
コーリー・サンダース(Corrie Sanders)のページ
---------------
ウラジミール・クリチコ(Wladimir Klitschko)のページ
0 件のコメント:
コメントを投稿