2024年6月14日金曜日

ビクトル・ガリンデス(Victor Galindez)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

WBA世界L・ヘビー級王者。パワフルなフック連打。ピエール・フーリー戦(初戦)、エディ・グレゴリー戦、マイク・ロスマン戦(再戦)を紹介します。

ビクトル・ガリンデス(Victor Galindez)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ビクトル・ガリンデス(アルゼンチン)

身長177cm:オーソドックス(右構え)


ビクトル・ガリンデス 15R 判定 ピエール・フーリー

(WBA世界L・ヘビー級タイトル戦、1975年)

ガリンデス:左ジャブ、右ストレート、左右フック

フーリー:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(感想:ガリンデスがタイトル初防衛。アルゼンチンのガリンデス。1968年メキシコ・オリンピックにライトミドル級で出場(メダルは獲得ならず)。プロ入り後は地元中心のリング活動。初の王座戦(アルゼンチン・ライトヘビー級タイトル)は判定負け。その後、同王座獲得、南米王座も獲得。ブエノスアイレスで行われた決定戦でWBA王者に。初防衛戦は初めての海外試合。挑戦者フーリーは元々はミドル級だったが、階級アップ。南アフリカ・ライトヘビー級タイトル奪取後、強打者ボブ・フォスターの統一世界L・ヘビー級王座に二度挑戦。しかし、いずれも判定負けしている。挑戦者の地元、南アフリカ・ヨハネスブルグでの一戦。ファイターのガリンデスがダッキングしながら左ジャブ、左フック。フーリーはやや左のガードを下げた構えからジャブを連打。ジャブは多いがそれ以外のパンチが少なく、攻め方が雑な印象。時折サウスポーにスイッチするが、あまり効果は無い。ガリンデスも狙いすぎのためか、攻撃が単発でパンチの正確さに欠ける。終盤、クリンチが多くなるフーリー。ガリンデスはパワフルなフックで攻める(14Rほか)。15R終了。判定は3-0(ダウンシーンは無し)。ガリンデスはパワーとパンチのキレがあったがフーリーは微妙にパンチをかわすのが巧かったため、ダウンを奪うことはできなかった。共に良いところと残念なところを見せた試合。その後、王座を懸けた再戦が行われ、2-1でガリンデスがタイトル防衛。フーリーはそれが最後の世界戦に。ちなみにフーリーのラストファイトの相手は後のWBA世界ヘビー級王者ゲリー・コーツィーで、フーリーの3R KO負けだった。) 


ビクトル・ガリンデス 15R 判定 エディ・グレゴリー

(WBA世界L・ヘビー級タイトル戦、1977年)

ガリンデス:左ジャブ、右ストレート、左右フック

グレゴリー:左ジャブ、右ストレート、左フック

(ダウンシーン)

5R:右ストレートでグレゴリーがダウン

(感想:ガリンデスがタイトル防衛。順調に防衛を重ねるガリンデス(元王者ボブ・フォスターと防衛戦を行う予定もあったが、フォスターの体調不良によりキャンセル)。直前の試合(イタリア・ローマ)では実力者ヤキ・ロペスを3-0で下して防衛成功。挑戦者グレゴリーはニューヨーク・ブルックリン出身の黒人で、マシュー・フランクリン(後のWBC王者)を破るなど連勝中。イタリア・トリノで行われた試合。キレイなジャブを打つグレゴリー。ワンツーからの左フックといったコンビネーションも良い。ガリンデスはジャブを使いながら右ストレート、左右フック。共にディフェンスし、クリーンヒットを許さない。ジャブ以外のパンチが少ないグレゴリー。5Rに攻めたが、右ストレートがカウンターとなってダウン。その後もどちらが優勢とは言い難い展開。13R、ローブローにローブローで対抗してグレゴリーが減点。15R終了。判定は僅差の3-0。ガリンデスのパワーが評価されたか。映像ではグレゴリーがジャブで勝ったようにも見えたが、ダウン、減点、クリンチが多かったこと、淡々とした試合ぶりだったことが敗因か? パワーがあるところも見せたが、全体的に倒しに行くような攻めが少なかったのがもったいなかった。後、グレゴリーは1980年にこの王座を獲得し、「エディ・ムスタファ・ムハマド」に改名。引退後はトレーナーとして活躍。)


ビクトル・ガリンデス 9R TKO マイク・ロスマン

(WBA世界L・ヘビー級タイトル戦、1979年)

ガリンデス:左ジャブ、右ストレート、左右フック

ロスマン:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(感想:ガリンデスがタイトル奪回。ロスマンに連打でTKO負けを喫して王座陥落のガリンデス。再戦で王座奪回を目指す状況(WBA1位。これまで54勝(33KO)7敗4分)。ロスマンはペンシルベニア州フィラデルフィア出身の白人で36勝(23KO)4敗3分。ヤキ・ロペスに敗れたが、ガリンデスを攻略して世界王者に。初防衛に成功。ガリンデスと二度目の防衛戦。初戦と同じニューオリンズ「スーパードーム」で行われた再戦(ガリンデスが「ロスマンに有利なジャッジが選ばれている」とクレームを付けて試合が延期になった後、ようやく実現)。ロスマンはスラリとした体型。ガードを固めてジャブ、ワンツーを基本とするタイプ。左フックも強い。ガリンデスはジャブを使いながら思い切りのいい右ストレート、左フック。共に力強いパンチ。接近戦ではガリンデスの左右フック、離れた距離ではロスマンのワンツーが効果的。4R終了時、ゴング後のガリンデスのパンチでガリンデスとロスマンのセコンドが小競り合い。その後、ロスマンは打ち合いすぎたか、7Rにボディ連打、8Rには左フックを食う。8R終了でロスマンが棄権(ダウンシーンは無し)。再び王座はガリンデスの下へ。初戦よりもロスマンは力強く、ガリンデスは攻める姿勢だったが、パワーで勝負がついた。ロスマンは試合中、右のコブシを負傷(骨折?)したらしい。しかし、それが無かったとしてもガリンデスは攻めが力強く、王座奪回できる勢いがあった。その後の二人。ロスマンはリングに上がり続けたが、ドワイト・ブラクストン(ドワイト・ムハマド・カウイ)にKO負け。ガリンデスとの再戦が最後の世界戦に。ガリンデスは次の試合でマービン・ジョンソンにKOされ、王座陥落。その次の試合にも敗北。両眼の網膜剥離の手術を受けた後、1980年8月21日に引退を発表。カーレースの世界に行ったが事故で死去(1980年、31歳)。2002年、国際ボクシング殿堂入り。2002年、「リング誌」からライトヘビー級史上11位にランクされる名誉。手数が少なくなったりするなど試合によってややムラがあったが、確かな攻撃力を持っていた。) 


①「WBA World Light Heavyweight Title 

Victor Galindez vs. Pierre Fourie」

②「WBA World Light Heavyweight Title 

Victor Galindez vs. Eddie Gregory」

③「WBA World Light Heavyweight Title 

Mike Rossman vs. Victor Galindez」


マービン・ジョンソン(Marvin Johnson)のページ

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エディ・ムスタファ・ムハマド(Eddie Mustafa Muhammad)のページ

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