2024年3月13日水曜日

ライオネル・ローズ(Lionel Rose)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

世界バンタム級王者。アボリジニの血を引く男。日本で世界王座奪取、防衛戦。ファイティング原田戦、桜井孝雄戦、沼田義明戦を紹介します。

ライオネル・ローズ(Lionel Rose)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ライオネル・ローズ(オーストラリア)

身長166cm:オースドックス(右構え)

ライオネル・ローズ 15R 判定 ファイティング原田

(世界バンタム級タイトル戦、1968年)

ローズ:左ジャブ、右ストレート、左フック

原田:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(ダウンシーン)

9R:右ストレートで原田がダウン

(感想:ローズがタイトル獲得。19歳のローズはアボリジニの血を引く男。これまで27勝(8KO)2敗。オーストラリア王座(バンタム級)を獲得し、連勝中であるがこれまでの試合は全て地元。ヘスス・ピメンテルの代役として世界挑戦のチャンス到来。この試合は2月に開催。日本では冬だが、オーストラリアでは逆に夏。ローズは正反対の気候となる敵地に乗り込むことに。しかも、試合前に右手を負傷。さらにレフェリー、ジャッジは全て日本人。初の海外試合でどんな動きを見せるか? 王者、原田はエデル・ジョフレから王座を奪った「日本の英雄」。50勝(19KO)3敗。これが五度目の防衛戦で「有利」の予想。日本武道館での一戦。原田が右ストレート、左右フックで先制攻撃。ジャブ、ストレートで応戦するローズ。1Rから原田が打たれる。攻めたところを右ストレート、左フック。ローズが距離を取りながら速いジャブ、右ストレートで優勢。原田の攻撃を素早い身のこなし、ディフェンスでかわす。9R、右ストレートで原田がダウン。14R、右ストレートを食って原田がピンチ。15R終了。判定は3-0。時折オープンブロー(?)をレフェリーから注意されながらもローズがパンチの正確さで勝利。原田はよく攻めたが、ジョー・メデルとの一戦目のように攻めたところを逆に打たれて敗北。原田のパンチにはキレがあり、コンディションが悪かったようには見えなかったが。後、原田は三階級制覇に失敗。世界王者としてリングに上がったのはローズ戦が最後となった。)


ライオネル・ローズ 15R 判定 桜井孝雄

(世界バンタム級タイトル戦、1968年)

ローズ:左ジャブ、右ストレート、左フック

桜井:右ジャブ、左ストレート、右フック

(ダウンシーン)

2R:左ストレートでローズがダウン

(感想:ローズがタイトル初防衛。興味深い相手と初防衛戦を行うことになったローズ。桜井は1964年の東京オリンピック・バンタム級金メダリスト。プロ入り後はこれまで全勝。日本武道館での一戦。サウスポーの桜井。足でリズムを取って右ジャブ、左ストレート。ローズは相手がサウスポーということで右ストレートを狙う。プレッシャーをかけるローズ。距離を取ろうとする桜井。2R、左ストレートがキレイに決まってローズがダウン。その後はローズが右ストレート、桜井は左ストレートを狙う展開。ディフェンシブなスタイルでカウンターを狙う桜井。攻めるローズ。互いにディフェンスし、決定打を欠いたまま15R終了。判定は2-0。ローズの攻める姿勢、右ストレートが評価されたか。桜井のカウンターを狙う作戦は悪くはなかったが、挑戦者としては積極性に欠けた。時には足を止めて連打するといった「倒しに行く姿勢」を見せて欲しかったところ。後、桜井はあのルーベン・オリバレスに敗北。東洋バンタム級王座を獲得したが、二度目の世界挑戦はなかった。)


沼田義明 15R 判定 ライオネル・ローズ

(WBC世界J・ライト級タイトル戦、1971年)

ローズ:左ジャブ、右ストレート、左フック

沼田:左ジャブ、右ストレート、左フック

(感想:沼田がタイトル防衛。四度目の防衛戦でルーベン・オリバレスにKOされて世界バンタム級王座陥落のローズ。階級を上げて鈴木石松(ガッツ石松)に10R判定勝ち。そしてこの試合。王者沼田は「精密機械」。フラッシュ・エロルデから世界J・ライト級王座奪取。小林弘との初防衛戦(史上初の日本人同士の世界タイトル戦)でKO負け、王座陥落。世界ライト級王者マンド・ラモスに挑戦してKO負け、二階級制覇ならず。レネ・バリエントスを下してWBC世界J・ライト級王者に。ローズ戦は三度目の防衛戦となる。広島県立体育館での一戦。力強いストレート、左フックを打つローズ。沼田との間にパワーや体格でのハンデは感じられない。沼田は慎重な戦いぶり。ディフェンスしながらジャブ、右ストレート。3R、勢い余って沼田がロープ外に転落。それ以外は比較的静かな展開。ディフェンスし、互いの長所をうち消し合う。ローズはジャブが少な目。15R終了。判定は3-0。ダウンシーンは無し。強そうなパンチを打っていたにもかかわらずジャブが少なかったローズ。映像で観た感じでは「沼田が勝った」というより「ローズは積極的に攻めなかった」という印象。ローズは二階級制覇してもおかしくないほどのパワーが感じられたが、これが最後の世界戦に。沼田は次の防衛戦でリカルド・アルレドンド(メキシコ)にKO負け。「日本人キラー」といった感じでアルレドンドは防衛を重ねたが、柴田国明に王座を奪われた。)


①「World Bantamweight Title 

Fighting Harada vs. Lionel Rose」

②「World Bantamweight Title 

Lionel Rose vs. Sakurai Takao」

③「WBC World Super Featherweight Title 

Numata Yoshiaki vs. Lionel Rose」


ファイティング原田(Fighting Harada)のページ 

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マンド・ラモス(Mando Ramos)のページ

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