世界ライト級王者。リズミカルなジャブ、コンビネーションで世界を獲得したスレンダーな長身選手。小林弘戦、カルロス・テオ・クルス戦(再戦)、沼田義明戦を紹介します。
マンド・ラモス(アメリカ)
身長175cm:オーソドックス(右構え)
①マンド・ラモス 10R 判定 小林弘
(ライト級戦、1968年)
ラモス:左ジャブ、右ストレート、左フック
小林:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
9R:右フックでラモスがダウン
(感想:ラモスは背が高いアウトボクサーでジャブを正確に当てていくタイプ。カリフォルニア州出身。ロサンゼルス「オリンピック・オーディトリアム」において17歳でプロデビュー。以来、連戦連勝。実力者の徐強一、フランキー・クロフォードに二敗してしまったが、その後、連勝し、この小林戦。小林は世界J・ライト級王者。アメリカ遠征。「オリンピック・オーディトリアム」で試合。共に足でリズムを刻んでジャブ、そして右ストレート、左フックを狙う。小林が接近して連打しようとするが、ラモスはリズミカルにジャブを当てる。9R、右フックでラモスがダウン。しかし逆にラモスが右アッパーを決める。判定は3-0。ラモスのジャブ、ストレートが評価されたと思われる。小林は良い右ストレートを打っていたが上手くかわされ、ジャブを打たれてしまった。)
②マンド・ラモス 11R TKO カルロス・テオ・クルス
(世界ライト級タイトル戦、1969年)
ラモス:左ジャブ、右ストレート、左右フック
クルス:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(感想:ラモスがタイトル獲得。ロサンゼルスでの再戦。初戦もロサンゼルスで行われ、ラモスが15R判定負けで王座獲得ならず。ガッチリした体型の王者クルス(ドミニカ)はあのカルロス・オルチスから王座を奪った男で、これが二度目の防衛戦。低い姿勢からフック攻撃し、右ストレートを思い切って打っていくクルス。接近戦。互いにボディ攻撃。次第にラモスがジャブ、ストレートで優勢に。キズのチェックを受けるクルス。11R、キズによりレフェリーストップ。ダウンシーンは無し。一進一退の激しい打撃戦が見られた好試合。クルスはパワフルでタフだったが、ラモスが粘り強くジャブを連打し、右ストレートでクルスを後退させた。ボクシングはテクニックやパワーが物を言う世界であるが、この試合のようなギリギリの勝負の場合は「根性」で決まることもよくある。)
③マンド・ラモス 6R KO 沼田義明
(世界ライト級タイトル戦、1969年)
ラモス:左ジャブ、右ストレート、左右フック
沼田:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
5R:右ストレートで沼田がダウン
6R:左ボディフック、左ボディフック、連打で3度、沼田がダウン
(感想:ラモスがタイトル初防衛。ロサンゼルスで行われた試合。沼田は元世界J・ライト級王者で二階級制覇を狙う状況。ラモスがジャブ連打からの右ストレートで攻め、左フックを振るう。沼田は下がりながら左フックからの右ストレートなどで応戦。接近戦ではコンビネーションを使うラモス。沼田はフック連打。力強い右ストレートを打つ沼田だが、下がりながらの攻撃であるため試合のペースはジャブを使うラモスが握る。5R、連打からの右ストレートで沼田がダウン。6R、三度のダウンで終了。ラモスがジャブと右ストレートで主導権を取り、得意の左ボディ打ちで勝利。小林弘と沼田義明はライバル同士だったが、共にラモスのジャブでやられてしまった。しかし、ラモスはこの次の防衛戦でイスマエル・ラグナにTKO負けで王座陥落。沼田はWBC世界J・ライト級王座獲得。その後のラモス。WBC王座を奪回したが私生活に問題があったらしく、王者として長く活躍することはできなかった。現役時代を薬やアルコールで自ら壊してしまったラモスだが、妻のサポートで回復。青少年組織を設立し、アルコール、薬物、ボクシングについて指導する生活。しかし、2008年、59歳で死去。晩年は心臓が悪かったという。)
Kobayashi Hiroshi vs. Mando Ramos」
②「World Lightweight Title
Carlos Teo Cruz vs. Mando Ramos」
③「World Lightweight Title
Mando Ramos vs. Numata Yoshiaki」
シュガー・ラモス(Sugar Ramos)のページ
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