触沢公男(日本)
身長162cm:オーソドックス(右構え)
フライ級実力者。二度の世界挑戦。「vs. ジョー・ルイス・クルス」「vs. グディ・エスパダス」。「ラファエル・オルテガ vs. フリッパー上原」を紹介します。
①触沢公男 7R TKO ジョー・ルイス・クルス
(フライ級戦、1977年)
触沢:左ジャブ、右ストレート、左右フック
クルス:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
5R:左フックでクルスがダウン
6R:連打でクルスがスタンディングダウン
(感想:世界フライ級8位の触沢。岩手県出身。これまで23勝(7KO)6敗5分のファイタータイプ。王座を獲得したことはないが、直前の試合では元WBC世界フライ級王者小熊正二をKOしている。世界9位のクルス(メキシコ)は25勝(18KO)2敗4分。ルペ・ピントールにTKO負けしたことがある。日本で行われた世界ランカー対決。共にジャブ。クルスは慎重に距離を取りながらメキシカンらしい左ボディフック、しゃくり上げるような右フックを打つ。触沢はフットワークを使いながら攻める姿勢。良いパンチを持っているにもかかわらず自分から攻めていかないクルス。そんな受け身の相手に触沢は接近して右ストレート、左右フック。5R、右ストレートが効いたクルス。ラッシュをかけられ、左フックでダウン。6Rには連打でスタンディングカウントを聞く。6R終了後、クルスが棄権。触沢が積極的な連打で力強い勝利。ただ、クルスが消極的だったのは残念。その後もクルスは多くの試合。しかし、メキシコ王座戦(フライ級)でKO負けするなど王座とは縁が無かった。)
②グディ・エスパダス 7R TKO 触沢公男
(WBA世界フライ級タイトル戦、1978年)
触沢:左ジャブ、右ストレート、左右フック
エスパダス:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
4R:右ストレートで触沢がダウン
(感想:エスパダスがタイトル防衛。クルス戦の次の試合でミゲル・カントのWBC世界フライ級タイトルに挑戦した触沢。しかし、15R 判定負け。その再起戦で「世界4位」として再び世界挑戦。王者エスパダスはメキシカン。アルフォンソ・ロペス(パナマ)から奪った王座の四度目の防衛戦。東京「品川スポーツランド」での一戦。小柄ながら自信タップリの戦いぶりのエスパダス。ジャブを使いながらジリジリ前進し、フックを思い切り振っていく。2R、左フックで触沢がダウン寸前に。力強い右ストレートを打つ触沢だが、エスパダスはディフェンスも巧い。4R、いきなりの右ストレートで触沢がダウン。その後も強打でエスパダス優勢。7R、キズによりレフェリーストップ。エスパダスのパワーは凄かった(しかし、次の防衛戦でベツリオ・ゴンサレスに判定負け、王座陥落。その後、二度の世界挑戦はいずれも敗北。息子ジュニアもボクサーに。WBC世界フェザー級王者になった)。触沢は世界戦に二連敗し、これで引退。強い選手だったが、世界王者はそれを上回るテクニックとパワーを持っていた。)
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③ラファエル・オルテガ 15R 判定 フリッパー上原
(WBA世界フェザー級タイトル戦、1977年)
上原:左ジャブ、右ストレート、左フック
オルテガ:左ジャブ、右ストレート、左フック
(ダウンシーン)
1R:左フックで上原がダウン
(感想:オルテガがタイトル防衛。沖縄出身の上原は後にWBA世界J・ライト級王者になる上原康恒の弟。日本フェザー級王座を獲得し、デビッド・コティのWBC世界フェザー級タイトルに挑戦したが敗北。これが二度目の世界挑戦。王者オルテガはパナマ出身でこれが初防衛戦。沖縄で行われた試合。スピードがあるオルテガ。自由奔放な動きから速いジャブ、ストレートを飛ばし、左フックを振るう。上原はジャブ、ストレート、思い切りのいい左フック。打ち合いの中、左フックで上原がダウン。その後、オルテガが回転の速い連打、左ボディ打ち、アッパー気味の左フックで試合をリード。上原がオルテガをロープ際に追い込んで連打する力強いシーンもあったが(5R、6Rほか)、オルテガがスピードで優勢。15R終了。判定は3-0。これで引退の上原。パワーはあったが、王者は速かった。オルテガは次の防衛戦で王座陥落。攻撃重視のスタイルのためか、オルテガにはパンチを食う欠点があった。それが敗北の原因かもしれない。)
①「World Flyweight
Furesawa Kimio vs. Jose Luis Cruz」
②「WBA World Flyweight Title
Guty Espadas vs. Furesawa Kimio」
③「WBA World Featherweight Title
Rafael Ortega vs. Flipper Uehara」
グティ・エスパダス・ジュニア(Guty Espadas Jr.)のページ
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ミゲル・カント("Maestro" Miguel Canto)のページ
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