2024年1月3日水曜日

ホセ・ルイス・ブエノ(Jose Luis Bueno)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

WBC世界J・バンタム級王者。典型的なアクトボクサー。ホセ・ルイス・ベガヒル戦、エルビス・アルバレス戦、文成吉戦ほかを紹介します。

ホセ・ルイス・ブエノ(Jose Luis Bueno)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ホセ・ルイス・ブエノ(メキシコ)

身長164cm:オースドックス(右構え)

ホセ・ルイス・ブエノ 12R 判定 ホセ・ルイス・ベガヒル

(WBC米大陸J・バンタム級タイトル戦、1991年)

ブエノ:左ジャブ、右ストレート、左フック

ベガヒル:左ジャブ、右ストレート、左フック

(ダウンシーン)

4R:左ジャブでブエノがダウン

(感想:ブエノがタイトル初防衛。ブエノはかつてのバンタム級名王者カルロス・サラテのようなフットワークとジャブを使うボクサータイプ。デビュー戦は2RでKO負け。その後、連勝したが、ハビエル・レオンにKO負け。そこからまた連勝。アルマンド・サラサール(後、世界挑戦、TKO負け)を下して米大陸王座獲得。ベガヒル戦は初防衛戦となる。挑戦者ベガヒルもメキシカン。カリフォルニア州王座(J・フェザー級)を獲得しているが、このところはビクトル・ラバナレス、ジュニア・ジョーンズに敗北するなど勝ったり負けたりで安定しない。メキシコシティでの一戦。フットワークとジャブを使うブエノ。ベガヒルはジャブ、右ストレートでブエノを追う。アウトボクシングのブエノをベガヒルが攻めるパターンが続く。4R、左ジャブでブエノがあっけなくダウン。攻めるベガヒル、ジャブ、連打で応戦するブエノ。このままでは王座移動、という空気。しかし、9Rに右ストレートをクリーンヒットさせるなど終盤にブエノが巻き返す。最終ラウンド終了時、共に両手を上げて自身の勝利をアピール。判定は3-0。ブエノが何とか勝利。倒しに行くようなパンチではなく、相手に合わせるように当てるアウトボクシング。「フットワーク&ジャブ」で、まるで晩年のモハメド・アリみたいな試合ぶり。ただし、アリ同様、ジャブは正確で右ストレートには力強いものがあった。微妙なラウンド、ジャブ、右ストレートで優勢だった終盤のラウンドを取ったと思われる。一方、ダウンを奪い、右ストレートをヒットさせるなどよく攻めたベガヒル。負けて不満そうだったが、パンチの当たりがやや浅かったか(後に辰吉丈一郎と戦ってKO負け)。)


ホセ・ルイス・ブエノ 12R 判定 エルビス・アルバレス

(WBC米大陸J・バンタム級タイトル戦、1992年)

ブエノ:左ジャブ、右ストレート、左右フック

アルバレス:右ジャブ、左ストレート、右フック

(感想:ブエノがタイトル防衛。二度目の防衛戦。挑戦者アルバレス(コロンビア)はレパード玉熊からWBA世界フライ級王座を奪ったサウスポー。テクニックを使うタイプだが、パンチもある。メキシコシティでの一戦。アルバレスが足で距離を取りながらジャブ、そして左ストレート、右フック。特に左ストレートが強い印象。ブエノはベガヒル戦とは違って攻める姿勢。ジャブからの右ストレート、左右フック攻撃。接近戦では互いにパワーのあるパンチ。やや慎重な戦いぶりのアルバレス。ブエノがジャブで先手を取るシーンも。判定は2-1。ダウンシーンは無し。両者に大きな力の差は感じられなかった。アルバレスはもっと攻めるべきだった。ブエノは積極策が功を奏した。首を振ってパンチをかわすテクニックも良かった。後、アルバレスは北米バンタム級王座獲得。しかし、ジュニア・ジョーンズのWBA世界バンタム級王座に挑戦して判定負け。それが最後の試合となった。)


ホセフィノ・スアレス 12R 判定 ホセ・ルイス・ブエノ

(WBC米大陸J・バンタム級タイトル戦、1992年)

ブエノ:左ジャブ、右ストレート、左右フック

スアレス:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(感想:スアレスがタイトル獲得。ブエノの二度目の防衛戦。挑戦者スアレスもメキシカン。勝ったり負けたりだが、後の世界王者ガブリエル・ルエラス、ジョニー・タピア、マルコ・アントニオ・バレラといった選手と戦ってきた。メキシコでの一戦(リングサイドでカルロス・サラテ、フリオ・セサール・チャベス、ウンベルト・ゴンザレスが観戦。会場が暑いのか、ゴンザレスはしきりに何かで団扇のように扇いでいた)。スピードが無いスアレス。右ストレート、大きな振りのフックを使う。しかし、意外にパンチに伸びがある。ブエノは距離を取ってジャブ、左のテクニックで応戦。6R、ブエノが大きなフックで攻める。スアレスはなかなかタフ。接近して無骨なフック攻撃。それを持て余すブエノ。11Rには連続で打たれてピンチ。12R終了。判定は2-0。中盤以降、攻められてしまったブエノ。良いフックを打っていたが、スアレスを止めることができなかった。その後、スアレスは大きなチャンス。辺丁一、薬師寺保栄のWBC世界バンタム級王座に挑戦。しかし、敗北。ハワイで辰吉にKO負け。世界王座には手が届かなかった。)


ホセ・ルイス・ブエノ 12R 判定 文成吉

(WBC世界J・バンタム級タイトル戦、1993年)

ブエノ:左ジャブ、右ストレート、左右フック

文:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(ダウンシーン)

3R:左フックでブエノがダウン

(感想:ブエノがタイトル獲得。スアレスに米大陸王座を奪われたブエノだが、再起二連勝で世界挑戦のチャンス(あまりパワーが無いブエノ。王者陣営は「勝てる」と見込んでブエノを挑戦者に選んだのでは?)。王者の文は「韓国の石のコブシ」と呼ばれる二階級制覇チャンピオン。しかしながら、世界王座を獲った試合はいずれも負傷判定によるもの。それを揶揄する関係者も多かったが、実力者を相手にWBC王座を連続防衛中。韓国で行われた試合。文がジャブは少な目で、いきなり突き出す右ストレート、左右フック連打で前進。しかし、1Rからバランスを崩して転倒するなど空振りが多い。それに対し、ブエノはきびきびした動き。キレのあるジャブ、右ストレートでカウンターを取り、左ボディ打ちも巧い。3R、左フックでブエノがダウン。その後、パワーを込めて文は攻めるが、逆に接近戦でも打たれ、5Rあたりから頬の腫れが目立ってくる。12R終了。判定は2-1。シャープなパンチと手数でブエノ。映像で見た感じでは3-0だと思ったが、ジャッジの一人は文のパワーを評価したらしい。バランスの悪さが目立った文はこれで引退。ブエノは次の試合で川島郭志と初防衛戦。テクニックを競い合う展開となったがダウンを奪われて判定負け、王座陥落。その後も世界挑戦のチャンスを得たが、ウェイン・マックロー、エリック・モラレスに敗れて王座返り咲きならず。スピードとテクニックはあったが、KOするパワーに欠けるところがあった。)

①「WBC Continental Americas Super Flyweight Title 

Jose Luis Bueno vs. Jose Luis Vegagil」

②「WBC Continental Americas Super Flyweight Title 

Jose Luis Bueno vs. Elvis Alvarez」

③「WBC Continental Americas Super Flyweight Title 

Jose Luis Bueno vs. Josefino Suarez」

④「WBC World Super Flyweight Title 

Sung Kil Moon vs. Jose Luis Bueno」

レパード玉熊(Leopard Tamakuma)のページ

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文成吉(Moon Sung Kil)のページ

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川島郭志(Kawashima Hiroshi)のページ 

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