「日本のウィテカー」と呼ばれたサウスポーのテクニシャン、川島。崔甲哲戦、ホセ・ルイス・ブエノ戦、ドミンゴ・ソーサ戦を紹介します。
川島郭志(日本)
身長165cm:サウスポー
①川島郭志 5R TKO 崔甲哲
(J・バンタム級戦、1993年)
川島:右ジャブ、左ストレート、右フック
崔:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
5R:連打、右ボディフックで2度、崔がダウン
(感想:徳島県出身の川島は「兄弟ボクサー」(お兄さんの川島志伸はIBF世界フライ級王座に挑戦したことがある)。元々は右ききであるが、「有利だから」という理由で試合のときはサウスポー。子供の頃からボクシングに親しみ、アマチュアで活躍(鬼塚隆(後の鬼塚勝也)、渡久地隆人に勝ったことも)。プロ入り。二度のKO負けがあったが日本J・バンタム級タイトルを獲得し、今や世界挑戦を狙うポジション。相手の崔は韓国フライ級2位。ジャブ・ストレートで前に出る崔に川島は左ストレートでカウンター。打たれても前進する崔だが、4Rのボディ攻撃が効いた。5R、二度のダウン。連打でレフェリーストップ。結果は妥当なところ。崔は負けたが粘り強かった。川島の次の試合はブエノの持つ世界タイトルへの挑戦。)
②川島郭志 12R 判定 ホセ・ルイス・ブエノ
(WBC世界J・バンタム級タイトル戦、1994年)
川島:右ジャブ、左ストレート、右フック
ブエノ:左ジャブ、右ストレート、左フック
(ダウンシーン)
11R:左ストレートでブエノがダウン
(感想:川島がタイトル獲得。世界初挑戦の川島。王者ブエノは「韓国の石の拳」文を判定で破って王座に就いたメキシカン。リズミカルなフットワークとジャブを使う選手。共にジャブとディフェンスができるタイプであるため、テクニック勝負となった。どちらかが一方的になるシーンは少なく、時折、互いにストレートをヒットさせる。終盤は川島。11R、左ストレートがカウンターとなってブエノがダウン。判定は3-0。ジャブとディフェンス。ボクシングの基本をきっちり実行できた「川島らしい試合」だった。オルランド・カニザレスが得意とする「首を振ってパンチをかわすテクニック」を見せた川島。WOWOWなどで「世界のボクシング」を観ることができるようになって以来、「世界の技」を使う日本人選手が出てくるようになった。)
③川島郭志 2R TKO ドミンゴ・ソーサ
(WBC世界J・バンタム級タイトル戦、1996年)
川島:右ジャブ、左ストレート、右フック
ソーサ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(感想:川島が6度目のタイトル防衛。ソーサはウンベルト・ゴンザレス、マイケル・カルバハルの世界J・フライ級王座に挑戦したことがある選手。パワーはそれほど感じられないが、スラリとした体型からジャブ・ストレートを飛ばす。ジリジリ距離を詰める川島。2R、右フックでグラついたソーサに連打してレフェリーストップ。ダウンシーンは無し。身長はあるが元々はJ・フライ級のソーサ。J・バンタムでは少し物足りない挑戦者だった(この試合でソーサは引退)。次の防衛戦をフィリピンのジェリー・ペニャロサと行った川島。2-1で判定負け、王座陥落。視力低下のため、引退。引退後はジムを開いて若手の指導をしたり、ボクシング中継で解説の仕事をしたりしている。)
①「Super Flyweight
Kawashima Hiroshi vs. Kap-Chul Choi」
②「WBC World Super Flyweight Title
Jose Luis Bueno vs. Kawashima Hiroshi」
③「WBC World Super Flyweight Title
Kawashima Hiroshi vs. Domingo Sosa」
ジェリー・ペニャロサ(Gerry Penalosa)のページ
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