「世界」に四度挑戦した男、松村。文成吉戦、鬼塚勝也戦、川島郭志戦を紹介します。
松村謙二(日本)
身長 cm:オーソドックス(右構え)
①文成吉 5R 負傷判定 松村謙二
(WBC世界J・バンタム級タイトル戦、1990年)
松村:左ジャブ、右ストレート、左右フック
文:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
1R:右フックで2度、松村がダウン
3R:右フックで松村がダウン
(感想:文がタイトル防衛。カオサイ・ギャラクシーのWBA世界J・バンタム級王座に二度挑戦していずれも敗れた松村。三度目の世界挑戦のチャンス到来。王者は元WBA世界バンタム級王者でもある「韓国の石の拳」文。荒っぽく「ガツンガツン」殴るラフファイター。しかし世界を獲った二試合はいずれも出血による負傷判定。韓国で行われた試合。共にファイタータイプのため1Rからハイペースな打ち合い。1Rのダウンは勢いで押し倒されたような感じのもの。文の乱打にフックで応戦する松村。3Rのダウン。その後、バッティングで血だらけになった文。5Rで負傷判定。王者防衛。「やれやれ、また負傷判定か」という結果に(文は古傷のため、出血することがよくあった)。松村としては「勝負はこれから」というタイミングでの終了。試合が長引いていたら逆の結果になっていたかも。)
②鬼塚勝也 5R TKO 松村謙一
(WBA世界J・バンタム級タイトル戦、1992年)
松村:左ジャブ、右ストレート、左右フック
鬼塚:左ジャブ、右ストレート、左フック
(ダウンシーン)
4R:連打、左フックで2度、松村がダウン
(感想:鬼塚がタイトル防衛。松村の四度目の世界挑戦(地方のジムの選手にしては恵まれている。普通、こんなにチャンスを与えられることはまずない)。鬼塚はタノムサク・シスボーベーとの王座決定戦に勝って王座に就いた選手。松村はタノムサクから東洋太平洋タイトルを獲ったことがある。「タノムサク」という共通点を持つ者同士の対戦。鬼塚がジャブ・ストレート・左フックの基本に忠実なボクシング。左フックにパワーとキレがある。この試合からリングネームを「謙一」に変えた松村はジャブ・フックで変則的な攻め。松村のいきなりのフックをディフェンスしてジャブを当てる鬼塚。4R、左フックが効いて松村がスタンディングダウン。さらに左フックで二度目のダウン。5R、連打でレフェリーストップ。鬼塚は我慢強くジャブを打ち続け、パンチにはパワーがあった。)
③川島郭志 5R TKO 松村謙一
(日本J・バンタム級タイトル戦、1993年)
松村:左ジャブ、右ストレート、左右フック
川島:右ジャブ、左ストレート、右フック
(ダウンシーン)
4R:右フックで松村がダウン
(感想:川島がタイトル防衛。鬼塚に負けた松村。再起戦は川島の日本J・バンタム級王座への挑戦。後に世界を獲るサウスポーの川島。ディフェンスしながら速いジャブ・ストレート。右フックにパワーがある。4Rのダウンシーン。5R開始早々のラッシュでセコンドからタオル投入。新旧交代を印象づけるような結果。川島がオルランド・カニザレスがよく使っていた「首を振ってパンチをかわすテクニック」を披露して快勝(世界レベルの技を身につけて世界王座へ向かう)。松村は打たれ、完全に足に来ていた。これまでの試合のダメージが残っていたのではないか? これで引退の松村。四度も世界挑戦のチャンスに恵まれたが、世界は獲れなかった。異常なタフネスの持ち主だったが、バランスが良くなかったため、パンチの正確さに欠け、打たれることも多く、次第に打たれ弱くなっていった。)
①「WBC World Super Flyweight Title
Sung Kil Moon vs. Matsumura Kenji」
②「WBA World Super Flyweight Title
Onizuka Katsuya vs. Matsumura Kenji」
③「Japanese Super Flyweight Title
Kawashima Hiroshi vs. Matsumura Kenji」
松村謙二(Matsumura Kenji)①
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