「怪物」カオサイに二度挑戦した男、松村。川又章生戦、カオサイ・ギャラクシー戦(初戦・再戦)を紹介します。
松村謙二(日本)
身長 cm:オーソドックス(右構え)
①松村謙二 2R KO 川又章生
(東洋太平洋フライ級タイトル戦、1988年)
松村:左ジャブ、右ストレート、左右フック
川又:左ジャブ、右ストレート、左フック
(ダウンシーン)
2R:左フック、連打、右フックで3度、川又がダウン
(感想:松村がタイトル防衛。兵庫県出身の松村。大学でボクシング部に所属。卒業後、警官になったが、退職してアマチュアボクサーに。結婚後、ボクシングを辞め、教師になったがそれも辞めて、プロボクサーに(あまりにも異色の存在)。プロ入り後は負けることもあったが、八戦目であのタノムサク・シスボーベー(後、鬼塚勝也と対戦)に勝って東洋太平洋フライ級王座獲得。これが三度目の防衛戦となる。ランク1位の川又。後の世界王者、畑中清詞には敗れたが、それ以外は負け無し。スラリとした体型でジャブを飛ばす川又。松村は距離を詰めてフック攻撃。川又が優勢。右ストレートを決めて、松村を追い込む。しかし2R、右アッパーが効いた川又。左フックでダウン。さらに二度のダウンでKO。映像では最後のダウンはパンチではなく腕を引っかけたようなものに見えた。最初の右アッパーが効いていたため仕方がない、といったところか。松村のパンチは振りが大きく正確さに欠けるが、意表を突く巧さがあった。)
②カオサイ・ギャラクシー 12R 判定 松村謙二
(WBA世界J・バンタム級タイトル戦、1989年)
松村:左ジャブ、右ストレート、左右フック
カオサイ:右ジャブ、左ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
10R:連打で松村がダウン
(感想:カオサイがタイトル防衛。川又に勝利した松村(世界6位)。その次の試合は横浜文化体育館で恐怖のハードパンチャー、カオサイへの挑戦。これが10度目の防衛戦となるカオサイ。試合前の予想は「カオサイのKO防衛」。カオサイのセコンドには双子の兄カオコー。テレビ解説はかつてこのタイトルを持っていた渡辺二郎。会場では浜田剛史が観戦。1Rから攻めていく松村。サウスポーのカオサイはディフェンスし、左ストレートでカウンター、ボディ打ち。打ち合いが続く。ただでさえ怖いカオサイの顔がバッティングによる流血でさらに怖い顔に。10R、連打で松村がついにダウン。しかしKOされることなく12R終了。判定は3-0。松村のフックがヒットするシーンもあったが(3Rなど)、全体的にはカオサイのパンチの正確さとパワーが上だった。10RにKO負け寸前になった松村。よく耐えた、といった感じで観客は喜んでいたが、ダメージはかなりのものだったと思われる。)
③カオサイ・ギャラクシー 12R TKO 松村謙二
(WBA世界J・バンタム級タイトル戦、1989年)
松村:左ジャブ、右ストレート、左右フック
カオサイ:右ジャブ、左ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
3R:左ストレートで松村がダウン
8R:左ストレートで松村がダウン
12R:左ストレートで松村がダウン
(感想:カオサイがタイトル防衛。松村が再起戦でカオサイと再戦(カオサイは強すぎて「試合枯れ」することがよくあったという。ファイトマネーがいい日本での試合はカオサイにとっては魅力的だったのかもしれない)。試合地は「神戸ワールド記念ホール」。ジャブを使って攻める松村。2R、カオサイが右フックでグラつく。しかしその後は前回のような打ち合い。ダウンを奪われる松村だが、攻める姿勢は崩さない。12R、左ストレートの連打で松村がダウン。立ったがレフェリーストップ。試合の残り時間はわずかのところだった。ピンチになる意外なシーンがあったものの12度目の防衛に成功したカオサイ。結局、19連続防衛を達成して王者のまま引退。敗れた松村はその後も世界挑戦のチャンスを得るが・・・。)
①「WBA World Super Flyweight Title
Matsumura Kenji vs. Kawamata Akio」
②「WBA World Super Flyweight Title
Khaosai Galaxy vs. Matsumura Kenji」
③「WBA World Super Flyweight Title
Khaosai Galaxy vs. Matsumura Kenji」
カオサイ・ギャラクシー(Khaosai Galaxy)のページ
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