ウェルター級で世界挑戦した、龍反町。エディ・パーキンス戦、金沢英雄戦、カルロス・パロミノ戦を紹介します。
龍反町(日本)
身長176cm:オーソドックス(右構え)
①エディ・パーキンス 10R 判定 龍反町
(世界ウェルター級挑戦者決定戦、1974年)
龍:左ジャブ、右ストレート、左フック
パーキンス:左ジャブ、右ストレート、左フック
(感想:東京都大田区出身の龍。本名は反町則雄。デビュー戦は判定負け。その後、日本ウェルター級王座を獲得・防衛。東洋ウェルター級王座獲得・防衛。輪島功一の世界J・ミドル級王座に挑戦したが、判定負け。東洋王座の五度目の防衛に成功して、このパーキンス戦。パーキンスはベテラン。60年代に世界J・ウェルター級王者だった黒人選手で、これまで79勝(24KO)13敗3分。世界ウェルター級2位(龍は世界J・ミドル6位)。パーキンスが左のガードを下げてジャブを打ち、時折左フックをヒットさせる。龍は何故か手数が少ない。6Rに右ストレートを当てた龍だが、8Rに連打されてしまう。判定は3-0。ダウンシーンは無し。ただジャブを打たれただけの龍。パーキンスはテクニシャンタイプで、それほどスピードや威圧感は無かったように見えた。それとも近づくことすらできないほどパーキンスの左ジャブは強かったのだろうか? この試合は「世界ウェルター級挑戦者決定戦」として行われたが、パーキンスはこの試合の後4連敗し、世界挑戦することなく引退。)
②龍反町 1R KO 金沢英雄
(J・ミドル級戦、1974年)
龍:左ジャブ、右ストレート、左フック
金沢:左ジャブ、右ストレート、左フック
(ダウンシーン)
1R:右ストレート、連打、左フックで3度、金沢がダウン
(感想:龍はWBA世界J・ミドル級8位。金沢はWBC世界J・ミドル級10位。世界ランカー同士の「世界J・ミドル級挑戦者決定戦」。金沢は東洋J・ミドル級王座を防衛し続けている選手。しかしながら試合は一方的。パーキンス戦では手数が少なく、ほぼいいところなく負けた龍。この試合ではジャブをよく出し、ストレートにもパワーが。金沢は大振りの左フックで「世界ランカー」の実力はあまり感じられない。三度ダウンで龍が圧勝。最初にダウンを奪った「斜め下からの右ストレート」が印象的な試合。)
③カルロス・パロミノ 7R KO 龍反町
(WBC世界ウェルター級タイトル戦、1978年)
龍:左ジャブ、右ストレート、左フック
パロミノ:左ジャブ、右ストレート、左フック
(ダウンシーン)
7R:左フックで龍がダウン
(感想:パロミノがタイトル防衛。金沢に勝ってオスカー・アルバラードの世界J・ミドル級王座に挑戦した龍だが、7RでKOされ、二度目の世界挑戦も失敗。東洋ウェルター級王座は防衛し続けており、この三度目の世界挑戦のチャンスを得た。王者パロミノはメキシコ生まれでアメリカ国籍の選手。これが五度目の防衛戦。ラスベガスで行われた一戦。パロミノは左ジャブ・左フックなど左を器用に使うバランスのよいチャンピオン。右ストレートも強い。龍もジャブからの右ストレートにはパワーがある。共にジャブ・ストレートを主体とするが、手数とスピードはパロミノ。7R、右ストレートからの左フックで龍がダウンして完全KO。左が多彩だったパロミノ。龍もいいパンチを打っていた。もう少しジャブを多く出して相手を追い込むことができていたら世界を獲っていたかもしれない。その後も龍は東洋王座を防衛したが、12度目の防衛戦に敗れ、引退。実力はあったが、「世界の壁」は厚かった。)
①「Welterweight
Eddie Perkins vs. Ryu Sorimachi」
②「Super Welterweight
Ryu Sorimachi vs. Kanazawa Hideo」
③「WBC World Welterweight Title
Carlos Palomino vs. Ryu Sorimachi」
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